広東省のカラフルな獅子舞 三国志と広東オペラが重なる瞬間 video poster
中国・広東省で受け継がれている伝統的な獅子舞では、色とりどりの獅子の頭(かしら)が、広東オペラと中国古典『Romance of the Three Kingdoms(いわゆる三国志)』の世界観を映し出しています。王と勇敢な武将たちを演じ分ける獅子たちは、物語性の高いビジュアルアートとして注目されています。
広東オペラから生まれた「王」と「武将」の獅子
広東省の伝統的な獅子舞は、広東オペラ(Cantonese Opera)に着想を得ているとされています。舞台の上で役者が王や武将を演じるように、獅子舞でもそれぞれの獅子に役割が与えられ、「王」とその勇敢な将軍たちという構図がつくられています。
観客は、一匹一匹の獅子の動きやポジションから、「この獅子は王」「あちらは頼れる将軍」といったキャラクターを自然と読み取ることができます。単なる縁起物としての獅子ではなく、舞台作品の登場人物として獅子を見る楽しみがあるのが特徴です。
色で語る物語 獅子の頭に宿る三国志のイメージ
この獅子舞でもう一つユニークなのが、色の使い方です。獅子の頭にはさまざまな色の組み合わせや装飾が施されており、それぞれが『Romance of the Three Kingdoms』の登場人物たちを思わせるスタイルになっています。
例えば、落ち着いた色合いは威厳ある王のイメージを強め、鮮やかなコントラストは勇猛な武将を想像させるなど、色とデザインの違いがキャラクター性を生み出しています。どの獅子も同じではなく、「この色はどんな人物像を表しているのだろう」と考えながら見ることで、鑑賞体験はより豊かなものになります。
日本の三国志ファンにも響くビジュアルストーリー
『Romance of the Three Kingdoms』は、日本でも漫画やゲームなどを通じて親しまれてきた物語です。広東省の獅子舞では、その物語世界が獅子の頭という立体的な造形と色彩で表現されている点が印象的です。
物語を知っている人なら、自分のなかの「理想の武将像」や「王のイメージ」を重ねながら獅子を眺めることができますし、物語を詳しく知らない人にとっても、色と形で性格が伝わってくるデザインは直感的に楽しむことができます。
伝統芸能を「読む」新しい見方
広東省のカラフルな獅子舞は、動きだけでなく、色とデザインによっても物語を語る表現になっています。王と武将という構図、そして三国志を思わせるキャラクター性を意識して見てみると、同じ演目でもまったく違う「読み方」が生まれます。
ニュースや映像でこの獅子舞に出会ったときは、「どの獅子が王なのか」「どの色にどんな性格が込められていそうか」といった視点で一度立ち止まってみると、短い映像クリップでも、物語の断片を発見できるかもしれません。
アジアの国際ニュースや文化を追いかけるなかで、こうしたローカルな伝統表現に目を向けることは、地域社会の歴史や価値観を知る入口にもなります。色とりどりの獅子の頭に宿る物語性は、スマートフォンの小さな画面越しにも、十分に伝わってくるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








