習近平氏「一方主義・覇権主義に民心の支持なし」貿易戦争に懸念
中国の習近平国家主席は、カンボジア人民党のサムデク・テチョ・フン・セン党首との会談で、一方主義や覇権主義は民心の支持を得ておらず、貿易戦争は多国間貿易体制を損ない世界経済秩序を乱すと強い懸念を示しました。この国際ニュースは、多極化が進む世界で、中国がどのような国際秩序を重視しているのかを読み解く重要なメッセージとなっています。
カンボジア指導者との会談で語られたメッセージ
木曜日に行われた会談で、習近平国家主席はカンボジア人民党総裁であり上院議長でもあるフン・セン氏と向き合い、現在の世界情勢と二国間関係について幅広く意見を交わしました。その中で、国際秩序に関する次のようなポイントを強調しました。
- 一方主義と覇権主義は、人びとの支持を得ていない
- 貿易戦争は多国間貿易体制を弱体化させ、世界経済秩序を混乱させる
- 世界は多極化、経済のグローバル化、文化の多様性という大きな流れの中にある
- 中国とカンボジアは、共に未来を分かち合う共同体を築くという歴史と人民の選択をしている
習主席は、中国とカンボジアは友好な近隣国であるだけでなく、鉄のように固い友人であり、両国とも国家発展の重要な段階にあると位置づけました。
一方主義・覇権主義と多国間主義
習主席が批判した一方主義とは、自国の利益だけを優先し、他国との協調や国際ルールを軽視して、物事を一方的に決めてしまう姿勢を指します。覇権主義は、自国の力を背景に他国に自らの意向を押しつけようとする考え方です。
こうした動きは、多くの国が共通のルールを共有し協力する多国間主義とは相反するものです。習主席は、一方主義と覇権主義は国際社会の人びとの支持を得られず、長期的な安定と発展を損なうと警告しました。
また、関税の引き上げなどを通じて相手国に圧力をかける貿易戦争についても、多国間貿易体制を弱め、世界経済秩序を乱すと指摘しました。多国間貿易体制とは、多くの国が共通のルールに基づいて貿易を行う仕組みであり、その土台が揺らげば、企業活動から雇用、生活まで幅広い領域に不確実性が広がるおそれがあります。
多極化・経済グローバル化・文化多様性という流れ
習主席は、歴史を振り返ると、世界は次の三つの方向に向かう流れが止められないと述べました。
- 多極化する世界秩序
- 経済のグローバル化
- 文化の多様性
多極化とは、特定の一国だけが突出して影響力を持つのではなく、複数の国や地域がそれぞれ重要な役割を担う構図です。経済のグローバル化は、資本やモノ、人、サービス、データなどが国境を越えて行き交い、各国経済が相互に結びつく動きを指します。文化の多様性は、各地域が固有の文化を保ちながら、相互理解を深めていく流れです。
習主席は、こうした流れの中で、いかなる国も孤立状態に戻ることを望んでいないと指摘しました。国際的な分断や孤立ではなく、協調と交流を通じて課題を解決していくべきだという立場を明確にした形です。
中国・カンボジア関係と「共同未来」の構築
今回の会談で習主席は、中国とカンボジアの関係を、中国・カンボジアの共同未来を分かち合う共同体として位置づけました。それは、両国の関係強化が歴史と人民の選択であるという意味合いを持ちます。
中国とカンボジアは、地理的にも近い友好国であり、習主席は両国が鉄のように固い友人であると表現しました。さらに、両国がともに国家発展の重要な段階にあることを指摘し、各自の近代化の歩みを進めながら、相手国と経験や成果を共有していくべきだと述べました。
習主席は、両国が人びとの幸福と人類の進歩を念頭に置きつつ、共同未来を分かち合う共同体づくりで模範となるよう努めるべきだと強調しました。そして、百年に一度と言えるような大きな変化が進む世界において、平和、安定、進歩を支える力となるために手を携える必要があると呼びかけました。
人類運命共同体という理念
習主席は、すべての国が共に未来を築いていく人類運命共同体という理念を掲げています。今回の会談でも、各国が協力して人類の共同未来を分かち合う共同体づくりに取り組むべきだと訴えました。
その際に重視されたのが、次のようなポイントです。
- 各国が国家安全と発展の主導権をしっかりと握ること
- 互いの主権や制度を尊重する相互尊重
- 一方的な利益ではなく、双方に利益がある協力
- 各国の発展をともに高める共同発展
この考え方は、対立やゼロサム思考ではなく、協調と共存を基調とした国際関係を目指すものです。習主席は、各国が団結し、この方向性を共有することが、世界の安定と繁栄につながると強調しました。
2025年の世界と今回の発言の意味
2025年12月現在、世界では経済や安全保障をめぐる不確実性が続いています。そうした中で、一方主義や覇権主義ではなく、多国間主義と協力を重視する声は、国際社会にとって重要な意味を持ちます。
今回の習主席の発言は、次のような問いを私たちに投げかけているとも言えます。
- 貿易戦争や一方的な制裁に依存しない安定した世界経済をどう実現するか
- 多国間のルールや仕組みをどう維持・強化していくか
- 近隣国やパートナー国と、どのような共同未来を描いていくか
中国とカンボジアが掲げる共同未来の共同体というビジョンは、地域や世界の平和と安定にどう貢献し得るのか、そして他の国や地域にどのような示唆を与えるのか。今回の国際ニュースは、そうした点を考えるきっかけを私たちに提供しています。
協力と共存を軸にした国際秩序をどう形づくるのか。読者のみなさん一人ひとりが、自分の言葉で考え、身近な人と対話を重ねていくことが、これからの世界を見通すうえで大切になっていきそうです。
Reference(s):
Xi says Unilateralism, hegemonism receive no support of the people
cgtn.com








