ミャンマー地震の被災地で中国国際救援隊が医療支援 マンダレーで診療拡大
ミャンマー中部マンダレー地域の地震被災地で、中国国際救援隊がモバイル診断機器を使った無料診療や消毒活動を続けています。国際ニュースとしても注目されるこの動きは、被災住民の健康をどう支えているのでしょうか。
ミャンマー・マンダレーで続く医療アウトリーチ
現地時間の土曜日、中国国際捜索救援隊(China International Search and Rescue Team)がミャンマー・マンダレー地域の都市部で医療アウトリーチ活動を継続しました。対象となっているのは、マグニチュード7.9の地震で影響を受けた住民たちです。
チームは、病気のスクリーニング(健康状態の簡易チェック)、医療相談、服薬指導、医薬品の配布を組み合わせることで、現場で完結する医療サービスを提供しています。被災直後で医療機関にアクセスしづらい人々にとって、こうした「出張型医療」は重要な命綱となります。
避難キャンプでの無料検査 250人超が診察を受ける
マンダレーの医科大学近くの救援キャンプでは、中国国際捜索救援隊の医療班が、自前で開発したモバイル診断機器を活用しました。これにより、避難生活を送る住民がその場で検査と診察を受けられる体制が整えられています。
手持ちエコーから携帯型レントゲンまで
現地で使用された主な機器は次の通りです。
- 手持ち型の超音波診断装置(ハンドヘルドエコー)
- 携帯型レントゲン装置
- ベッドサイド心電図モニター
これらの機器を使い、250人を超える住民に対して無料検査が行われました。検査結果に基づき、必要な医薬品がその場で渡されています。
診断に応じた医薬品をその場で配布
配布された主な薬は、以下のような基本的かつ重要なものです。
- 感染症対策の薬(抗感染薬)
- 痛みを抑える薬(鎮痛薬)
- 血圧をコントロールする薬(降圧薬)
これらは、地震後のストレスや生活環境の悪化で悪化しやすい症状に直結する薬でもあり、被災地の一次医療として大きな役割を果たします。
高温下で悪化する持病に対応 呼吸器や消化器のケアを重点化
マンダレーパレス周辺では、同じ医療チームが地域特有の健康課題を踏まえた対応を行いました。とくに、地震被害と高温環境が重なることで悪化しやすい疾病に焦点が当てられています。
医療班が重点的にケアしたのは、次のような分野です。
- 呼吸器系の疾患
- 消化器系の疾患
- 免疫系のトラブル
高温の中での避難生活は、呼吸器や消化器に負担をかけやすく、慢性疾患を抱える人にとってはリスクが高まります。そのため、単に薬を渡すだけでなく、服薬のタイミングや副作用への注意点など、きめ細かい服薬指導も行われました。
健康教育で「自分で守る力」を高める
中国国際捜索救援隊は、薬の説明にとどまらず、健康教育にも力を入れています。内容は、主に次の2点です。
- 呼吸器ケアの方法(マスクの使い方、咳エチケット、換気など)
- 慢性疾患のセルフマネジメント(血圧管理、食事・水分のとり方など)
こうした説明は、被災生活が長期化した場合でも、住民が自分の健康をある程度自分で守れるようにすることを目的としています。医療スタッフが24時間常駐できない状況では、住民の「セルフケア能力」が重要な意味を持ちます。
14分野の専門家が参加 中国各地の救援隊と連携
今回マンダレーに派遣されている中国国際捜索救援隊の医療チームは、10人を超える専門家で構成されています。参加分野は、内科、外科、小児科など合計14の専門領域にわたり、多様な症状に対応できる体制が組まれています。
医療活動だけでなく、地震による被害建物の構造評価など、捜索・救助オペレーションも支援しており、救助現場や作業エリアの消毒も実施しています。これまでに消毒した面積は、12万平方メートルを超えています。
中国の他の救援隊と24時間体制で協力
中国国際捜索救援隊は、他の中国の救援チームと連携して活動しています。協力しているのは、中国捜索救援隊に加え、香港特別行政区と深圳市の公益救援隊などです。
こうした連携により、被災地では24時間体制の医療支援が可能になっています。これまでに実施された医療相談は500件を超え、時間帯や場所を問わず、住民が相談できる体制を維持していることが分かります。
今後もマンダレー各地で診療継続へ
中国国際捜索救援隊は、今後も段階的にマンダレー地域の複数の避難キャンプを巡回し、医療アウトリーチを続ける計画です。とくに、急性疾患と慢性疾患の両方に対応することを重視しています。
重点的に診療・治療が行われるのは、次のような分野です。
- 呼吸器疾患
- 肝胆道系の疾患
- 心血管疾患
- 内分泌系疾患(糖尿病などを含む)
地震の直後は外傷や急性疾患に目が向きがちですが、血圧や血糖といった慢性疾患のコントロールが乱れると、数週間から数か月後に重大な健康被害につながる可能性があります。その意味でも、今回の方針は中長期を見据えた支援と言えます。
医療物資の寄贈も予定 現地医療体制の補完へ
中国国際捜索救援隊は、現地の医療機関や救援拠点に対して、緊急に必要とされる医療物資や機器を寄贈する計画も明らかにしています。具体的な品目は示されていませんが、これまでの活動から、感染対策用品、基本的な医薬品、簡便な診断機器などが中心になると見られます。
一連の活動は、ミャンマーの被災地における医療アクセスのギャップを埋めると同時に、地震後に見えにくくなりがちな慢性疾患やメンタル面のケアに光を当てる取り組みとも言えます。国境を越えたこうした支援が、今後のアジア地域の防災・減災協力を考える上でも、一つの参考事例となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








