中国・ベトナムがQRコード決済を相互接続 クロスボーダー支払いが前進
中国とベトナムがQRコード決済の相互接続で連携を進めています。2025年4月に締結された協定は、両国の消費者にとって使いやすいクロスボーダー決済を実現し、現地通貨による取引拡大にもつながる取り組みです。
- 中国工商銀行(ICBC)など4者がQRコード決済の相互接続で協力
- UnionPayアプリとVietQR対応ウォレットで相手国の加盟店に支払いが可能に
- 現地通貨建て決済を促進し、ドル依存や金融リスクの軽減をめざす
中国・ベトナムで進むQRコード決済連携
中国とベトナムの金融協力が進む中、クロスボーダーのQRコード決済サービスが一歩前に進みました。中国工商銀行(ICBC)は、両国がQRコード決済の相互接続を推進することで合意したと明らかにしています。
この取り組みは、両国の消費者が国境をまたいだ支払いをより簡単に行えるようにすることを目的としており、両国の金融協力を象徴するプロジェクトの一つといえます。
今年4月に4者が協定に署名
2025年4月15日、中国工商銀行(ICBC)、UnionPay International、ベトナム国家決済公社(NAPAS)、ベトナム外商銀行(Vietcombank)の4者が、中国・ベトナム間のQRコード小口決済の相互接続に関する四者協力協定に正式に署名しました。
この協定は、中国人民銀行とベトナム国家銀行の指導の下で進められたもので、両国の現地通貨建て決済や金融インフラの相互接続を支える新たな段階に入ったことを意味します。また、中国・ベトナム間で戦略的な意義を持つ「共同の未来を築くコミュニティ」の構築を後押しする狙いもあります。
利用者はどう変わる?具体的な利用イメージ
QRコード決済ネットワークが相互に接続されることで、中国とベトナムの消費者は次のような形で利便性が高まるとされています。
中国の消費者がベトナムで支払う場合
中国側の利用者は、UnionPayアプリやUnionPay提携のウォレットを使って、ベトナム国内のVietQRコードに対応した加盟店で支払いができるようになります。
ベトナムの消費者が中国で支払う場合
ベトナム側の利用者は、現地のVietQR対応ウォレットを使って、中国のUnionPay QRコード加盟店で支払いが可能になります。
これにより、両国の消費者は現金両替やカード手続きに頼らずに、スマートフォン一つで日常の支払いを完結しやすくなることが期待されています。
現地通貨決済を促進し、ドル依存を低減
この協力は、単に決済の利便性を高めるだけでなく、両国通貨の利用拡大にもつながる取り組みです。協定では、現地通貨を使った決済と清算を進めることで、米ドルへの依存度を下げ、金融リスクへの耐性を高める効果が期待されています。
為替変動や国際金融市場の変調が家計や企業活動に影響を与えやすいなか、こうしたローカル通貨建ての決済インフラ整備は、地域レベルでの安定性向上策の一つと見ることができます。
共同声明に位置づけられた金融協力
中国・ベトナム間のQRコード決済相互接続の枠組みは、両国の共同声明にも盛り込まれています。声明では、両国の金融・通貨分野に関するワーキンググループの役割が強調されており、制度や規制、改革の経験について、情報共有と意思疎通を深める方針が示されています。
決済インフラの連携は、こうした政策対話の具体的な成果の一つであり、今後の金融協力のベースとなる可能性があります。
経済・人的交流と地域構想への波及効果
今回のQRコード決済の相互接続プロジェクトは、両国間の決済ニーズに応えるだけでなく、経済・貿易協力や人的交流の深化にもつながるとされています。支払い手段がスムーズになれば、観光やビジネス、越境オンライン取引など、多様な場面で往来がしやすくなるためです。
また、このプロジェクトは、中国が提唱する一帯一路構想と、ベトナム側の「二廊一圏(Two Corridors and One Circle)」フレームワークの連携を後押しする取り組みとして位置づけられています。インフラや経済圏の構想と、日々の決済インフラの整備が組み合わさることで、地域全体の結びつきが強まる方向性が見てとれます。
日本の読者にとってのポイント
中国・ベトナム間のQRコード決済連携は、アジアにおけるデジタル金融と国際決済の新しい動きの一つです。日本から見ても、次のような視点で注目する価値があります。
- 現地通貨を重視したクロスボーダー決済の動きが、地域経済の安定や金融リスク管理にどう影響するか
- QRコードを軸にした決済インフラの相互接続モデルが、他の国・地域にも広がる可能性
- 観光やビジネスの場面で、現金やカードに依存しない支払い手段がどの程度受け入れられていくか
アジアの国際ニュースを追ううえで、決済インフラや通貨協力は一見地味に見えますが、中長期的には貿易や投資、日常生活のあり方にまで影響しうるテーマです。今回の中国・ベトナムの取り組みは、その一つの具体例として位置づけられます。
Reference(s):
cgtn.com








