中国副首相がスイスと自由貿易維持を呼びかけ FTA改定交渉の加速を提案
中国とスイスの関係をめぐる国際ニュースです。中国の何立峰(フー・リーフェン)副首相がスイス側首脳と会談し、自由貿易と開かれた市場の維持、そして両国の自由貿易協定(FTA)の「アップグレード」に向けた交渉を加速させる方針を確認しました。
ジュネーブで中国副首相とスイス首脳が会談
会談はジュネーブで行われ、中国側からは何立峰副首相、スイス側からはスイス連邦大統領のカリン・ケラー=ズッター氏と、連邦評議会副議長のギー・パルムラン氏が出席しました。
何副首相は、現在の複雑な国際情勢の中で、中国とスイスが意思疎通を強め、共に課題に対応しながら、自由貿易と開かれた市場を共同で守っていくべきだと呼びかけました。
複雑な国際情勢の中で「自由貿易」を守る意味
何副首相は、保護主義的な動きや不透明感が高まる国際環境に触れつつ、自由貿易とオープンな市場の重要性を強調しました。これは、中国とスイスの二国間関係だけでなく、世界経済全体の安定にも関わるテーマです。
スイス側のパルムラン氏も、スイスは多国間主義と自由貿易を支持すると述べたうえで、中国と協力し、FTA改定交渉を加速させたいとの考えを示しました。その狙いとして、両国企業と人々により大きな利益をもたらし、グローバルな産業・サプライチェーンを守ることを挙げています。
FTA改定交渉を前倒しで進める狙い
今回の会談では、既存の中スFTAを「アップグレード」するための交渉を早期に前進させることが、双方の共通目標として打ち出されました。何副首相は、実質的な進展を早い段階で生み出すべきだと強調しています。
- 中国側:FTA改定交渉で早期に実質的な成果を上げることを提案
- スイス側:交渉の加速によって両国企業と人々に具体的な利益をもたらしたいと表明
- 両国:グローバルな産業・サプライチェーンの安定に貢献する意向を共有
自由貿易協定の「アップグレード」とは、関税のさらなる削減だけでなく、サービス、投資、デジタル分野など、より広い範囲でルールや協力を深める方向性を指すことが一般的です。今回の中ス交渉も、その一環として位置づけられています。
国交75周年と「スイス・中国文化観光年」
ケラー=ズッター大統領は、両国の外交関係樹立から75周年という節目を機に、「スイス・中国文化・観光年」を共同で開催したいと述べました。これを通じて、さまざまなレベルで交流を活発化させ、複数の分野で実務的な協力を深めたい考えです。
文化や観光をテーマにした交流年は、政治や経済だけでは見えにくい人と人とのつながりを強くする役割を持ちます。今回の構想も、両国関係を「安全保障・経済」だけでなく、「文化・観光・人的交流」へと広げていく動きだと言えます。
読者への問い:中ス関係から見えるもの
今回の中国とスイスの動きから、次のようなポイントを考えることができます。
- 自由貿易と多国間主義を重視する国同士が、改めて「開かれた市場」の維持を確認していること
- FTAのアップグレードやサプライチェーンの安定を通じて、企業と市民生活の両方にメリットを広げようとしていること
- 国交樹立75周年という節目を、「文化・観光の年」としてソフトな交流の強化につなげようとしていること
複雑な国際環境の中で、中国とスイスは自由貿易と開かれた市場へのコミットメントを再確認しました。今後の交渉の進み方や、文化・観光を通じた交流の広がりが、欧州とアジア、さらには世界経済にどのような影響を与えるのか。日々ニュースを追う私たちにとっても、注目しておきたいテーマと言えます。
Reference(s):
Chinese vice premier calls for maintaining free trade with Switzerland
cgtn.com








