大阪・関西万博の中国館を先取り 竹簡と古典がつなぐ「人と自然の共同体」
開催を控える2025年の大阪・関西万博(Expo 2025 Osaka)で、中国館のデザインコンセプトが一部公開されています。古代から受け継がれてきた竹簡と書のイメージを取り入れ、「人と自然の共同体」とグリーン開発の未来を描くパビリオンです。
竹簡から生まれた中国館のデザイン
数千年前、古代の中国では、人々の知識や経験は竹を薄く加工した「竹簡」に書き付けて記録されてきました。今回の中国館は、その竹簡の遺産を現代の建築デザインに取り込み、全体として広げられた書の巻物のような姿をイメージしているとされています。
外観には竹簡を模したパネルが連なり、そこには古代の漢詩や古典文学の一節が刻まれる計画です。来場者は、建物を「見る」だけでなく、文字を「読む」体験を通して、過去から現在、そして未来へと受け継がれてきた知の流れを感じられる設計だといえるでしょう。
テーマは「人と自然の共同体」とグリーン開発
中国館のテーマは、英語でBuilding a community of life for man and nature – a future society of green developmentと表現されています。人と自然の生命共同体を築き、グリーン開発による未来社会を形づくるというメッセージが込められています。
そこからは、次のような問題意識が読み取れます。
- 人と自然は対立する存在ではなく、ともに生きる「共同体」であるという視点
- 環境負荷を抑えながら、持続可能な発展(グリーン開発)を模索する必要性
- 伝統文化に刻まれた自然観を、現代の都市づくりや技術とどう結びつけるかという問い
こうしたキーワードを掲げることで、中国館は単なる観光的な展示ではなく、環境と開発の両立について考えるきっかけを提供する場になりそうです。
古典文学が語りかける未来の社会
竹簡に刻まれる古詩や古典文学のフレーズには、山や川、季節の移ろい、星空など、自然をめぐる表現が多く含まれています。中国館では、そうした言葉を通じて、来場者一人ひとりが自分と自然との距離をあらためて見つめ直すきっかけをつくろうとしているように見えます。
最先端の技術や派手な演出だけで未来を語るのではなく、古代から続く言葉と文字を通して未来の社会像を描くというアプローチは、2025年の国際社会が直面する環境問題とも響き合う発想です。大阪という大都市で、古典と未来志向のアイデアが交差する空間は、多様な議論とインスピレーションを生み出しそうです。
万博で問われる「人と自然」のこれから
世界各地からパビリオンが集まる大阪・関西万博は、それぞれの国や地域が未来へのビジョンを提示する場です。そのなかで中国館は、歴史の重みと環境へのまなざしを前面に押し出し、「人と自然の共同体」というテーマで来場者に問いを投げかける存在になると考えられます。
今後、展示内容や体験プログラムの詳細が明らかになっていくにつれ、このコンセプトがどのような空間として結実していくのかが注目されます。竹簡と書のモチーフを軸にした中国館は、2025年の大阪・関西万博を語るうえで、象徴的なパビリオンの一つとなっていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








