中国とオーストリア関係強化へ 王毅外相が米国関税を批判しEUとの連携訴え
中国外交の動き:オーストリア新政権との関係をどう築くか
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)は、火曜日に行われたオーストリアのベアテ・マイノル=ライジンガー外相との電話会談で、新しいオーストリア政権が今後も中国への友好姿勢を維持し、二国間関係を一段と発展させていくことへの期待を示しました。国際ニュースとして、中国と欧州の関係、そして米国の関税政策をめぐる力学が改めて浮き彫りになっています。
オーストリア新政権「一つの中国」方針を明言
会談は、マイノル=ライジンガー氏の要請で行われました。王毅外相は、中国とオーストリアが協力して現在の世界が直面する課題に取り組み、国際社会の平和と発展に建設的な役割を果たすべきだと強調しました。
これに対しマイノル=ライジンガー外相は、国際情勢が大きく変化するなかで、オーストリアは中国との強い協力関係を二国間でも多国間でもさらに深めていきたいと述べました。また、新政権として「一つの中国」方針を堅持し、中国に対する政策の一貫性を保つ考えを明確にしました。
なぜ「一つの中国」方針の確認が重要なのか
欧州の国が中国と関係を築く際、「一つの中国」方針をどう位置づけるかは、外交関係の土台となるテーマです。オーストリアの新政権がこの方針を改めて明言したことは、
- 政権交代後も、中国との基本的な外交ラインに大きな変更はないこと
- 対中関係を安定的に運営したいという意思表示であること
- 欧州内での対中スタンスの一つのモデルとして注目される可能性があること
を示していると受け止められます。
王毅外相、米国の関税を「典型的な一方主義」と批判
電話会談では、中国とオーストリアの二国間関係だけでなく、世界経済や貿易をめぐる課題も取り上げられました。王毅外相は、米国が各国に対して関税を「好きなように」課していると指摘し、国際貿易と世界経済の秩序を深刻に乱していると批判しました。
王氏は米国の関税措置について、「これは典型的な一方主義、保護主義、経済的ないじめだ」と述べ、強い言葉で非難しました。こうした発言は、米国の関税政策に対する中国側の危機感と反発の強さを示しています。
中国が打ち出す「責任ある大国」像
王毅外相は同時に、中国は「責任ある国」として、以下の点を重ねて強調しました。
- 国際連合を中心とする国際システムを断固として擁護すること
- 国際法に基づく国際秩序を守ること
- 高いレベルの対外開放を続け、世界と発展の機会を分かち合うこと
つまり、中国は一方的な関税や保護主義的な動きに対抗する形で、多国間主義と国際協調を掲げている構図です。米国の関税政策が揺さぶる国際貿易のルールに対し、中国がどのような枠組みやパートナーと連携していくのかが、今後の焦点となります。
EUと中国、「二つの大きな市場」としての役割
王毅外相はさらに、中国と欧州連合(EU)は「世界経済の二つの柱」であり、「二つの巨大な市場」だと位置づけました。そのうえで、両者には次のような責任があると述べました。
- 国際社会に対し、責任あるアクターとして役割を果たすこと
- 多国間の貿易体制を共同で守ること
- 開かれた世界経済の構築に向けて協力すること
これは、米国の関税措置を念頭に、中国とEUが協力しながら多国間貿易のルールや枠組みを守っていくべきだというメッセージと受け取れます。
オーストリア外相が示したEU側のスタンス
マイノル=ライジンガー外相は、EUとしても中国との経済・貿易協力を強化し、EU・中国関係を安定的で建設的な方向に保ちたいと述べました。また、気候変動や安全保障など、世界全体の課題に対しても中国と共に取り組む姿勢を示しました。
さらに同氏は、EUは自らの利益と多国間貿易体制を守るため、結束して対応していくと強調しました。これは、米国や他の大国との関係をにらみながらも、EUとして一体となって国際経済秩序を支えていく姿勢を打ち出したものと言えます。
日本の読者にとってのポイント
今回の電話会談は、中国とオーストリアという二国間の出来事であると同時に、より大きな国際ニュースの流れの一部でもあります。日本やアジアの読者にとって注目したい点を整理すると、次のようになります。
- 欧州の一国であるオーストリアが、中国との友好関係と「一つの中国」方針の維持を明言したこと
- 米国の関税政策に対し、中国が多国間主義と国際法を前面に出して批判していること
- EUと中国が、世界経済の「二つの柱」として多国間貿易体制をどう守っていくかが、今後の国際経済の安定に直結すること
日本も、米国、EU、中国と緊密な経済関係を持つ国として、通商政策や多国間貿易体制をめぐる議論から無縁ではありません。国際ニュースとして、こうしたやり取りを追いながら、自国の立ち位置をどう考えるかが問われています。
「読みやすいのに考えさせられる」視点
最後に、今回のニュースから考えてみたい問いをいくつか挙げてみます。
- 関税や保護主義が広がる中で、多国間のルールに基づく貿易体制はどう守られるべきか
- 中堅規模の国であるオーストリアが、中国とEUの間でどのような役割を果たしうるのか
- 日本やアジアの国々は、中国、EU、米国の間で進む通商・外交の再編をどう見て、自国の戦略を描くべきか
中国とオーストリアの電話会談は、一見すると限られた二国間のニュースに見えますが、その背後には米国の関税政策、EUと中国の関係、多国間貿易体制の行方といった大きなテーマが横たわっています。日々の国際ニュースを、日本語で丁寧に追いながら、自分なりの視点をアップデートしていくことがこれまで以上に重要になっています。
Reference(s):
Wang Yi urges stronger China-Austria ties, slams U.S. tariffs
cgtn.com








