重慶に国際鉄道港総合保税区が完成 内陸から世界を結ぶ新ハブ
中国内陸部の重慶市で、国際鉄道港総合保税区の建設が完了しました。中国と欧州を結ぶ国際貨物列車ルートに直結する新たな拠点として、同市の国際物流と貿易を一段と押し上げることが期待されています。
2025年4月に完成した重慶7番目の総合保税区
2025年4月16日、重慶国際鉄道港総合保税区の建設が正式に完了しました。この総合保税区は、2024年4月30日に国務院の承認を受けた面積0.75平方キロメートルの施設で、重慶市では7番目となる総合保税区です。
総合保税区とは、輸出入貨物の保管や加工、物流などを、関税や付加価値税の支払いを猶予・免除しながら行うことができる特別な税関監督区域です。企業にとっては在庫や生産を柔軟に調整しやすくなり、都市にとっては貿易と投資を呼び込むインフラとなります。
鉄道港・内陸港と一体運用される戦略拠点
新たな総合保税区は、重慶市沙坪壩区の重慶国際物流ハブパーク内に位置し、国際鉄道港や団結村鉄道コンテナセンター、中国欧州間の貨物列車が発着する重慶内陸港に隣接しています。この立地により、保税機能と港湾機能、物流チャネル、ハブ機能が一体となった運用が可能になります。
特に、中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の重要な拠点と接続している点は注目されます。内陸に位置する重慶が、海港に頼らずに国際市場へアクセスするための通路をさらに強化する動きといえます。
デジタル管理で非接触通関と自動監督
総合保税区の運営にあたっては、「ゾーン・ポート連携」と「メガポート」といった考え方に基づき、先進的なデジタル管理システムが導入されています。これにより、貨物の通関手続きは非接触で行うことができ、税関による監督も自動化・高度化されます。
また、重慶国際鉄道港とのハード面・ソフト面の接続も強化され、拡張された港湾エリアの中にある二つの特別な税関監督区域を、統一プラットフォームで運用できる体制が整えられました。これにより、貨物の移動や情報の連携がスムーズになり、全体の物流効率の向上が見込まれます。
自動車から医療機器まで、4つの重点産業に照準
重慶国際物流ハブパーク建設有限公司の韓超・副総経理によると、新しい総合保税区は既存の保税区と競合するのではなく、役割を分担しながら補完し合う方針です。そのうえで、次の4つの産業を重点分野として位置づけています。
- 自動車・自動車部品
- 医薬品・医療機器
- コールドチェーン食品(低温管理が必要な食品)
- スマート装備などの高度機械
これらの産業向けに、総合保税区ではボンデッド+と呼ばれるサービスモデルを推進します。具体的には、加工・製造、検査・保守、物流・配送などを保税区内で一体的に提供し、企業のグローバルなサプライチェーン構築を支援する狙いがあります。
「国際チャネル+鉄道港+保税区」の一体化へ
今後、関係当局は「国際チャネル+鉄道港+保税区」という一体的な枠組みの整備を加速させる方針です。国際輸送ルート、鉄道港ハブ、総合保税区を有機的に結びつけることで、重慶を中国の内陸部における重要な貿易・物流ハブとしてさらに高めていく考えです。
内陸都市が国際物流の中心として存在感を高める動きは、東アジア全体のサプライチェーンにも影響を与え得ます。例えば、日本企業にとっては、次のような視点から注目する価値があります。
- 欧州向け輸送で、鉄道ルートを活用したリードタイム短縮の可能性
- 医薬品や医療機器、コールドチェーン食品といった分野での市場・生産拠点の選択肢
- 非接触通関やデジタル監督といった、通関・物流のデジタル化の最新動向
重慶の総合保税区の動きは、国際物流の地図が静かに書き換わりつつあることを示しています。今後の運用状況や具体的な企業誘致の動きにも、継続的な注視が必要になりそうです。
Reference(s):
Chongqing Completes Construction of International Railway Port Comprehensive Bonded Zone
chinanews.com.cn








