謎のボックスと孔子:曲阜でひもとく儒教と現代世界 video poster
世界中から集めた「問い」のボックスを手に、CGTN Digitalの王濤(Wang Tao)記者が孔子の故郷・曲阜を訪ねます。古代の儀式から日々の暮らしの知恵まで、儒教は2025年の今も、国や文化をこえて人びとの生き方に影響を与え続けています。
世界の質問が詰まった「ミステリーボックス」
今回紹介されている企画では、世界各地の人びとから集めた質問を詰め込んだミステリーボックスが、物語の出発点になっています。箱の中には、仕事や家族、人間関係、そして人生の意味に関するさまざまな問いが入っているとされています。
王濤記者は、そのボックスを手に孔子の故郷・曲阜を訪れ、「儒教は今の時代の私たちに何を語りかけているのか」「古代の思想は、なぜ現代の悩みとつながるのか」を探ろうとします。質問を投げかけたのは、特定の国や地域ではなく、世界中の人びとです。そのこと自体が、儒教という一見「古典的」な思想が、グローバルな共通テーマと結びつき得ることを示しています。
孔子の故郷・曲阜で出会う「儀式」と「日常」
企画の紹介文によれば、旅の舞台となる曲阜では、古代から受け継がれてきた儀式と、現代の日常生活が交差します。孔子をまつる儀礼や伝統行事だけでなく、そこで暮らす人びとのふだんの暮らしの中に、儒教の考え方が静かに息づいている様子が描かれていることがうかがえます。
「礼」や「学び」を重んじる姿勢、家族やコミュニティを大切にする価値観は、教科書に載っている抽象的な教えとしてだけでなく、挨拶の仕方や人との距離感、世代間のコミュニケーションといった、ごく身近なところに表れます。曲阜を歩く旅は、そうした目に見えにくい文化の層を探る試みでもあります。
儒教の哲学はなぜ今も響くのか
紹介文は、「古代の儀式から日常の知恵まで、孔子の哲学は現代の生活に予想外のかたちで影響を与え続けている」と伝えています。これは、儒教が単なる歴史的遺産ではなく、今もアップデートされながら受け継がれていることを示唆しています。
たとえば次のようなポイントは、多くの国や地域で共感を呼びやすい要素です。
- 人と人との関係を大切にし、相手の立場に立って考える姿勢
- 学び続けることを重んじ、自分を磨き続けるという考え方
- 家族やコミュニティの中で、互いに支え合い責任を分かち合う意識
こうしたテーマは、東アジアだけの特殊な価値観というより、リモートワークの広がりや世代間ギャップ、多様性と共生といった21世紀の課題とも自然につながります。だからこそ、遠く離れた国の人びとが孔子に質問を投げかけ、その答えを知りたいと感じるのかもしれません。
デジタル時代の「孔子との対話」
この企画の特徴は、伝統的なテーマである儒教を、デジタルメディアを通じて国境をこえて共有しようとしている点にあります。国際メディアであるCGTN Digitalの王濤記者が、世界から集めた問いを持って曲阜に向かうという構図は、「古代と現代」「地方と世界」「オフラインの儀式とオンラインの対話」をつなぐ試みとも言えます。
観る側にとっても、これは「歴史の授業」ではなく、自分自身の価値観を振り返るための鏡のようなコンテンツになり得ます。孔子の言葉をそのまま暗記するのではなく、「もし孔子が今の世界を見たら、この問いにどう答えるだろう」と想像してみることが、グローバルな思考のトレーニングにもなります。
日本からこの旅を見る意味
日本の読者にとって、儒教はどこか「知っているつもり」の存在かもしれません。学校の授業や受験勉強で名前は聞いたことがあっても、日常生活にどうつながっているのかを深く考える機会は多くないかもしれません。
しかし、目上の人への接し方や、家族との距離感、会社や学校での「空気」、さらにはSNSでの振る舞い方に至るまで、他者への配慮や関係性の重視といった感覚には、儒教的な影響が色濃く残っています。それは、日本だけでなく、さまざまな国や地域の人びとにも通じるテーマです。
曲阜を舞台にしたこの旅を、日本語で追いかけてみることは、自分たちの当たり前の背景にある思想を、少し距離を取って見直してみるきっかけになるでしょう。
あなたなら孔子に何を聞くか
世界中から集めた質問を詰め込んだミステリーボックスは、「自分なら孔子に何を聞くだろう」という問いを、私たち一人ひとりにも投げかけています。
- 仕事とプライベートのバランスについて
- 対立が深まる世界で、他者を尊重する方法について
- 家族や友人との関係をどう育てていくかについて
- 変化の激しい社会で、自分の軸をどう保つかについて
もし一つだけ孔子に質問できるとしたら、あなたは何を聞きますか。その答えを考えるプロセスそのものが、すでに「儒教との対話」になっているのかもしれません。
古代の思想が、デジタル時代のメディアを通じて再び世界を旅している今、曲阜から届けられる問いと答えは、これからの生き方を考えるための静かなヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








