北京国際映画祭が祝う映画誕生120年 中国映画市場の現在地 video poster
2025年の北京国際映画祭(BJIFF)では、中国映画と世界の映画史の節目が同時に祝われています。中国初の映画とされる「定軍山」から120年、世界初の映画とされる「ラ・シオタ駅への列車の到着」から130年という記念の年です。
120年と130年、二つの「はじまり」に光
北京国際映画祭は、「定軍山」と「ラ・シオタ駅への列車の到着」という二つの作品を通じて、映画というメディアの原点に立ち返っています。舞台芸術を映像に収めた中国初の映画と、列車が駅に入ってくる様子を捉えた世界初の映画。この二つの短い映像は、いずれも「動く写真」がどれほど人々の想像力を刺激するかを示しました。
120年、130年という時間の重みを前にすると、映画が単なる娯楽を超え、社会や文化を映し出す鏡として発展してきたことがあらためて見えてきます。
中国映画の歩み:白黒から「Ne Zha 2」へ
「定軍山」のような白黒の初期作品から、最新のテクノロジーを駆使したアニメーション映画「Ne Zha 2」へ。北京国際映画祭は、こうした作品の対比を通じて、中国映画が歩んできた技術と表現の変化を浮かび上がらせています。
撮影や編集の技術が限られていた時代から、コンピューターグラフィックス(CG)や高度な視覚効果を活用する時代へ。画面の解像度や音響だけでなく、物語のスケールや世界観のつくり方も大きく変わりました。それでも、観客の心を動かすという映画の本質は変わっていないことが、初期作品と最新作を並べて見ることでよく分かります。
世界第2位の映画市場としての存在感
こうした映画史の歩みを背景に、中国は世界第2位の映画市場へと成長しました。スクリーンの数や観客動員の規模だけでなく、多様なジャンルやスタイルの作品が生まれる土壌が育ってきています。
北京国際映画祭は、その成長を象徴する場でもあります。国内外の作品が集まり、新しい才能や企画が注目を浴びることで、中国映画はさらに世界とのつながりを強めつつあります。
映画人を待つ「新しい展開」
いま、中国映画をめぐる環境には、映画人を待つ「新しい展開」が数多くあります。デジタル技術の進化やオンライン配信の広がり、国境を越えた共同制作など、作品づくりと届け方の選択肢はかつてないほど増えています。
技術志向の作品である「Ne Zha 2」は、その象徴的な存在といえます。高度な映像表現を追求しながら、物語性やキャラクターの魅力も重視する作品づくりは、これからの映画制作における一つの方向性を示しているとも言えるでしょう。
日本の観客・クリエイターへのヒント
中国初の映画から世界初の映画、そして最新の中国作品までを一望できる今回の北京国際映画祭の試みは、日本の観客やクリエイターにとっても示唆に富んでいます。
- 映画の「原点」を知ることで、いま観ている作品の新しさをより深く味わえる
- 中国映画市場の成長は、アジア発の作品が世界とつながる可能性の広がりを示している
- 技術と物語性をどう両立させるかは、日本を含むアジアの映画人に共通する課題である
2025年という節目の年に、120年・130年という長い時間を振り返りながら、これからの映画をどうつくり、どう楽しんでいくのか。北京国際映画祭は、その問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








