北京国際映画祭「Diplomat Filmfest」開幕 映画でつなぐ国際交流
映画を通じた文化交流をめぐる国際ニュースとして、2025年の第15回北京国際映画祭(BJIFF)で新企画「Diplomat Filmfest」が開幕し、外交官コミュニティ向けの本格的な映像プラットフォームづくりが動き出しました。
北京発「Diplomat Filmfest」とは何か
北京で行われた第15回北京国際映画祭の一環として開催された「Diplomat Filmfest」の開幕式には、中国内外の外交官や映画関係者、政府関係者など約400人が参加しました。テーマは、映画を「世界の対話をつなぐ橋」として活用することです。
式典では、中国共産党北京市委員会宣伝部の副秘書長で副部長の于軍勝(Yu Junsheng)氏があいさつし、外交団向けの新たな取り組み「Diplomat Filmfestサポート・システム」の正式始動を発表しました。
外交団に1,000本超の作品を提供
于氏が発表したサポート・システムは、中国に駐在する外交コミュニティが、長編映画、ドキュメンタリー、アニメーションなど1,000本以上の作品にアクセスできる仕組みです。外交団が日常的に映画を楽しみながら、相互理解を深めることを狙いとしています。
このシステムによって、外交官同士の懇談会や文化イベント、家族向け上映会など、さまざまな場面で映画が活用されることが期待されています。
映画は「外交のことば」 相互努力の時代に
北京外交人員服務局の陳麗(Chen Li)副局長は、スピーチの中で映画の外交的な役割を強調しました。「いまの文化交流には、これまで以上に双方の努力が必要です」と述べ、映画を通じた双方向のコミュニケーションの重要性を訴えました。
モンテネグロの駐中国大使ブランコ・ブラトビッチ(Branko Bulatovic)氏も、優れた映画は文化や時代、信念の違いをつなぐ「橋」になり得ると語り、この構想への共感を示しました。
さらに、呉洲伝媒有限公司(Wuzhou Communication Media)の関虹(Guan Hong)副総経理は、各国の外交官を歓迎し、「Diplomat Filmfest」は世界の外交官同士の前向きな交流を続ける場として、分野を越えた友好のプラットフォームであり続けると述べました。
国際映画批評委員会を設立 中国映画を世界へ
今回のイベントでは、中国電影評論学会の下に「国際映画批評委員会」が新たに設立されました。世界の批評家同士の対話を促し、中国映画をより広く海外に紹介することがねらいです。
映画祭という「場」を通じて、作品だけでなく批評や議論も国境を越えていく仕組みづくりが進められていると言えます。
パンダと成都 ソフトパワーを感じる企画も
開幕イベントでは、ドキュメンタリー作品「Panda Adventure」の特別上映も行われました。この作品は、6頭のジャイアントパンダの誕生から引退までの歩みを追ったもので、温かい語り口が子どもを中心に観客の心をつかんだといいます。
あわせて、約4,500年の歴史を持つ都市・成都の姿を写真で伝える企画展「レンズがとらえた現代成都」も開催されました。伝統と現代性が共存する都市の姿を映し出し、中国の多層的な魅力を外交官に紹介する内容です。
外交コミュニティの日常に溶け込む映画へ
主催側は、「Diplomat Filmfest」をこれからも異文化交流の重要なプラットフォームとして育てていく方針です。映画という共通のことばを通じて、各国の外交コミュニティの文化的ニーズに応え、相互理解と共感を深めることを目指しています。
政治や安全保障とは距離のある「文化」から国際関係を見る視点は、日本を含むアジアの読者にとってもヒントになります。外交ニュースとしての側面だけでなく、映画を介した静かな対話の可能性に、今後も注目していきたいところです。
Reference(s):
BJIFF 2025 launches 'Diplomat Filmfest' to foster cultural exchange
cgtn.com








