中ロ外相がブラジルで会談 ウクライナ危機とBRICS協力を協議
リード:ブラジル・リオデジャネイロで中国とロシアの外相が会談し、二国間関係のほかウクライナ危機やBRICS(ブリックス)協力、国際秩序について意見を交わしました。国際ニュースの流れを読むうえで、両国のメッセージをどう捉えるかが重要になっています。
ブラジルで中ロ外相が会談 変化する国際情勢の中で
ブラジルのリオデジャネイロで、中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が会談しました。両外相は、中ロ二国間関係の主要課題と、ウクライナ危機を含む国際情勢について協議しました。
中国共産党中央政治局委員でもある王毅氏は、国際情勢が急速に変化するなかでも、中国とロシアの間の相互信頼と相互支持は変わっていないと強調しました。そのうえで、両国の「戦略的指導」の重要性に言及し、さまざまな分野で協力をさらに拡大していく必要があると述べました。
BRICSの結束と「グローバルサウス」へのメッセージ
会談では、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを中心とする枠組み)の役割も大きなテーマとなりました。王毅氏は、現在の世界情勢のもとで、BRICSの団結と協力の戦略的価値が一段と高まっていると指摘しました。
- 中国とロシアはBRICSの創設メンバーとして、枠組み内での調整を強化すること
- 新興国や途上国同士の連携を深めること
- 「BRICSプラス」の影響力を高め、より多くの国や地域との協力を広げること
こうした取り組みを通じて、世界の発展と繁栄に新たな原動力を注ぎ込み、より公正で公平なグローバル・ガバナンス(国際的な統治の仕組み)づくりに貢献していくべきだと述べました。
ラブロフ氏「一時停戦」と「無条件の和平協議」に言及
ウクライナ危機については、ロシア側が最新の情勢を説明しました。ラブロフ外相は、ウクライナとの間で無条件の和平協議に応じる用意があるとし、危機の「根本原因」に焦点を当てるべきだと強調しました。
さらにラブロフ氏は、旧ソ連の「大祖国戦争」勝利の日にあたる5月9日前後に、一時停戦を実施する考えも示しました。これは、第2次世界大戦での旧ソ連勝利からの80周年を念頭に置いた動きであり、中国側とロシア側は、ソ連の勝利と「中国人民の抗日戦争」勝利の80周年をともに記念することでも歩調を合わせる姿勢を示しました。
王毅氏は、中国が一貫して平和的解決と対話を重視してきた「原則的立場」を改めて説明し、関係国が対話と交渉の軌道に戻るよう後押ししていく姿勢を示しました。
国連憲章と「一方的ないじめ」に反対
ラブロフ氏は、ロシアが国際秩序を維持し、国連憲章の目的と原則を守る立場にあると述べました。そのうえで、「一方的ないじめ」と表現される行動に対して抵抗していく必要があると強調しました。
会談では、今後予定される両国首脳の重要な往来(対面・電話会談など)に向けた準備を進めることも確認されました。ロシア側は、中国とともに首脳間の重要な交流を支える考えを示しています。
国連・SCO・G20など、多国間枠組みでの連携強化
両外相は、二国間関係だけでなく、多国間の枠組みでの協力についても議論しました。具体的には、次のような場が挙げられています。
- 国際連合(UN)
- 上海協力機構(SCO)
- 主要20か国・地域(G20)
また、イランの核問題や朝鮮半島情勢といった地域安全保障の課題についても意見交換が行われました。中ロ両国が、複数の地域問題で歩調を合わせようとしている姿がうかがえます。
日本の読者は何を見るべきか
今回の中ロ外相会談は、ウクライナ危機の行方だけでなく、BRICSやG20、国連を舞台にした「国際ルールづくり」の構図にも影響する可能性があります。日本語で国際ニュースを追う読者にとって、次のポイントが注目材料になりそうです。
- 中ロが「無条件の和平協議」や一時停戦に言及したことが、今後の停戦・和平の議論にどう反映されるか
- BRICSや「BRICSプラス」を通じて、新興国・途上国の声が国際ガバナンスにどう反映されていくのか
- 国連やSCO、G20など多国間枠組みでの中ロ協力が、安全保障や経済秩序にどのような形で現れてくるのか
短時間でニュースの概要をつかみたい読者にとっては、「中ロがどこで協力し、何に異議を唱えているのか」を押さえることが、複雑化する国際情勢を理解する一つの手がかりになります。
一方で、より深く考えたい読者にとっては、ウクライナ危機の和平プロセスや、BRICS・G20などを通じた新しい国際秩序の形を、自分なりの視点で整理するきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








