中国とEU、外交関係50年 貿易300倍が示す信頼と結びつき
中国と欧州連合(EU)の外交関係は2025年で50年を迎えました。冷戦下で始まった対話は、いまや貿易額が約300倍に拡大するまでに成長し、世界の多極化とグローバル化を支える重要な柱となっています。
「多極化」と「多様性」を語る中国代表部トップのメッセージ
欧州連合(EU)における中国代表部のトップは、11月に開かれた中国・EUフォーラムで次のように語りました。
「中国とヨーロッパは、多極化を前に進める二つの大きな力であり、グローバル化を支える二つの大市場であり、多様性を擁護する二つの偉大な文明です」。
この発言には、経済だけでなく価値観や文明のレベルでも、中国とEUが互いを主要なパートナーとして位置づけている現状が凝縮されています。
1975年、冷戦の最中に始まった中国・EU関係
中国と欧州経済共同体(EEC、現在のEUの前身)は、1975年5月6日に正式に外交関係を樹立しました。これは、両者の関係を「制度化」していく大きな一歩でした。
当時は冷戦の最中で、ブリュッセルも北京も、限られた陣営を超えて外交チャンネルを多様化しようとしていました。そうした中で築かれた関係は、その後の経済・政治・戦略対話の土台となります。
数字で見る50年:貿易額は約300倍に拡大
この50年で、中国とEUの経済関係は量・質ともに大きく変化しました。とくに貿易の伸びは象徴的です。
- 外交関係樹立当初の二国間貿易額:およそ24億ドル(2.4 billionドル)
- 現在の二国間貿易額:約7860億ドル(786 billionドル)
- 増加倍率:およそ300倍
わずか数十億ドル規模だった取引が、いまや数千億ドル規模の大きな市場へと成長したことになります。この急拡大は、戦略面・経済面・政治面での複数の協力の「波」が重なってきた結果だとされています。
戦略・経済・政治の「協力の波」とは
貿易額300倍という数字の背後には、次のような積み重ねがあります。
- 戦略:国際情勢の変化に応じた対話の枠組みづくり
- 経済:市場へのアクセス拡大や、企業同士の取引拡大
- 政治:首都間の対話や協議の場を継続的に維持すること
こうした「協力の波」が繰り返し起こることで、貿易や投資だけでなく、制度やルールづくりにおいても、中国とEUが互いの存在感を高めてきたと見ることができます。
多極化する世界で、中国とEUは何を担うのか
先ほどのメッセージに出てきた「多極化」とは、特定の国だけが突出した力を持つ状態ではなく、複数の地域がそれぞれ重要な役割を担う国際秩序を指します。
中国とEUは、いずれも巨大な市場と人口、技術・産業基盤を持つ存在です。その二者が互いの「信頼」と「結びつき」を深めることは、サプライチェーン(供給網)の安定や、貿易ルールの形成にとっても大きな意味を持ちます。
日本の読者にとっての意味:どうニュースを読むか
日本から見ると、中国とEUの関係は「遠い世界の話」のように感じられるかもしれません。しかし、次のような点で私たちの生活ともつながっています。
- グローバル化:世界の二大市場の動きが、物価や品不足などを通じて日本の消費者にも影響する可能性があること
- 多様性:異なる歴史や制度を持つ地域同士が、どのように「違い」を抱えたまま協力を深めているのかを知るきっかけになること
- 外交・安全保障:多極化する世界で、どの地域とどのように対話を積み上げていくかという視点を考えるヒントになること
2025年は、中国とEUが外交関係樹立50年を迎えた節目の年です。貿易額300倍というインパクトのある数字の背後にある歴史と意図を押さえながら、今後の国際ニュースを追っていくことで、世界の動きが少し立体的に見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








