BRICSは途上国の権益守る「最も信頼できる力」に 王毅外相が結束を呼びかけ
新興国を中心とした枠組み「BRICS」に関する国際ニュースです。ブラジルの首都ブラジリアで開かれた第15回BRICS国家安全保障担当高級代表会合で、中国の王毅国務委員兼外相が、途上国の「正当な権益」を守るためにBRICSの結束を強めるよう呼びかけました。
BRICSは「途上国の最も信頼できる力」に
王毅外相は、中国共産党中央政治局委員であり、中央外事工作委員会弁公室主任も務めています。今回の会合で、BRICS諸国が団結と協力を強化し、開発途上国の正当な権利と利益を守る「最も信頼できる力」となるべきだと強調しました。
王毅外相によると、新しい国際環境のもとで、より多くの国がBRICSの声に耳を傾け、BRICSの枠組みに参加したいと望んでいるといいます。
王毅外相が示した懸念とメッセージ
取引的な国際政治と「貿易の武器化」への警鐘
王毅外相は、国際政治を短期的な損得で測る「取引的」な姿勢や、貿易を政治的な圧力の手段として利用する「貿易の武器化」は、各国の信頼危機を深め、世界の安全を損なうと指摘しました。
譲歩を繰り返すだけでは状況は好転せず、「希望は団結の中にある」として、BRICS諸国が互いに支え合う重要性を訴えました。
「発展の権利」を守るリーダーシップ
さらに王毅外相は、BRICS諸国に対し、次のような役割を果たすよう呼びかけました。
- 各国の「発展の権利」を守るために行動すること
- 団結と協力を先導し、グローバルな課題に共同で対応すること
- 多国間主義を守り、一方的な行動に対して明確な姿勢を示すこと
特に、途上国が発展するための「権利」と「空間」を確保することが重要だと強調しました。
他のBRICS参加国の反応
会合に参加した各国代表からも、BRICSの役割を重視する声が相次ぎました。参加者は、BRICS諸国が共通認識を築き、次のような課題に共同で取り組むべきだとしました。
- あらゆる形のいじめや強圧的な行動、内政干渉への反対
- 関税の乱用など、経済手段による圧力への反対
- 多国間主義を堅持し、国際ルールを尊重すること
- グローバルサウス(主にアジア・アフリカ・ラテンアメリカの国々)の共通利益を守ること
- 平和・安全・公正・正義に根ざした多極的な世界の構築
なぜこの発言が重要なのか
今回の発言は、国際秩序が揺らぐ中で、BRICSがどのように自らの立ち位置を定義しようとしているのかを示しています。とくに次の点で注目されています。
- 途上国・グローバルサウスの声を代弁しようとする姿勢
- 貿易や関税を政治的な圧力手段とする動きへの懸念
- 「一極的」ではなく「多極的」な世界を目指す方向性の明示
日本の読者にとっても、BRICSの動きはエネルギー、貿易、国際機関の議論などを通じて間接的に影響しうるテーマです。国際ニュースを追ううえで、こうした枠組みがどのような価値観や目標を掲げているのかを把握しておくことは、世界の流れを理解する手がかりになります。
これからのBRICSと国際社会
王毅外相が述べたように、BRICSの声に耳を傾け、参加を望む国が増えているとされるなか、BRICSは今後、グローバルサウスを代表する重要な対話の場としての性格を強めていく可能性があります。
一方で、各国の利害や発展段階は必ずしも同じではありません。どこまで具体的な協力や共通ルールづくりが進むのかは、今後の会合や合意内容を見ていく必要があります。
途上国の「発展の権利」をどう守り、平和で公正な国際秩序をどう形づくるのか。BRICSをめぐる議論は、世界の構図を静かに変えていくプロセスの一部と言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








