中国映画が世界で存在感 英配給会社が語る次のチャンス video poster
中国映画が国際市場で「次のステージ」へ
今年の第15回北京国際映画祭の会場で、イギリスの配給会社トリニティ・シネアジア共同創業者セドリック・ベーレル氏が、中国映画の国際展開について語りました。国際ニュースとしても注目されるこの動きは、中国映画がヨーロッパをはじめとする海外市場で、これまで以上に存在感を高めつつあることを示しています。
ヨーロッパ37カ国で公開 『Ne Zha 2』が象徴する流れ
トリニティ・シネアジアは、中国アニメ映画『Ne Zha 2』のヨーロッパにおける劇場配給権を、37カ国で保有しています。ベーレル氏は国際メディアのインタビューに対し、中国映画が国際市場に「徐々に食い込んでいる」と述べ、その背景として力強い興行成績を挙げました。
彼の発言からは、これまで一部のマニア向けと見られがちだった中国映画が、より広い一般観客に届くフェーズに入りつつあることがうかがえます。特に、ヨーロッパのように多様な言語と文化を持つ地域で、37カ国にわたり劇場公開が計画されていることは、その象徴といえます。
- 中国映画の強い国内興行が、海外配給の後押しになっている
- アニメやファンタジー作品が、言語の壁を越えやすいジャンルとして機能している
- ヨーロッパでの広域配給が、さらなる地域への展開の足がかりとなる可能性
変化する観客ニーズが生む「本当のチャンス」
ベーレル氏が強調したのは、国際市場側の変化です。各国の観客は、映画館に足を運ぶ際に、従来のハリウッド作品だけではない、多様な選択肢を求めるようになってきています。
そうした中で「中国映画には本当のチャンスがある」と同氏は指摘します。単に作品が増えているからではなく、観客の側が新しいストーリーや視点を求めていることが、中国映画にとって追い風になっているという見立てです。
国際ニュースとしての中国映画の動きは、今や一部の映画ファンだけの話題ではなく、世界の観客の趣味・嗜好の変化とセットで語られる段階に入りつつあります。
ブロックバスターだけでなく「日常の物語」も
興味深いのは、ベーレル氏が、中国映画の可能性を大作やファンタジー作品だけに見ていない点です。彼は、現代中国の生活を描いたドラマや、知的な笑いを提供するコメディ作品にも注目しています。
具体例として挙げられたのが、現代中国の日常を扱うドラマやコメディである『Upstream』や『Her Story』です。こうした作品は、派手なアクションや視覚効果よりも、登場人物の感情や人間関係、社会の空気感に焦点を当てています。
中国社会を知る「新しい窓」になる作品
ベーレル氏は、こうした作品が、海外の観客にとって中国を理解するための新しい窓になり得ると述べています。
- 中国の都市部で暮らす人びとの仕事や家族の悩み
- 若者世代の価値観や人間関係の変化
- 日常のユーモアや会話のテンポ
こうした要素は、ニュースや統計データだけでは見えてこない部分です。物語として描かれることで、海外の観客は「遠くの国の出来事」としてではなく、「自分たちと重なる部分のある社会」として中国を感じやすくなります。
日本の観客にとっての意味
日本の観客にとっても、この中国映画の動きは無関係ではありません。これまで日本で知られてきた中国映画は、カンフー映画や歴史大作など、限られたイメージに偏りがちでした。しかし、ベーレル氏が注目するような現代劇やスマートなコメディが国際市場で広がることで、日本から見える中国映画の輪郭も、少しずつ変わっていく可能性があります。
今後、映画祭や劇場、配信サービスなどを通じて、ビジュアルが派手な作品だけでなく、等身大の人間ドラマとしての中国映画に触れる機会が増えれば、「中国映画=特定のジャンル」という固定観念は薄れていくかもしれません。
第15回北京国際映画祭で語られたベーレル氏の言葉は、中国映画の海外進出が量だけでなく、作品のジャンルの広がりと理解の深まりを伴うものである可能性を示しています。日本の読者にとっても、「次に海外でどんな映画を観てみようか」と考える際の、ひとつのヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








