中国の2026〜30年発展計画、習近平氏が「質の高い成長と安全」を強調
中国の習近平国家主席は、2026〜2030年の経済・社会発展に向けた計画づくりについて、情勢の変化への適応と戦略的重点の把握を強調しました。現在、第14次五カ年計画(2021〜2025年)の最終年を迎える中で、中国は次期「第15次五カ年計画」の策定を本格化させています。
2026〜2030年に向けたキーワードは「質の高い発展」と「開放」
上海で開かれた、2026〜2030年の「第15次五カ年計画」期の経済・社会発展に関するシンポジウムで、習近平国家主席は、次期計画の方向性を示しました。
習氏は、計画づくりでは情勢の変化に適応しつつ、戦略的な優先課題をしっかりとつかみ、「社会主義現代化の基本的実現」という目標に焦点を当てるべきだと指摘しました。そのうえで、「強大な国づくり」と「民族の復興」を視野に入れた長期的な視点の必要性を強調しました。
また、各分野での目標と任務を合理的に設定し、それぞれに応じた具体的な手段を提示することが重要だとし、「自らの事を着実に行う」とともに、「ハイスタンダードな対外開放の拡大」への揺るぎないコミットメントを表明しました。習氏は、中国の発展は今後も「質の高い発展」を全面的に推進することに重点を置くべきだと述べています。
第15次五カ年計画とは何か
中国の五カ年計画は、中長期の経済・社会発展を方向づける重要な指針文書です。各計画では、5年間にわたる全体目標、主要任務、政策の方向性が示され、産業、社会、環境、安全保障など多様な分野に影響します。
1950年代に始まって以来、五カ年計画は中国の発展にとって「青写真」の役割を果たしてきました。策定プロセスは、中国共産党の中央指導部による集中・統一的なリーダーシップと、幅広い民主的参加を組み合わせた枠組みに基づいて進められます。
2020年には、習近平国家主席が第14次五カ年計画と2035年までの長期目標の策定に向けた起草チームを率い、約3か月の間に7回のシンポジウムを主宰しました。そこでは、各界代表から提案や意見を広く聞き取るプロセスがとられました。今回の第15次計画でも、こうした広範な意見集約が重視されると見られます。
「発展」と「安全」を両立させるアプローチ
習氏が今回、特に強調したのが「発展」と「安全」を同時に確保するという視点です。国内外のリスクや課題を総合的に評価し、それに対応できる国家安全保障体制を一層強化する必要があると呼びかけました。
経済構造の変化や地政学的な緊張、技術やサプライチェーンをめぐる不確実性が高まる中で、中国は、発展戦略と安全保障戦略を切り離さずに設計する方針を明確にした形です。次期計画では、経済・社会政策と安全保障政策の連動が一つのポイントになりそうです。
グローバル経済にとっての意味
中国の五カ年計画は、国内政策の枠を超え、国際経済にも大きな影響を与えてきました。北京を拠点とするシンクタンク「Center for China and Globalization(全球化智庫)」の王輝耀理事長は、中国の連続した五カ年計画について、「世界が深い不確実性に直面する中で、グローバル経済に並外れた確実性を提供する『アンカー(いかり)』の役割を果たしている」と評価しています。
世界第2の経済規模を持つ中国が、2026〜2030年にどのような成長モデルや開放のあり方を掲げるのかは、国際市場や企業戦略にも影響します。中国向けビジネスの中期計画を検討する企業や、サプライチェーンの構成を見直す企業にとっても、第15次五カ年計画の内容は、今後数年の前提条件の一つとなり得ます。
日本の読者にとってのチェックポイント
- 中国が掲げる「質の高い発展」が、どの産業分野や地域に重点を置くのか
- 「ハイスタンダードな開放」が、貿易・投資・サービス市場にどのような形で現れるのか
- 発展と安全の両立という観点から、技術・データ・インフラなどの分野でどのようなルールが整備されるのか
これらの点は、今後公表される計画文書や関連政策を読み解くうえで、重要な視点になりそうです。
最終年を迎える第14次五カ年計画とその先
現在、中国は第14次五カ年計画(2021〜2025年)の最終年に入り、既に設定された目標の達成に向けて取り組みを加速させています。その一方で、2026〜2030年を対象とする次期計画づくりも並行して進めることで、政策の連続性と予見可能性を高めようとしています。
五カ年計画は、一度発表されると5年間の政策の大枠を示す「指針」となります。今回、習近平国家主席が示した「質の高い発展」「開放の拡大」「発展と安全の両立」というキーワードは、第15次五カ年計画を読み解く初期シグナルとして、今後の議論や分析の出発点となりそうです。
Reference(s):
Xi stresses sound planning for China's development in 2026-2030
cgtn.com








