中国李強首相とアゼルバイジャン大統領会談 包括的戦略パートナーシップへ
2025年4月に北京で行われた中国の李強首相とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領の会談は、両国関係を包括的戦略パートナーシップへと格上げする節目となりました。エネルギー、物流、デジタルなど、多層的な協力が一気に動き出しています。
33年の関係が「包括的戦略パートナーシップ」に
中国とアゼルバイジャンは外交関係樹立から33年。李強首相は、両国が互いを尊重し、対等なパートナーとして向き合ってきたことで、深い友情と信頼が育まれてきたと強調しました。現実的な協力も着実に深まり、両国の人々にも具体的な利益をもたらしてきたと述べています。
会談当日には、両国の首脳が関係を包括的戦略パートナーシップに引き上げると共同で発表しました。李首相は、これが両国関係の新しい章の始まりだと位置づけています。
中国側は、伝統的な友好をさらに推進し、戦略的な相互信頼を高め、双方の核心的利益を守るために揺るがぬ支持を与え合うと表明しました。そのうえで、協力の規模と分野、レベルを一段と引き上げる考えを示しています。
一帯一路とトランスカスピ海輸送回廊:ユーラシアをつなぐ構想
李首相は、中国の一帯一路構想(Belt and Road Initiative)とアゼルバイジャンの開発戦略をより緊密に連携させたいと述べました。一帯一路構想は、インフラ整備や貿易を通じてユーラシアを結ぶことをめざす取り組みです。
具体的には、トランスカスピ海国際輸送回廊の整備をともに進め、安全で安定した中国・欧州トランスカスピ海エクスプレスを構築する方針が示されました。これは、中国と欧州を結ぶ物流ルートを強化する構想といえます。
グリーンエネルギーとデジタル経済での協力拡大
今回の会談では、エネルギーやテクノロジー分野での協力も重要なテーマとなりました。李首相は、グリーンエネルギーやデジタル技術、デジタル経済といった新しい分野での協力をさらに深めたいと表明しました。
貿易構造の最適化と持続的な発展を進めつつ、双方にとって互恵的となる新たなビジネス機会を創出することをめざすとしています。資源や技術、マーケットを相互に生かす形でのパートナーシップ構築が念頭に置かれていると言えます。
人と人の交流、国連など多国間の場でも連携強化
両国は、政府間の協力だけでなく、人と人との交流も一段と深めていく方針です。李首相は、文化、観光、教育といった分野での協力の可能性を探り、両国の人々の相互理解を高めていく必要性を強調しました。
一方で、李首相は、近年、単独行動主義や保護主義の台頭が世界経済の後退リスクを高めていると指摘しました。そのうえで、中国は国連などの多国間の枠組みの中でアゼルバイジャンとの意思疎通と協調を続け、三大グローバル・イニシアチブの実行を進めていく意向を示しています。
両国は、より平等で秩序ある多極的な世界と、誰もが恩恵を受けられる包摂的な経済グローバル化を共同で提唱していく考えです。
この動きをどう見るか:読者への3つの視点
東アジアから見ると、中国とアゼルバイジャンの関係強化は遠い話に感じられるかもしれませんが、いくつかの点で世界経済や国際秩序にかかわる重要な動きでもあります。ポイントを三つに整理します。
- 二国間関係の格上げは、エネルギー、物流、デジタルなど複数の分野を束ねた長期的な協力の枠組みづくりにつながります。
- ユーラシア大陸を横断する輸送ルートの強化は、サプライチェーンの多様化や貿易ルートの選択肢の広がりという観点からも注目されています。
- 多極化やグローバル化のあり方をめぐる議論が続く中で、中国とアゼルバイジャンが包摂的なグローバル化を打ち出したことは、国際社会の価値観の競争という文脈でも意味を持ちます。
2025年も残りわずかとなる中、こうした動きが今後どのように具現化し、地域と世界のパワーバランスにどのような影響を与えていくのか。引き続きフォローしていく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








