中国とイラン外相が北京で会談 イラン核問題と関税・ガザ情勢を協議
中国とイランが北京で外相会談を行い、イラン核問題の最新の動きや米国による関税措置、ガザを含む中東情勢まで幅広く協議しました。中国が外交と対話を通じて問題解決を図ろうとする姿勢と、それに歩調を合わせるイランの動きは、2025年の国際ニュースの中でも注目すべき流れです。
北京で中国・イラン外相会談 核問題の「最新進展」を議論
中国の王毅外相(中国共産党中央委員会政治局委員)と、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相が北京で会談しました。両外相は、イラン核問題の最新の進展について、突っ込んだ意見交換を行ったとされています。
会談では、軍事力の行使や一方的な制裁ではなく、政治的・外交的な解決を追求するべきだという点で認識を共有しました。特に王外相は、武力行使や「違法な一方的制裁」に反対する中国の一貫した立場を改めて強調しました。
中国は「平和利用の権利」を支持 対話による核問題解決を後押し
王外相は、イランが核兵器を保有しない方針を掲げていることや、原子力の平和利用の権利を有していることへの支持を明確にしました。そのうえで、イランの正当な権利を守りつつ、国際社会の信頼を得る形で核問題を処理していく必要があるとしました。
また、中国はイランと関係国、さらには米国との対話を通じて問題解決を図ることを後押ししていく姿勢を示しました。王外相は、こうした対話が、国際的な核不拡散体制の安定や地域の平和につながると指摘しています。
アラグチ外相は、中国が核問題の外交的解決に向けて建設的な役割を果たしてきたことに謝意を表明し、今後も中国と緊密な調整を続ける意向を示しました。
米国の関税をめぐる批判と「多国間主義」
会談では、安全保障だけでなく、世界経済を揺るがす米国の関税政策についても意見が交わされました。王外相は、米国が関税を過度に利用していると批判し、そのやり方は国際的な支持を失っていると指摘しました。
そのうえで、各国が連携し、多国間主義と国際関係の基本原則を守ることの重要性を強調しました。ここでいう多国間主義とは、特定の国の一方的な判断ではなく、複数の国や地域が協議しながらルールや枠組みをつくっていく考え方です。
アラグチ外相も、米国による関税やその他の一方的措置、覇権的な振る舞いに反対する中国への強い支持を表明しました。
SCOやBRICSでの連携強化 「共通の利益」を守る狙い
両外相は、二国間の協力を経済やエネルギーなどさまざまな分野で一段と強化していく方針も確認しました。また、上海協力機構(SCO)やBRICSといった国際的な枠組みを通じて、国際・地域問題での協調を深める考えも示しました。
王外相は、中国がイランと共に「共通の利益」を守り、地域および世界の平和と安定に貢献していきたいと述べました。アラグチ外相は、中国のSCO議長国としての役割を支持し、より緊密なハイレベル交流と協力を進める意欲を表明。また、一つの中国の原則を支持する立場を改めて示しました。
ガザ、シリア、イエメン、紅海…広がる議題
会談では、イラン核問題だけでなく、現在も続いているガザでの紛争、シリアやイエメンの情勢、紅海地域の安全保障など、中東と周辺海域をめぐる幅広い課題についても意見が交わされました。
これらのテーマは、いずれもエネルギーや海上輸送、地域の安定に直結しており、中国とイランの対話がどのような形で今後の動きに影響するのか、国際社会の注目が集まっています。
今回の会談から見える三つのポイント
今回の中国・イラン外相会談からは、いくつかの重要なポイントが見えてきます。
- 武力や一方的制裁ではなく、対話と外交を重視するメッセージが前面に出ていること
- 核問題とガザ紛争、シリア、紅海情勢など、安全保障の議題が互いに結びついて語られていること
- 米国の関税政策を背景に、多国間主義や国際的な協調を訴える動きが強まっていること
中国とイランが、SCOやBRICSといった枠組みも活用しながらどのように連携を深めていくのか、そしてイラン核問題や中東情勢の緊張緩和にどこまで具体的な成果をもたらせるのかが、今後の注目点になります。
国際ニュースを追ううえでは、「核問題」「経済制裁・関税」「地域紛争」が、別々の話ではなく一本の線でつながっていることを意識しておくと、今回のような会談の意味がより立体的に見えてきます。
Reference(s):
China, Iran hold talks on latest progress of Iranian nuclear issue
cgtn.com








