中国の王毅外相、米国の関税と一方的行動を批判 国連中心の国際秩序を強調
中国の王毅国務委員兼外相が、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長との会談で、米国による関税措置など一方的な行動を強く批判し、国連を中心とする国際秩序の維持を呼びかけました。
「米国は勝手な行動はできない」発言の背景
王毅氏は、中国共産党中央委員会政治局の委員も務めています。会談は金曜日に行われ、その場で王毅氏は「米国は勝手な行動をとることはできず、歴史の歯車を逆回転させることもできない」と述べ、現在の国際情勢をめぐる認識を示しました。
王毅氏によると、ある大国による一方的な「いじめ」の関与が、世界各地で見られる混乱や不安定化の重要な要因になっているといいます。
関税措置と多国間貿易体制への影響
とくに王毅氏が問題視したのは、米国が「関税という棒」を振りかざしていることです。王毅氏は、米国が自国の利益を各国共通の利益より上位に置き、多国間貿易体制や既に確立されたルールを無視していると指摘しました。
こうした姿勢に対し、王毅氏は「国際社会は傍観してはならない」と述べ、各国が連携して対応する必要性を強調しました。国際ニュースとしても、関税や貿易ルールをめぐる米中間のやりとりは、世界経済に波及するテーマとして注目されています。
「力が支配するジャングル」に戻さないために
王毅氏は、中国が「責任ある国際社会の一員」として行動していると強調しました。そのうえで、中国は自国の正当な権利と利益を守るだけでなく、国際社会全体の共通利益を守るためにも立場を明確にしていると述べました。
人類が「力が支配するジャングルのような世界」に引き戻されないようにすることが重要だとし、ルールに基づく国際秩序を維持することの意義を訴えています。
国連創設80周年を節目としたメッセージ
王毅氏は、国連創設80周年を一つの節目ととらえ、中国は国連を中心とする国際システムと、国際法に基づく国際秩序を断固として守る考えを示しました。
そのうえで、各国と協力しながら、世界で見られるあらゆる「逆行する動き」に共同で立ち向かっていく必要があると述べました。こうしたメッセージは、多国間主義(複数の国が協調して問題に取り組む考え方)を重視する姿勢の表れといえます。
読者が押さえておきたい3つのポイント
今回の発言は、国際ニュースとして次の3点が重要だと考えられます。
- 米国による関税措置など一方的な行動に対し、中国側が公然と懸念を示したこと
- 国連と国際法を軸とする国際秩序の維持を、中国が明確に支持していると強調したこと
- 「力による支配」を避け、ルールと協調に基づく国際関係を目指すべきだというメッセージが込められていること
貿易摩擦や安全保障をめぐる緊張が続くなかで、大国同士がどのような言葉を使い、お互いの立場をどう表現するのかは、今後の国際交渉や市場の動きにも影響し得ます。発言の背景や文脈を丁寧に読み解くことが、複雑な世界情勢を理解する手がかりになります。
Reference(s):
U.S. cannot act recklessly, says Chinese Foreign Minister Wang Yi
cgtn.com








