カナダと中国文化が出会う長沙 マーティンさんの中医と武術の17年 video poster
中国中部・湖南省長沙市で暮らして17年になるカナダ出身のマーティン・A・ハーゼさん。中国武術と伝統中国医学(中医)に魅せられた一人の留学生は、いまやカナダと中国をつなぐ文化交流の架け橋になっています。
長沙に根を下ろしたカナダ人、出発点は高校の中国武術
マーティンさんは、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアで生まれ育ちました。高校時代に出会った中国武術に強くひかれ、当時の師範のすすめで「本場で学びたい」と決意。海を越えて湖南省長沙市へ渡り、鍼灸を中心とする中医の勉強を始めました。
長沙に来てからすでに17年。マーティンさんにとって、この街は中医や武術を学ぶ場であると同時に、日々の生活を営む場所でもあり続けています。
武術と中医が教えてくれた身体と心の哲学
マーティンさんが学んできた中医は、体全体のバランスや気の流れを重視し、鍼灸や漢方などを通じて人の自然治癒力を高めようとする医学です。同じく中国武術も、技の強さだけでなく、呼吸や姿勢、心の落ち着きを大切にします。
こうした共通する哲学に引きつけられたマーティンさんは、長沙での学びを通じて、中国文化の背景にある考え方に少しずつ触れてきました。中医の理論と武術の稽古が、日々の暮らし方やものの見方にも影響を与えているといえるでしょう。
ビクトリアと長沙を結ぶ学生交流の仕掛け人
個人としての学びにとどまらず、マーティンさんは、故郷ビクトリアと長沙の大学とのあいだで学生交流プログラムづくりにも積極的に関わってきました。自らの経験を生かし、若い世代が互いの文化に触れるきっかけをつくっています。
ビクトリアから長沙へ、あるいは長沙からカナダへ。双方向の交流を通じて、若い世代が中国文化や中医に触れ、またカナダの社会や文化を知る機会が生まれています。マーティンさんは、こうした往来を支える「橋」のような存在になっています。
なぜ学生交流が大切なのか
- 教科書だけではわからない中国文化やカナダ社会を、現地で体験できる
- 中医や中国武術といった専門分野への関心を持つきっかけになる
- 将来の研究協力やビジネス、観光交流の土台づくりにつながる
友人たちに「中国に来て」と呼びかける理由
マーティンさんは、自身の経験を通じて、カナダや他の国に住む友人たちに「中国に来てみてほしい」と繰り返し伝えています。中国文化の魅力を、かつての自分と同じように肌で感じてほしいと考えているからです。
教室で学ぶ中医の理論や、本で読む中国武術の歴史だけでは、その魅力のすべてはつかみきれません。実際に長沙の街を歩き、人々と交流しながら治療や稽古の現場に触れることで、初めて見えてくるものがあります。
17年前、ひとりの高校生として中国武術に憧れたマーティンさんはいま、長沙での生活を通じて、中国文化の「生きた姿」を海外に伝える存在になっています。その歩みは、個人の関心から始まる小さな一歩が、国境を越えたつながりへと広がっていく可能性を示しています。
私たちへの問いかけ
スマートフォン一つで世界のニュースに触れられる時代だからこそ、実際に現地へ足を運び、人や文化に出会うことの意味が問われています。中国文化や中医、武術に関心がある人にとって、長沙での17年というマーティンさんの物語は、次の一歩を考えるヒントになるかもしれません。
Reference(s):
Friends overseas: When maple meets Chinese medicine in Changsha
cgtn.com








