2025北京国際映画祭が映す中国映画の現在地とスイスとの文化交流 video poster
今年の「2025北京国際映画祭」は、中国映画の勢いと国際的な存在感を象徴するイベントとして注目を集めました。スイスをゲスト国に迎えた企画や、国際ニュースとしても取り上げられた多彩なプログラムを通じて、中国が映画を通じたグローバルな対話の場を広げている様子が見えてきます。
中国映画のブームを世界に示した2025年の北京
2025年の北京国際映画祭は、中国の映画産業が「ブーム」と呼べる段階にあることを浮き彫りにしました。多くの作品が国内外から集まり、ジャンルやスタイルの幅広さを通じて、中国映画の多様性があらためて示されたかたちです。
映画祭は単なる新作の発表の場ではなく、その国や地域の文化や社会の変化を映し出すショーケースでもあります。今回の北京での取り組みは、中国映画が自国市場だけでなく、世界の観客とのつながりを強く意識していることを示していると言えるでしょう。
ゲスト国スイスがもたらしたクロスカルチャーな視点
今年の北京国際映画祭では、スイスがゲスト国(ゲスト・カントリー・オブ・オナー)として招かれました。多言語・多文化社会として知られるスイスと中国が、映画祭という場で互いの作品やクリエイターを紹介し合ったことは、国際ニュースとしても象徴的な意味を持ちます。
「スイス映画週間」として紹介されたコラボレーションは、次のような点で注目されました。
- スイスと中国、それぞれの社会や日常を描く作品を並べて楽しめる構成となり、観客が共通点と違いを自然に比較できること
- 映画人どうしが出会い、対話する機会を通じて、将来の共同制作や人材交流につながる土台をつくろうとしていること
- スイスの繊細な映像表現と、中国のダイナミックな映画市場という異なる強みが出会い、新たなビジネスや表現の可能性を探るきっかけになっていること
こうしたクロスカルチャーな試みは、映画を通じて「他者の世界の見え方」に触れる貴重な機会でもあります。ニュースの見出しだけでは伝わりにくい生活感や価値観が、物語として立ち上がってくるからです。
「CGTN's Picks」が示す文化的オープンさ
今回の北京国際映画祭では、CGTNによるキュレーション企画「CGTN's Picks」も行われました。日ごろ国際ニュースを発信しているメディアが、映画という形でどのような作品を選び、世界と共有しようとしているのかは、興味深いポイントです。
「CGTN's Picks」のような枠組みは、次のような姿勢を象徴していると受け取ることができます。
- 中国社会や文化を、落ち着いたストーリーテリングを通じて多面的に伝えようとする姿勢
- 国内外の視点を行き来しながら、共感の土台になりうるテーマをすくい上げようとするキュレーション
- ニュース報道とは異なる「物語」の力を生かし、国や地域を超えた理解を育もうとするアプローチ
日々の出来事を伝えるニュースと、人物や社会を時間をかけて描く映画。この二つが組み合わさることで、視聴者は世界をより立体的にとらえることができるようになります。
映画祭がつなぐ「国」と「人」──中国が担う役割
2025年の北京国際映画祭が印象づけたのは、中国が映画を通じて国際社会とのつながりを深めようとしている姿です。スイスをゲスト国に迎え、さまざまな国や地域の作品と並べて紹介したことは、中国が文化面でのオープンさを前面に出していることの表れと見ることができます。
その背景には、次のような狙いがあると考えられます。
- 映画を通じて、中国と世界のあいだの信頼や理解を少しずつ積み重ねていくこと
- 若い観客やクリエイターが国境を越えてつながり、新しい表現やビジネスモデルを生み出すきっかけをつくること
- 国際映画祭を軸に、中国が「世界の映画のハブ」の一つとして存在感を高めていくこと
一本の映画を通じて、遠く離れた地域の空気感や人々の感情に触れられるという点で、映画は非常に強い文化的メディアです。こうした体験が広がるほど、国同士の関係もまた、個人レベルの理解に支えられたものになっていくでしょう。
日本の視聴者はどう楽しむか──「あとから参加する国際映画祭」
配信サービスやオンライン上映の広がりにより、北京国際映画祭のような現地イベントで紹介された作品も、時間差はあっても各国の視聴者がアクセスしやすくなっています。日本に暮らす私たちも、こうした国際映画祭で話題になった中国映画やスイス映画に触れる機会が増えています。
もし気になる作品や企画があれば、次のような見方を意識してみると、ニュースと映画の両方がより面白く感じられるはずです。
- 「この作品は、その国のどんな日常や価値観を映しているのか」を意識しながら見る
- ニュースで聞くイメージと、映画が見せる姿の「ギャップ」と「共通点」の両方に注目する
- 印象に残ったシーンや台詞を、SNSや身近な会話で共有し、自分の視点の変化を言葉にしてみる
2025年の北京国際映画祭は、中国が映画を通じて世界との対話を深めようとしている現場の一つでした。その動きを日本語で追いかけながら、私たち自身も「映像を通じて世界とつながる」視聴者として、どんな作品に時間を使うのかを選び取っていくことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Thriving global exchange at 2025 Beijing International Film Festival
cgtn.com








