王毅外相「米国の一方的ないじめに対抗」タジキスタンと協力強化
中国の王毅外相は、最近カザフスタン・アルマトイで行われたタジキスタンのムフリディン外相との会談で、中国は米国による「一方的ないじめ」に今後も対抗していくと強調しました。関税問題や自由貿易、中央アジアとの連携強化など、日本からは見えにくい外交の最前線が浮かび上がっています。
米国の「一方的ないじめ」にどう向き合うのか
国際ニュースとして注目される今回の発言は、第6回中国・中央アジア外相会合に合わせてアルマトイで行われた中タ両外相会談の場で出てきたものです。王毅外相は、中国は米国による一方的な圧力や「一方的ないじめ」に対して、引き続き対抗措置をとると述べました。
その理由として、単に自国の正当な権益を守るだけでなく、国際社会全体の共通の利益を守るためでもあると説明しました。両外相は、現在の関税問題についても意見を交わし、王毅外相は各国と協力して自由貿易を守り、保護主義に反対し、国際的な公正と正義を擁護する姿勢を改めて示しました。
中国とタジキスタンの関係は「包括的協力」へ
王毅外相は、両国の首脳による戦略的な方向付けのもと、中国とタジキスタンの包括的な協力が着実に成果を上げていると評価しました。中国は、タジキスタンが自国の国情に合った発展の道を歩むことを断固として支持し、その内政に対するいかなる外部からの干渉にも反対すると強調しました。
さらに、中国はタジキスタンとの戦略的相互信頼を一段と強め、開発戦略の連携を深め、人的・文化的交流を含む友好関係を拡大する方針です。こうした取り組みを通じて、双方の現代化と「民族の復興」を後押ししていくと述べています。
タジキスタン側の狙い:一帯一路と新たな成長分野
タジキスタンのムフリディン外相は、中国との二国間協力の枠組みを十分に活用しつつ、「一帯一路」構想を着実に前進させたい考えを示しました。そのうえで、立法機関や地方政府どうしの協力、文化交流や人と人とのつながりも含めて連携を強化したいと述べています。
具体的な協力分野として、ムフリディン外相は次のような項目を挙げました。
- 貿易・投資
- 交通・インフラなどの接続性
- 電子商取引(EC)
- 産業能力の協力
- グリーン転換(環境に配慮した経済への移行)
- 製薬・医療分野
タジキスタンは、より多くの中国企業の進出と投資を歓迎するとともに、協力の中から新しい「成長ポイント」を見いだしたい考えです。
多国間協力と地域安全保障での連携
会談では、中国とタジキスタンは多国間の場での協力についても意見交換しました。両国は、上海協力機構(SCO)や中国・中央アジア外相会合の枠組みが、今後いっそう大きな役割を果たすよう共同で支えていくことで一致しました。
また、両国は国境管理やテロ対策での協力を強化し、地域の安全と安定を守る方針も確認しました。中央アジアにおける安全保障協力の一つの軸として、中国とタジキスタンの連携は周辺地域にとっても意味を持ちます。
環境・気候分野での新たな接点
王毅外相は、中国がタジキスタンの国際・地域問題における一層積極的な役割を歓迎し支持すると述べました。その具体例として、タジキスタンが初めて開催を予定している「氷河保全に関するハイレベル国際会議」を支持する姿勢を示しました。
氷河の保全をテーマにした国際会議を後押しすることは、両国が環境や気候変動といった地球規模課題でも協力の余地を広げていることを示しています。
今回の会談が示す三つのポイント
今回の中国とタジキスタンの外相会談からは、少なくとも三つのポイントが見えてきます。
- 米国との関係や関税問題を背景に、中国が一方的な圧力には対抗するという強いメッセージを打ち出したこと。
- タジキスタンとの関係が、安全保障からインフラ、グリーン転換、医療まで、多層的で長期的な協力へと広がっていること。
- 上海協力機構や中国・中央アジアの枠組みを通じて、地域の安定とルールづくりにおいて両国がより大きな役割を果たそうとしていること。
中国と中央アジアの関係は、日本ではニュースとして大きく取り上げられることは多くありません。しかし、今回のような外相会談は、米中関係、地域安全保障、環境・気候分野の議論がどのように結びついているのかを知るうえで、重要な手がかりとなります。
Reference(s):
Wang Yi says China to counteract unilateral bullying by the U.S. side
cgtn.com








