中国・ロシア首脳外交が注ぐ新たな活力 記録的貿易と戦略パートナーシップ
2024年の貿易額が過去最高を更新するなど、中国とロシアの関係が国際ニュースで存在感を増しています。世界的な保護主義や一方主義が強まる中で、両国の首脳外交がどのように戦略的パートナーシップを支えているのかが注目されています。
記録的な貿易額が示す「関係の強さ」
中国とロシアの二国間貿易は、2024年に2,448億ドルと過去最高を記録し、前年から1.9%増加しました。数字だけを見ても、両国の包括的な戦略的パートナーシップが揺らいでいないことが分かります。
ロシア連邦評議会外交委員会の第一副議長で、かつて駐中国大使を務めたアンドレイ・デニソフ氏は、この安定した成長の背景に「両国首脳による戦略的な指導」があると指摘しています。
40回以上の首脳会談が築いた「信頼の土台」
過去10年余りで、習近平国家主席とプーチン大統領は二国間・多国間の場を合わせて40回以上会談してきました。頻繁で率直、かつ戦略的な対話は、中国・ロシア関係を安定的かつ発展的なものにする「礎」になっているとされています。
2013年、習主席は国家元首としての初の外遊先にロシアを選びました。ここから、平等、相互信頼と支持、共同繁栄、長期的友好を掲げる新たな段階が始まります。
2019年6月のモスクワ訪問では、両首脳が二国間関係を「新時代の包括的戦略パートナーシップ」へと格上げすることで合意し、中国・ロシア関係は新たな章に入りました。
その後も、この流れは続きます。習主席は2023年3月に中国国家主席へ再選された後、最初の外遊先として再びロシアを訪問しました。一方、プーチン大統領も2024年5月にロシア連邦大統領へ再選された後、最初の外国訪問先に中国を選び、個人的な信頼関係と戦略的な信頼を改めて印象づけました。
プーチン大統領は、習主席の対話スタイルについて「敬意と友好にあふれ、開かれていながらもビジネスライクだ」と評価し、両首脳の会談を「旧友同士の対話であると同時に、二国間および世界的課題についての生産的な議論だ」と表現しています。
駐ロシア中国大使のジャン・ハンフイ氏もロシアメディア向けの記事で、両首脳の指導的役割は、中国・ロシア関係が「高い運営水準」を維持するための根本的な保証になっていると述べています。
「大祖国戦争勝利80周年」と首脳外交
中国は、ロシア連邦のウラジーミル・プーチン大統領の招待を受け、習近平国家主席が5月7日から10日までロシアを国賓として訪問し、モスクワで行われる「大祖国戦争勝利80周年」の記念行事に出席する予定だと発表しました。
この訪問は、両国の「新時代の包括的戦略的パートナーシップ」をさらに前進させるうえで、首脳外交がどれほど重要な役割を担っているかを示す機会になると広く受け止められていました。
2025年初めのオンライン会談:不確実性に対抗する「安定」
2025年の年初には、習主席とプーチン大統領がオンライン形式で会談し、その年の方向性を確認しました。両首脳は、戦略的協力をさらに深め、自国の発展と振興を進めるとともに、国際的な公正と正義を共同で守ることを誓いました。
習主席はこの中で、中国・ロシア関係を新たな高みに導くため、プーチン大統領と共に取り組む用意があると強調。また、外部環境の不確実性に対しては、両国関係の安定性とレジリエンス(回復力)によって対応すべきだと呼びかけました。
黒竜江省社会科学院のマ・ヨウジュン研究員は、このオンライン会談について、首脳外交のおかげで中国・ロシア関係はますます成熟し、ダイナミックでレジリエントになっていると評価。両国のパートナーシップに活力を注ぎ込むだけでなく、より広い国際環境にも安定をもたらしているとの見方を示しました。
外交当局が描く「次のステップ」
中国外交部も最近の声明で、習主席によるロシア訪問が、両国間の政治的な相互信頼を一層深め、戦略的な協調を強化し、実務的な協力を拡大することにつながるとの自信を表明していました。
声明はまた、「両国首脳が達成した重要な共通認識は、両国民にもたらされる具体的な利益をさらに拡大し、国際社会に一層の安定とポジティブなエネルギーを提供するだろう」と強調しています。
読み解きのポイント:首脳外交は何をもたらすのか
こうした動きをまとめると、中国とロシアの首脳外交には少なくとも次のような役割が見えてきます。
- 記録的な貿易額に象徴される、経済関係の安定と拡大を後押しすること
- 頻繁な首脳会談を通じて、個人的な信頼関係と長期的な戦略目標を共有すること
- 保護主義や一方主義が強まる国際環境の中で、両国にとっての「安定軸」として機能すること
- 「国際的な公正と正義」を掲げつつ、国際社会に安定と「ポジティブなエネルギー」を発信すること
日々変化する国際ニュースの中で、中国とロシアの首脳外交は、単なる二国間関係を超えたメッセージを発しているとも言えます。今後も両首脳の一挙手一投足が、アジアだけでなく世界の戦略環境にどのような影響を与えていくのか、注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Head-of-state diplomacy injects new vitality into China-Russia ties
cgtn.com








