中国の商工会議所、米国の「相互関税」に一斉反発
今週、米国が中国からの輸入品に対して導入した「相互関税」をめぐり、中国の複数の業界別商工会議所が強い反対の声を上げました。医薬品から機械、繊維、軽工業まで、国際貿易を担うキープレーヤーが、世界の健康や消費者、企業の権益への影響を懸念しています。
米国の「相互関税」に中国の商工会議所が一斉反発
中国の各産業を代表する複数の商工会議所は、今週米国が中国に課した「相互関税」に対し、「断固として反対する」と相次いで表明しました。これらの団体はいずれも輸出入企業で構成される全国レベルの業界団体で、会員企業の利益だけでなく、国際市場全体への影響を訴えています。
医薬・ヘルスケア分野:「一方的な貿易いじめ」と批判
医薬品や医療関連製品の国際取引を担う中国医薬保健品輸出入商会は、土曜日の声明で米国の措置に強く反対する姿勢を示しました。
同商会は、米国の今回の対応を「一方的な貿易いじめ」だと批判し、世界中の人々の健康に関する権利と利益が、不公正な貿易措置によって侵害されてはならないと強調しました。そのうえで、中国政府が取った対抗措置を断固として支持すると述べ、世界の製薬業界と連携して、各国の製薬企業の正当な権益を守っていく方針を示しています。
機械・電子製品:開放路線と市場多角化を呼びかけ
機械・電子製品分野を代表する中国機電製品輸出入商会は、会員企業に対し、国際社会との開放と「ウィンウィンの協力」の道を堅持するよう呼びかけました。
同商会は声明で、各企業が対外貿易ビジネスの戦略を積極的に見直し、市場の多角化を進めるとともに、外向き産業の転換と高度化を加速させる必要があると指摘しました。関税をめぐる不確実性が高まる局面でも、長期的な競争力を維持しようとする姿勢がうかがえます。
繊維産業:世界の産業界と消費者の声に耳を
中国紡織品輸出入商会は、米国に対し「世界の産業界と消費者の声に耳を傾けるべきだ」と訴えました。
同商会は、今回の関税措置は米国自身にとっても他国にとっても利益にならない誤った対応だと指摘し、その「誤りを正し、正しい軌道に戻る」ことを米国側に求めています。繊維製品は日常生活に密接した分野だけに、消費者への影響も念頭に置いたメッセージと言えます。
軽工業・工芸品:国際産業界に「連携して対抗」を呼びかけ
日用品や工芸品などを扱う中国軽工業品・工芸品輸出入商会は、国際的な産業界や各国の軽工業企業、サプライチェーンの上下流のパートナーに向けて、米国の「貿易上のいじめ行為」に共同で反対するよう声明の中で呼びかけました。
個別の企業だけでなく、産業チェーン全体で連携して対応することで、関税による負の影響を和らげようとする狙いがにじみます。
四つの声明が示す三つのメッセージ
今回の四つの商工会議所の声明を並べてみると、いくつかの共通するメッセージが見えてきます。
- 医薬品や日用品など、人々の生活や健康に直結する分野での関税措置が、世界の健康権や消費者の利益を損ないかねないという問題提起
- 関税の応酬が起きる局面でも、開放的な姿勢と多角的な市場戦略を通じてリスク分散を図ろうとする中国側の産業界の姿勢
- 個々の国や企業ではなく、国際的な産業コミュニティ全体で連携し、公正な貿易環境を守ろうとする呼びかけ
いずれの団体も、自国の企業の権益を守ると同時に、グローバルな医療供給や消費者利益、国際協力の枠組みを重視している点が特徴的です。
関税をめぐる不確実性と企業・消費者への影響
今回の「相互関税」をめぐるやりとりは、関税を通じた圧力のかけ合いが、企業や消費者にどのような影響を与えうるのかを改めて問いかけています。
一般に、関税が引き上げられると、輸入コストの上昇分は次のような形で波及すると考えられます。
- 企業の収益を圧迫し、投資や雇用計画の見直しを迫る
- コストの一部が価格に転嫁され、消費者物価に上昇圧力がかかる
- サプライチェーンの見直しや生産拠点の移転など、中長期的な構造変化を促す
中国側の商工会議所が「開放」「ウィンウィン」「多角化」「国際協力」といった言葉を繰り返し打ち出しているのは、まさにこうした不確実性の高まりに対応しようとする意識の表れとも受け取れます。
今後、米国の政策対応と、中国を含む各国の産業界の動きが、世界の貿易の流れや価格、そして私たちの日常生活にどのような形で跳ね返ってくるのか。今回の一連の声明は、その行方を見守るうえで注目すべきシグナルとなりそうです。
Reference(s):
Chinese chambers of commerce oppose U.S. 'reciprocal tariff'
cgtn.com








