中国気象局、新たな宇宙天気運用システムFengYun Spaceを公開
中国気象局(CMA)は木曜日、宇宙天気を専門に扱う新たな統合運用システムFengYun Spaceの運用を開始しました。宇宙空間の環境変化をより精密に監視し、早期警戒を強化することで、中国の宇宙開発や衛星利用の安全性を高めることがねらいとされています。
中国気象局の新システムFengYun Spaceとは
FengYun Spaceは、宇宙天気(スペースウェザー)に特化した統合型の運用システムとして位置づけられています。一般に、この種の統合型システムは、観測や予測、情報提供などを一体的に扱うことで、宇宙空間の環境変化をより素早くとらえ、影響の大きい事象について事前に注意喚起することをめざします。
上海の中国航天日イベントでお披露目
このシステムは、2025年の中国航天日イベントが開かれた上海で発表されました。宇宙関連の取り組みを紹介する場で、宇宙天気というテーマに光を当てた形です。宇宙開発の規模が広がるなかで、地味に見えがちな宇宙の天気予報を国家レベルの取り組みとして前面に出したことは、今後の重点分野を示すメッセージとも受け取れます。今回の発表は、宇宙開発をめぐる国際ニュースとしても注目されています。
そもそも宇宙天気とは何か
宇宙天気とは、太陽活動や宇宙空間の磁場・放射線環境の変化を指す言葉です。たとえば、太陽で発生する爆発現象や高エネルギー粒子の放出は、地球周辺の宇宙環境を乱し、次のような影響を及ぼす可能性があります。
- 通信衛星や気象衛星の障害
- 衛星測位システム(GPSなど)の精度低下
- 長距離航空路における通信品質の低下
- 地上の送電網やインフラへの影響
インターネット、ナビゲーション、金融取引など、私たちの日常は多くの衛星インフラに支えられています。そのため、宇宙天気の監視と早期警戒は、もはや専門家だけの話題ではなくなりつつあります。
早期警戒能力の強化が意味するもの
FengYun Spaceにより、中国の宇宙天気監視と早期警戒の能力向上が見込まれています。これによって、衛星運用者や通信事業者などが、事前にリスクを織り込んだ運用計画を立てやすくなる可能性があります。
宇宙天気情報が充実すれば、次のような対応が取りやすくなります。
- 影響が予想される時間帯の衛星運用モードの切り替え
- 重要な通信や観測のスケジュール調整
- 宇宙飛行士や宇宙ステーションへの被ばくリスク管理
日本やアジアにとっての意味
宇宙天気は国境を越えて地球全体に影響を与えるため、各国や各地域の監視網が充実することは、結果的にアジア全体のリスク低減にもつながり得ます。近隣国である日本にとっても、宇宙天気に関する観測や解析の能力が周辺地域で高まることは、情報の補完や共同研究の機会という点で意味を持ちます。
今後、FengYun Spaceがどの程度データや情報を共有し、国際的な宇宙天気ネットワークの中でどのような役割を担っていくのかも、注目したいポイントです。
これから注目したい3つの視点
- 予測精度とリードタイム:どれだけ早く、どの程度の精度で宇宙天気の変化を予測できるのか。
- 情報提供のしくみ:政府機関だけでなく、衛星事業者や航空会社など民間への情報提供がどのように行われるのか。
- 国際連携:他国の宇宙天気センターとのデータ連携や共同プロジェクトが進むのか。
宇宙開発が日常生活のインフラと深く結びつくなかで、FengYun Spaceのような宇宙天気運用システムは、見えにくいところで私たちの当たり前の便利さを支える存在になっていきそうです。
Reference(s):
'FengYun Space' operational system for space weather released
cgtn.com








