中国・李強首相が経済政策会議 雇用安定と高品質発展を重視
2025年も終盤に差しかかるなか、中国が雇用と景気をどう下支えし、「高品質発展」を進めていくのかに注目が集まっています。中国の李強首相は金曜日、国務院常務会議を主宰し、雇用の安定や経済成長の押し上げ、高品質な発展に向けた一連の措置を協議しました。
会議の概要:雇用と成長をどう支えるか
今回の国務院常務会議では、中国経済の安定運営に向けて、雇用、投資、消費、金融、不動産など幅広い分野をまたぐ政策パッケージが話し合われました。会議は、雇用を守りながら成長を確保し、経済の質を高めていくことを大きな柱に据えています。
雇用安定と職業訓練の強化
会議はまず、企業に対して雇用をできるだけ安定的に維持するよう促しました。そのうえで、労働者の職業スキルを高めるための職業訓練プログラムの拡充を後押しする方針が示されています。
雇用の安定とスキル向上を同時に進めることで、景気変動に左右されにくい労働市場をつくる狙いがあるとみられます。デジタル化や産業構造の変化が進むなかで、職業訓練の重要性は一段と高まっています。
外需・投資・サービス消費で成長を後押し
経済成長を下支えするため、対外経済や民間投資、サービス消費に関する複数の施策も打ち出されました。
- 対外貿易と投資を安定させること
- 外資系企業が中国国内に再投資しやすくする環境づくり
- 高齢者ケア、出産支援、文化・観光といったサービス分野の消費拡大
- 民間投資の活性化
- 株式市場の安定と、不動産市場の「安定的で健全な発展」の維持
特に、高齢化や少子化と関わる高齢者ケアや出産支援、生活の質を高める文化・観光などの分野は、今後のサービス消費の伸びが期待される領域でもあります。こうした分野をてこに、内需の底上げを図る構図が見てとれます。
安心して消費できる環境づくり
会議では、人びとの不安や不満に丁寧に対応する必要性も強調されました。その一環として、違法行為を厳しく取り締まり、安心して買い物やサービスを利用できる消費環境を整える方針が示されています。
あわせて、基層レベルでの規制能力を高めることや、新世代の情報技術の活用を進めることも打ち出されました。現場に近いレベルでの監督とデジタル技術の活用を組み合わせることで、よりきめ細かな行政サービスや市場監督を目指す方向性です。
社会的支援法案と種子産業の法整備も前進
経済運営に加えて、社会保障や農業分野の制度整備も議題となりました。会議では、社会的援助に関する法律の草案が審議され、原則として承認されました。この草案は今後、全国人民代表大会常務委員会に付議され、さらに詳しい審議が行われる予定です。
また、新たな植物品種の保護に関する規則の改正版草案も検討・承認されました。会議は、種子産業の振興を図る行動計画を着実に実施し、種子産業の革新的な発展を促す必要性を指摘しています。
今回の会議から見える中国経済運営の焦点
今回の国務院常務会議からは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 雇用の安定と職業訓練を軸にした「人」への投資
- 外需・投資・サービス消費を総動員した成長の下支え
- 違法行為の取り締まりと規制能力の強化による安心な消費環境づくり
- 社会的支援と種子産業という、中長期的な制度設計の前進
こうした動きは、中国経済の行方だけでなく、サプライチェーンや市場動向を通じて世界や日本にも影響を及ぼしうるテーマです。政策の具体的な実行状況や効果は、今後の統計や市場の動きから徐々に明らかになっていくとみられます。
2025年の終盤を迎えるなか、中国が雇用と成長のバランスを取りつつ、「高品質発展」をどのように進めていくのかを読み解くうえで、今回の会議は重要なシグナルの一つと言えそうです。
Reference(s):
Premier Li chairs meeting on boosting growth, high-quality development
cgtn.com








