ファーウェイ初のHarmonyOS搭載PC 5月19日発売へ
ファーウェイ初のHarmonyOS搭載PC、5月19日に登場へ
中国の通信機器大手ファーウェイが、独自の基本ソフト(OS)「HarmonyOS(ハーモニーOS)」を搭載した初のパソコン(PC)を5月19日に発売すると発表しました。スマートフォンやタブレットで広がってきたHarmonyOSエコシステムが、いよいよPC分野にも本格進出することになります。
スマホ・タブレットからPCへ広がるエコシステム
今回の発表は、既にスマートフォンやタブレットに採用されているHarmonyOSを、PCという新たな領域に広げる取り組みです。ファーウェイは、スマホ、タブレット、PCといった複数の端末を1つのOSでつなぎ、シームレスに行き来できる「エコシステム」を強調しています。
ユーザーは、キーボードとマウスを使って、自分のスマートフォンやタブレット、PCの画面をまたいで操作できるとされています。例えば、スマホ上のファイルをPCから直接開いたり、タブレットの画面をサブディスプレーのように使ったりといった使い方が想定されています。
国産OSでWindowsとmacOSに挑む
HarmonyOSを搭載したPCの投入は、「国産OS」であるHarmonyOSの存在感を一段と高める動きです。一般向けPCに搭載されるOSとしては、その国で開発された初めての国産OSと位置づけられており、長年市場を支配してきた米マイクロソフトの「Windows」や米アップルの「macOS」への挑戦という側面もあります。
ファーウェイは、ここまで5年にわたる研究開発を重ねてきたと説明しています。OSをゼロから育てるには長期の投資と開発が必要になりますが、今回のPC投入は、その成果を一般ユーザー向けの製品として示す節目といえます。
セキュリティ重視の設計
安全性の高さも、HarmonyOS搭載PCの特徴として打ち出されています。ファーウェイによると、PCには暗号化専用のセキュリティチップが組み込まれており、安全なアクセス機構や暗号化されたデータ共有など、複数の防御レイヤーを備えています。
スマホやタブレットとの連携が進むほど、1つのアカウントや端末が侵害された場合の影響も大きくなります。そのため、ハードウェアレベルのセキュリティチップとOSを組み合わせて防御する設計は、今後のマルチデバイス時代を見据えたアプローチといえます。
オープンソースOSとしてのHarmonyOS
HarmonyOS(中国名「鴻蒙(ホンモン)」)は、もともとスマートディスプレーやタブレット、ウェアラブル端末、車載機器など、さまざまな機器と利用場面を想定して設計されたオープンソースのOSです。2019年8月に初めて公開されて以来、対応する機器やサービスの幅を広げてきました。
今回のPC対応により、ユーザーはスマートフォン、タブレット、PC、さらには将来的なIoT機器まで、同じOSを軸にした体験を共有できる可能性があります。これは、特定の端末に依存するのではなく、OSを中心に生活や仕事のデジタル環境を組み立てる発想に近いものです。
アプリと周辺機器、立ち上がり期の課題
ファーウェイは、HarmonyOS搭載PCがすでに1,000種類以上の外部デバイス(周辺機器)と接続できると説明しています。また、PC向けに最適化された専用アプリが150本以上、エコシステム全体でPCでも利用可能なアプリが300本以上あるとしています。
一方で、アナリストらは立ち上がり期ならではの課題も指摘します。WindowsやmacOSといった既存の主流OSは、長年にわたって膨大な数のアプリやサービスを抱えるエコシステムを形成してきました。これに対し、新しいOSはどうしてもアプリの数や選択肢で見劣りしやすく、ユーザーに乗り換えを促す上でハードルになり得ます。
ただし、エコシステムは時間とともに変化します。開発者がどれだけ参加し、新しいアプリやサービスがどれだけ生まれるかによって、OSの魅力や使い勝手は大きく変わっていきます。HarmonyOSのPC進出は、その「初期フェーズ」がいま始まった段階と見ることができます。
ユーザー視点で見えるポイント
PCを選ぶユーザーの視点から見ると、チェックしたいポイントはいくつかあります。例えば、仕事や学習で日常的に使っているアプリがHarmonyOSでも利用できるか、スマホやタブレットとの連携でどれだけ作業が効率化されるか、といった点です。
また、セキュリティやプライバシーを重視する人にとっては、専用セキュリティチップを含む設計がどの程度安心感につながるかも関心事になるでしょう。新しいOSを試すことは、単に「新製品を買う」だけでなく、自分のデジタル環境をどう組み直すかという選択でもあります。
PC市場にとっての意味
HarmonyOS搭載PCの登場は、PC市場における選択肢が増えることを意味します。OS競争は、ユーザー体験やサービスの改善を促すきっかけにもなります。どのOSを選ぶかは最終的にユーザーの判断ですが、複数の選択肢があること自体が市場にとってプラスに働く可能性があります。
5月19日に予定されているHarmonyOS搭載PCの発売は、国産OSが本格的にPC市場へと乗り出す節目として注目されています。今後、どのようなユーザー層に受け入れられ、エコシステムがどこまで広がるのか。PC、スマホ、タブレットをまたぐ新しいデジタル体験の行方が焦点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








