気候変動で「雪干ばつ」が頻発へ 中国科学院研究が警鐘
気候変動による地球温暖化が進むなか、「雪干ばつ」と呼ばれる雪不足の干ばつが今後より頻繁に発生する可能性が高いとする研究結果が発表されました。国際ニュースとしても注目されるこの研究は、将来の水資源や社会への影響を考えるうえで重要な示唆を与えています。
中国科学院の研究チームが示した警告
今回の研究は、中国科学院の新疆生態地理研究所(Xinjiang Institute of Ecology and Geography)の研究者らが主導しました。研究成果は、地球科学分野の学術誌であるGeophysical Research Lettersに最近掲載されています。
研究チームは、地球温暖化がこのまま進めば、将来「雪干ばつ」がより頻繁に起こる可能性が高いと警告しています。つまり、気候変動が積雪のあり方に影響を与え、その結果として水の不足リスクが高まるという見通しです。
「雪干ばつ」とは何か
雪干ばつとは、平年と比べて雪の量や積雪が大きく減ることで、実質的な干ばつ状態が起きる現象を指します。英語では「snow drought」と呼ばれます。
- 冬に十分な雪が降らない
- 春先に山の雪解け水が少なくなる
- その結果、川の流量やダムの貯水量が減る
見た目には雨の干ばつほど分かりやすくありませんが、雪干ばつもれっきとした「水不足」の一形態です。
なぜ気候変動で雪干ばつが増えるのか
今回の研究が指摘するポイントはシンプルです。温暖化が進むと、冬でも気温が高くなりやすくなり、本来なら雪として降るはずのものが雨になったり、そもそも降水量が減ったりする可能性があります。
その結果として、
- 積雪の量が減る
- 雪が積もっても早く解けてしまう
- 雪解け水として貯えられる「天然の水ガメ」が小さくなる
こうした変化が重なると、雪干ばつの頻度が高まりやすくなると考えられます。
日本やアジアにとっての意味
研究は中国科学院のチームによるものですが、その示唆は日本を含むアジア各地にも関係します。雪と水に頼る社会にとって、雪干ばつは次のようなリスクをはらんでいます。
1. 水資源と農業への影響
山の雪解け水は、河川の流量を安定させる役割を持ちます。雪干ばつが起きると、
- 春から夏にかけての河川流量が減る
- 農業用水の確保が難しくなる
- 発電ダムの水位低下による電力供給への影響
といった問題につながる可能性があります。
2. 観光・ウインタースポーツへの打撃
雪が少ない冬は、スキー場や冬の観光地にも影響します。積雪量が読みにくくなると、
- スキー場の営業期間が短くなる
- 人工降雪のためのコストが増える
- 地域経済の先行き不透明感が高まる
といった課題が浮かび上がります。
3. 生態系への影響
雪は単なる「白い景色」ではなく、動植物にとって大切な環境要因でもあります。積雪が減ることで、
- 雪の下で越冬する植物や小動物の環境が変わる
- 雪解け時期の変化で、動物の行動パターンがずれる
といった、生態系への影響も懸念されます。
私たちはどう向き合うべきか
今回の研究は、地球温暖化がもたらす影響が「猛暑」や「豪雨」だけでなく、「雪不足」という形でもあらわれる可能性を改めて示したものです。
個人や社会としてできることは、
- エネルギーの効率的な利用などによる温室効果ガス排出の削減
- 水資源の管理を、積雪の変化も踏まえて見直すこと
- 科学的な研究成果に目を向け、長期的なリスクを議論すること
などが挙げられます。
気候変動と雪干ばつの関係を明らかにしようとする今回の研究は、これからの社会づくりに向けて「どのような冬を前提に計画を立てるのか」を考え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








