宇宙に行った牡丹、中国・ヘゼ市で咲く「宇宙牡丹」とは video poster
2002年、有人宇宙船 Shenzhou-3 に乗って宇宙を旅した牡丹の種が、約20年を経て中国の「牡丹の都」とされるヘゼ市で「宇宙牡丹(space peonies)」として咲いています。200粒の種から生まれたおよそ400株の花は、宇宙と身近な庭をつなぐ存在として注目されています。<\/p>
200粒の種が見た宇宙と、地上に戻るまで<\/h2>
宇宙牡丹の物語は、2002年の Shenzhou-3 有人宇宙船から始まります。この宇宙船は200粒の牡丹の種を載せ、6日と18時間にわたって地球の周りを周回しました。無重力や宇宙放射線といった地上とは異なる環境を経験した種は、その後地上に戻され、ヘゼ市で丁寧に育てられてきました。<\/p>
約20年後、これらの種からは約400株の牡丹が育ち、「宇宙牡丹」と呼ばれるようになりました。中国の牡丹の都として知られるヘゼ市にとっても、象徴的な存在になりつつあります。<\/p>
「宇宙牡丹」はどんな姿? 見た目は意外と身近<\/h2>
「宇宙牡丹」と聞くと、奇抜な形や派手な色を想像するかもしれません。しかし、その姿は基本的には私たちが知っている牡丹と同じく、大きな花びらを幾重にも重ねた華やかな花です。名前だけを聞いても、見た瞬間に「これは宇宙から来た」と分かるような見た目の違いがあるわけではありません。<\/p>
むしろ特別なのは、その「背景」です。2002年に宇宙空間を旅した種から育ったという物語が、一輪一輪の花に重なっています。花そのものは親しみやすい姿でありながら、見ていると宇宙と地球が静かにつながっていることを感じさせてくれます。<\/p>
現地の庭園 Baihua Garden では、こうした宇宙牡丹が一般の牡丹とともに植えられ、その違いを見比べることもできます。CGTN のリポートでは、リポーターの Li Yiqing 氏が園内を歩きながら、その魅力や背景を紹介しています。<\/p>
なぜ種を宇宙へ? 宇宙育種という発想<\/h2>
そもそも、なぜ牡丹の種を宇宙に送るのでしょうか。背景にあるのが、「宇宙育種」と呼ばれる考え方です。種を宇宙の環境にさらすことで、成長のしかたや性質にわずかな変化が生まれる可能性があります。地上に戻したあと、その中から特徴のある個体を選び、新しい品種づくりにつなげようという試みです。<\/p>
こうした取り組みは、中国を含む各国で行われてきました。宇宙での経験が、花の色合い、開花の時期、病気への強さなどにどう影響するのかを調べることで、農業や園芸の新しい可能性を探ろうとするものです。宇宙牡丹も、その一環として生まれたプロジェクトだといえます。<\/p>
ヘゼ市・Baihua Garden が担う役割<\/h2>
宇宙牡丹は、単なる珍しい植物ではありません。中国の牡丹の都とされるヘゼ市にとっては、伝統と宇宙開発をつなぐシンボルでもあります。Baihua Garden では、歴史ある牡丹文化の中に宇宙牡丹を位置づけることで、「昔からの花」と「未来の技術」を同じ視野で見られる場が生まれています。<\/p>
観光で訪れる人にとっては、「これは宇宙を旅してきた牡丹です」と聞いて眺めるだけで、宇宙が一気に身近なものになります。日常の散歩道の先に、地球の軌道を回った種から生まれた花が咲いている――そんなギャップが、宇宙への興味を静かに広げているのかもしれません。<\/p>
宇宙と庭をつなぐ、小さなストーリー<\/h2>
宇宙開発というと、ロケットや衛星、大規模なミッションが注目されがちです。しかし、200粒の牡丹の種が Shenzhou-3 で宇宙を旅し、約400株の宇宙牡丹として地上で咲いているという事実は、「宇宙」と「日々の暮らし」が決して遠い世界ではないことを教えてくれます。<\/p>
宇宙牡丹の見た目は、あくまで親しみやすい一輪の花です。それでも、その背景を知ってから見ると、同じ花でもまったく違う意味を帯びて見えてきます。次に庭や公園で花を眺めるとき、「この種がもし宇宙に行っていたら?」と想像してみると、ニュースで見る宇宙開発も少し違って感じられるかもしれません。<\/p>
Reference(s):
cgtn.com








