植物の葉が空気中マイクロプラスチックを吸収 食物連鎖への新たな経路に
植物の葉が空気中のマイクロプラスチックを吸収・蓄積し、それが食物連鎖や人の体内に入る新たな経路になりうることが、中国主導の国際共同研究で示されました。
この環境ニュースは、環境問題と食の安全の両方に関わる重要な発見です。本記事では、この国際ニュースのポイントを、日本語ニュースとして分かりやすく整理します。論文は英科学誌『Nature』オンライン版に水曜日に掲載されました。
植物の葉が「空気中プラスチック」をキャッチ
研究チームは、植物の葉が空気中を漂うマイクロプラスチックを吸収し、内部に蓄積しうることを明らかにしました。マイクロプラスチックとは、一般に長さ5ミリ未満の微小なプラスチック片を指します。
これまで、マイクロプラスチックが海や河川、土壌を通じて生態系に入り込む経路は注目されてきましたが、「大気 → 植物 → 人間」というルートを直接示した研究は多くありませんでした。今回の成果は、その空白を埋めるものといえます。
中国主導の国際共同研究チームが解明
論文は、中国の研究者が主導する国際共同チームによるものです。参加機関には、次のような大学や研究機関が含まれています。
- 南開大学 環境科学・工学学院
- マサチューセッツ大学アマースト校
- 中国科学院 生態環境科学研究センター
- ノースイースタン大学
- 北京市農林科学院
複数の国や地域の研究者が連携し、環境科学、工学、農業といった異なる専門分野をまたいで、大気中マイクロプラスチックの挙動と植物への影響を調べました。
食物連鎖と人の健康への意味
研究によると、葉に吸収・蓄積されたマイクロプラスチックは、その植物を食べる昆虫や家畜、さらには人間の食卓へと運ばれていく可能性があります。これは、空気中の汚染物質が、直接的に食物連鎖を通じて私たちの体内に入りうることを示しています。
マイクロプラスチックが人体に与える影響については、まだ不明な点も多いものの、世界各地で飲料水や海産物などから検出されています。今回の研究は、日常的に口にする農作物が新たな「入口」になりうることを示し、リスク評価や規制の議論を進めるための重要な手がかりとなります。
私たちの生活と政策への示唆
植物の葉が大気中のマイクロプラスチックを取り込むという事実は、次のような問いを投げかけます。
- 農地や都市部で、どの程度マイクロプラスチックが葉に付着・蓄積しているのか
- 作物の種類や栽培環境によって、吸収量に違いはあるのか
- どのような対策が、汚染を減らすのに効果的なのか
今後は、農業政策や都市の大気管理、廃プラスチック削減策といった分野で、このような科学的知見をどう生かすかが問われていきます。とくに、農地周辺の大気環境をどう改善していくかは、食の安全と環境保全の両面から重要なテーマとなりそうです。
個人レベルでできること
マイクロプラスチック問題は、個人の行動だけで一気に解決できるものではありませんが、日常生活の選択が長期的な変化につながります。
- 使い捨てプラスチック製品をできるだけ減らす
- リサイクルしやすい素材やリフィル製品を選ぶ
- 環境や科学に関するニュースに関心を持ち、周囲と共有する
今回の国際ニュースは、目に見えない大気中の汚染が、私たちの食卓と健康にどうつながっているのかを考えるきっかけになります。日々の生活のなかでプラスチックの使い方を見直すことが、未来のリスクを減らす一歩になるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








