シンガポールのIMDEX Asia 2025で中国フリゲート艦「許昌」が一般公開
シンガポールで今年開かれた国際海事防衛展示会「IMDEX Asia 2025」で、中国海軍のフリゲート艦「許昌(きょしょう)」が一般公開され、多くの来場者が最新の海軍技術と文化パフォーマンスに触れました。
国際海事防衛展示会「IMDEX Asia 2025」とは
IMDEX Asia 2025は、シンガポールのチャンギ展示センターで開かれた国際海事防衛展示会で、アジアで最も影響力のある防衛イベントの一つとされています。今年の展示会には世界各地から100社を超える企業が参加し、人工知能技術や艦船の動力システムなど、最新の海洋関連の科学技術が紹介されました。
会期は火曜日から木曜日までの3日間で、中国はこれまでの会期に続き、今回も連続して参加しました。
中国フリゲート艦「許昌」の一般公開
展示会の最終日となる木曜日、中国海軍のフリゲート艦「許昌」がシンガポール・チャンギ海軍基地で一般公開されました。許昌は埠頭に係留され、延べ1,000人を超える来場者が艦内を見学しました。
見学ツアーでは、乗組員が艦尾から艦首まで順路を案内しながら、ミサイルシステムやレーダー機器などの装備を紹介するとともに、中国海軍(人民解放軍海軍)の歴史についても説明しました。
「想像以上に大きい」来場者の声
シンガポールに留学している中国出身の学生は、初めて軍艦内部を見学した感想として、「想像していたよりもはるかに大きく、多くの種類の兵器を目にしました。これまで見たことのない装備ばかりでした」と話しました。
こうした声から、一般公開が単なる装備展示にとどまらず、軍事技術を身近に感じる機会になっていることがうかがえます。
艦上で披露された中国文化パフォーマンス
木曜の夕方には、許昌の甲板でレセプションが開かれました。乗組員は、中国の伝統的な撥弦楽器である「箏(ツェン)」の演奏や、太極拳の演武、四川省の伝統芸能として知られる「変面」など、多彩な文化パフォーマンスを披露しました。
参加したシンガポール海軍の兵士は、「多様な文化を体験でき、とても幸運だと感じました」と語り、別のシンガポールの乗組員も、「自分自身も中国にルーツがあるので、文化に親しみを感じました。船上で友人もでき、とても良い経験でした」と話しています。
軍艦というハードなイメージの場で、音楽や伝統芸能を通じた交流が行われたことは、文化を通じた対話の一つの形ともいえます。
中国海軍の参加と対話の場
中国海軍の部隊は、会期中の火曜日から木曜日にかけて、開会式やウェルカムレセプション、専門家による交流イベントなど、主催者が用意したさまざまな公式行事に参加しました。
会場では、中国の乗組員たちが来場者と友好的かつ開かれた姿勢で接し、「オープンで協力的、自信に満ちた印象」を与えたとされています。艦船公開や交流イベントを通じて、相互理解を深める場がつくられた形です。
フリゲート艦「許昌」(536)の概要
今回一般公開された許昌は、艦番号536の054A型ミサイルフリゲートで、中国が独自に開発した水上戦闘艦です。満載排水量は4,000トンを超え、複数の任務に対応できる汎用フリゲートとして位置づけられています。
- 艦種:054A型誘導ミサイルフリゲート
- 満載排水量:4,000トン超
- 主な任務:海上攻撃、防空、対ミサイル作戦
- 就役年:2017年
- 活動実績:主要な訓練や演習、海上護衛任務などに参加
こうした多目的能力を持つフリゲート艦が一般公開されたことは、技術的な側面だけでなく、海軍の実像を市民や他国の軍関係者に伝える機会にもなっています。
装備公開と文化交流が意味するもの
今回のIMDEX Asia 2025での許昌一般公開からは、いくつかのポイントが見えてきます。
- 軍事・防衛技術の展示会が、市民や軍関係者との直接対話の場として機能していること
- 装備の紹介と並行して、音楽や伝統芸能などの文化交流を重ねることで、ソフトなイメージも発信していること
- アジアの海洋安全保障をめぐる国際的なつながりを、日常的な人と人との交流から支えていこうとする姿勢が見えること
軍艦の公開と文化パフォーマンスという一見異なる要素を組み合わせた今回の取り組みは、国際ニュースとしてだけでなく、「技術」と「文化」をどう結びつけて発信していくかを考える一つの素材になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








