中国のグリーン発展:氷河から砂漠まで守る「自然のモザイク」
中国各地の氷河や湿地、草原、砂漠まで――多様な自然を舞台にした写真シリーズが、いま進むグリーン発展と生態系保護の姿を映し出しています。2025年現在、環境保護とクリーンエネルギーへの転換は、中国の発展を形づくる重要なキーワードになっています。
グリーン発展が示す「新しい成長」のかたち
今回紹介されている写真シリーズは、環境を犠牲にしない成長を目指すグリーン発展の「成果」を切り取っています。単に工場の排出を減らすだけでなく、自然そのものを価値ある資本として守り、活かそうとする動きです。
キーワードは次の3つです。
- 生態保護:自然を守り、傷んだ環境を回復させる取り組み
- グリーン転換:産業や都市のしくみを環境配慮型に切り替える動き
- クリーンエネルギー:再生可能エネルギーなど、排出の少ないエネルギーへのシフト
これらが同時並行で進むことで、経済成長と環境保全の両立を図ろうとする姿が、中国の各地域に現れています。
氷河から砂漠までつながる「自然のモザイク」
写真シリーズのテーマは、「中国の自然は一枚岩ではなく、モザイクのような多様性を持っている」という視点です。氷河、湿地、草原、砂漠という一見バラバラな景観が、じつはひとつの大きな生態システムとしてつながっています。
氷河と湿地:水をめぐる生命のネットワーク
氷河は、気候変動の影響を最前線で受ける存在でありながら、多くの川の源でもあります。山の氷河がゆっくりと溶けることで、下流の湿地や湖に水が届けられ、鳥や魚、植物の多様な命を支えています。
湿地は「自然のダム」とも呼ばれます。洪水を緩和し、水を蓄え、浄化する役割を持つと同時に、渡り鳥など多くの野生生物のすみかにもなっています。氷河と湿地を同時に守ることは、水の安全保障と生物多様性の維持につながります。
草原と砂漠:境界線をどう管理するか
広大な草原と砂漠もまた、中国の自然モザイクを形づくる重要なピースです。草原は家畜と共生する生産の場であると同時に、土壌を守り、風による浸食を防ぐ「緑の防波堤」として機能します。
一方、砂漠は厳しい環境の象徴でありながら、独自の生態系を持つ場所でもあります。草原と砂漠の境界をどのように管理し、過度な開発を抑えつつ、自然の回復力を引き出していくかが、持続可能な土地利用の鍵になります。
山・川・森・農地・海岸を一体で守る発想
この写真シリーズは、「山・川・森・農地・海岸を一体で守る」という発想を視覚的に伝えています。山に降った雨が川となり、森や農地を潤し、やがて海へとそそぎ、そこで新たな生命の循環が生まれる――こうした流れ全体をひとつのシステムとしてとらえる考え方です。
ポイントは、個別の場所だけを守るのではなく、つながりを意識することです。
- 上流の森や氷河を守ることで、下流の都市や農地の水が安定する
- 湿地や河口を保全することで、海の生態系や沿岸の暮らしも守られる
- 農地の土壌管理を改善することで、川や海への負荷も減らせる
こうした「統合的な保全」の考え方が、中国の自然保護の重要な軸として位置づけられています。
クリーンエネルギーとグリーン転換がもたらす変化
写真シリーズはまた、クリーンエネルギーとグリーン転換の進展も映し出しています。風力や太陽光など、排出の少ないエネルギー源に注目が集まるなかで、景観と調和したエネルギー開発の姿も描かれています。
エネルギー転換は次のような変化をもたらします。
- 大気汚染や温室効果ガスの排出を抑える
- 地域ごとの自然条件を活かした発電(風の強い地域、日照の多い地域など)
- エネルギー産業のグリーン化による新たな雇用や技術の創出
生態保護とエネルギー政策が連動することで、自然を守りながら、経済や社会のあり方自体を変えていくグリーン転換が進んでいる様子がうかがえます。
日本の読者にとっての問いかけ
中国本土の多様な自然を捉えた今回の写真シリーズは、日本の読者にとってもいくつかの問いを投げかけています。
- 自分の暮らしは、どのように遠くの氷河や湿地、草原、海とつながっているのか
- 経済活動と自然保護を両立させるために、都市や地域は何を優先すべきか
- クリーンエネルギーやグリーン転換を、自分の生活や仕事にどう結びつけられるか
環境危機は国境を越えて影響する問題です。だからこそ、他国のグリーン発展の動きを知ることは、日本社会や自分自身の選択を考え直すヒントにもなります。中国の「自然のモザイク」を守る試みを、日本からどう見て、次の行動につなげていくかが問われています。
Reference(s):
cgtn.com








