Z世代シェフ発・獅子舞モチーフ菓子が映す中国菓子の未来 video poster
2025年のいま、中国広東省・順徳で、Z世代の若手シェフが伝統と創造性をかけ合わせた「ライオンズヘッド・ペストリー」を通じて、広東の獅子舞文化を新しく発信しています。3分間の短い動画に映るその手さばきからは、中国菓子と文化の未来が、若い世代の確かな手に託されていることが伝わってきます。
広東・順徳発、「ライオンズヘッド・ペストリー」とは
舞台は、中国広東省の順徳。若手シェフのChen Xiaodong(チェン・シャオドン)さんは、伝統的な広東菓子の技法に、自分なりのひねりを加えた「ライオンズヘッド・ペストリー」を作っています。幾重にも重ねたサクサクとした生地の層と、華やかな見た目が特徴のこの菓子は、まさに「チャイナシック(中国らしさを生かしたスタイル)」なおやつといえます。
3分の動画に凝縮された、技と文化
約3分間の動画のなかで、Chenさんは生地を丁寧に折り重ね、成形し、焼き上げていきます。その動きは無駄がなく、若さと落ち着きが同居したリズムです。画面越しにも、焼き上がった層がほろほろと崩れそうな「フレーク状」の食感と、香ばしさが伝わってくるようです。
広東の獅子舞から生まれたデザイン
「ライオンズヘッド・ペストリー」の発想源は、広東を象徴する獅子舞です。色鮮やかな獅子の頭や、力強く舞う姿をイメージしながら、Chenさんは生地の重なりや立体感を工夫し、菓子全体で「獅子の顔」を表現しています。伝統的な広東文化を、食べられる小さなアートとして日常に取り込もうとする試みだといえるでしょう。
Z世代の感性がつくる「チャイナシック」
Gen Z(Z世代)と呼ばれる世代の一員であるChenさんは、伝統をただ守るのではなく、自分たちの感性で再構成しようとしています。「チャイナシック」とは、中国の伝統的なモチーフや文化を大切にしながら、現代的なデザインやポップな感覚と組み合わせるスタイルを指す言葉です。ライオンズヘッド・ペストリーは、その象徴的な一例といえるでしょう。
お菓子から見える、これからの中国文化
Chenさんの菓子づくりからは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 伝統的な広東菓子の技法をベースにしながら、ビジュアルやコンセプトを大胆にアップデートしていること
- 獅子舞という身近な文化資源を、お菓子という日常的なメディアに落とし込んでいること
- 短い動画を通じて、その物語と手仕事を視聴者と共有していること
「未来の担い手は誰か」という問いへの答え
動画のメッセージは、「中国菓子と文化遺産の未来を導くのは誰か。その答えは、若い世代の手の中にある」というものです。ライオンズヘッド・ペストリーを生み出すChenさんの姿は、その言葉をそのまま体現しています。伝統の重みと、創造する喜び。その両方を引き受けながら、Z世代の職人たちは、中国の食文化と物語をこれからも次の世代へと受け渡していくでしょう。
忙しい日常のなかでも、3分の動画と一つの菓子から、文化の継承や創造について考えるきっかけを得ることができます。次にSNSでスイーツの写真をシェアするとき、そこに込められた物語や背景にも、少しだけ思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Meet the Gen Z chef behind the China-chic lion's head pastries
cgtn.com








