中国が新鉱物「高純度石英鉱」を発見 半導体・太陽光に追い風
半導体や太陽光発電などの最先端産業に欠かせない素材をめぐり、中国で新たな鉱物が確認されました。高純度石英鉱の発見は、輸入依存を減らし、戦略的新興産業の基盤を強化する動きとして注目されています。
中国が「高純度石英鉱」を新鉱物種として確認
中国の自然資源部(MNR)は最近、新たな鉱物種として高純度石英鉱を確認したと発表しました。中国メディアの報道によると、これは戦略的新興産業の高品質な発展と、資源の輸入依存を減らすうえで重要な一歩だと位置づけられています。
高純度石英鉱とは何か
自然資源部によれば、高純度石英鉱とは、選鉱や精製の後に得られる二酸化ケイ素(シリカ)の純度が99.995%以上となる鉱石を指します。半導体や太陽光発電(フォトボルタイクス)などの先端用途で求められる、きわめて厳しい不純物・包有物の基準を満たすことが条件です。
高純度石英鉱は、次のような特性を持つ戦略的で世界的にも希少な資源とされています。
- 高い耐熱性と耐食性
- 熱膨張が小さい
- 高い電気絶縁性
- 優れた光透過性
こうした特性から、高純度石英鉱は半導体ウエハーの製造装置部材や、太陽光発電向けの部材などに欠かせない基礎素材となっています。
河南省東秦嶺や新疆アルタイなどで鉱床を確認
中国は新たな戦略鉱物探査の取り組みを通じて、河南省の東秦嶺山地や新疆ウイグル自治区のアルタイ地域などで、高純度石英鉱の複数の鉱床を発見しました。
これまで中国は、この重要な素材を長く輸入に頼ってきましたが、今回の発見により、国内資源による供給の可能性が広がりつつあります。
4N5以上の試作品も 技術開発が前進
企業や研究機関も、高純度石英鉱をめぐる技術開発に本格的に取り組んでいます。報道によると、すでに4N5(99.995%)以上の純度を持つ試作品の製造に成功しており、一部のサンプルは4N8レベルの純度に達しています。
高純度石英鉱に関しては、次のような分野で重要な進展があったとされています。
- 資源の調査・評価
- 高純度石英鉱の探査
- 国内資源を用いた高純度石英砂生産の工業化に向けた技術開発
これらは、中国国内の資源を活用した高純度石英砂の工業生産に向けた、重要な一歩とみなされています。
サプライチェーン強靭化と「新質生産力」の鍵に
中国工程院の毛景文院士は、高純度石英鉱が戦略的で希少な資源として、高い耐熱性や耐食性、低い熱膨張、高い絶縁性、優れた光透過性を持つことをあらためて強調しました。
毛氏によると、高純度石英鉱は半導体や太陽光発電といった戦略的新興産業にとって不可欠な基礎素材であり、中国のハイテク競争において極めて重要な役割を果たします。今回の新鉱物種の確認は、産業のサプライチェーン(供給網)の強靱性と安全性を高め、「新質生産力」の発展を後押しすることが期待されています。
国家的な資源調査と今後の焦点
自然資源部鉱産資源保護監督司の黄学雄司長によると、今後は全国的な資源調査と評価が進められます。重点的な探査プロジェクトを展開し、高純度石英鉱の埋蔵量を明らかにすることで、国内資源の安全保障を強化していく方針です。
今回の動きから読み取れる主なポイントを整理すると、次のとおりです。
- 輸入依存度の高い戦略素材について、国内資源の開発と工業化が進みつつある
- 半導体や太陽光発電といった成長分野を支える「素材のボトルネック」を解消しようとする狙いがある
- 国家レベルの調査や探査を通じて、長期的な資源戦略の基盤作りが進められている
読者が押さえておきたい視点
高純度石英鉱は、一般の生活者にとってなじみの薄い鉱物ですが、スマートフォンやクラウドサービス、再生可能エネルギーなど、私たちの日常を支える半導体・太陽光発電の裏側で重要な役割を担っています。
2025年現在、世界各地で半導体やクリーンエネルギーをめぐる競争と協調が続くなか、素材の確保と供給網の安定化は各国・各地域に共通する課題です。中国における高純度石英鉱の発見と技術開発の進展は、今後の国際サプライチェーンや産業地図を考えるうえで、注視しておきたい動きと言えるでしょう。
Reference(s):
China discovers a new mineral for semiconductors and photovoltaics
cgtn.com








