欧州報告書「中国が世界の太陽光の半分」 脱炭素で果たす役割とは
2024年に中国が世界の太陽光発電容量の約半分を占める規模に達したことが、欧州の太陽光業界団体の報告書で強調されました。国際ニュースとしても重要なこの動きは、世界の脱炭素目標にどんな意味を持つのでしょうか。
2024年、中国の太陽光導入が世界の約半分に
業界団体ソーラーパワー・ヨーロッパが公表した報告書によると、中国は2024年に新たに329ギガワット(GW)の太陽光発電設備を導入しました。
- 2024年に導入した太陽光発電容量:329GW
- 世界全体の新規導入量に占める割合:約55%
- 新規分だけでなく、累計の太陽光発電容量でも世界全体の約半分を中国が占める水準に達したとされています
報告書では、この規模の拡大が、世界全体の二酸化炭素排出削減(カーボンリダクション)目標に対する大きな貢献だと評価されています。
欧州の太陽光業界が高く評価
今回の報告書は、太陽光発電関連の欧州展示会「インターソーラー・ヨーロッパ2025」の会期中に発表されました。同展示会は金曜日に閉幕しており、会場では最新の太陽光技術や市場動向に関心が集まりました。
欧州のアナリストは、中国による大規模な太陽光発電の導入を、次のような点で評価しています。
- 世界全体の再生可能エネルギー比率を底上げする役割
- 太陽光発電設備の大量導入によるコスト低減への寄与
- 各国・地域が自国の脱炭素戦略を検討する際の重要な参照ケース
特に、世界の新規太陽光導入の過半数を1か国が担ったという事実は、エネルギー転換の重心がどこにあるのかを示す象徴的な数字といえます。
世界の脱炭素にとっての意味
太陽光発電(ソーラーフォトボルタイク、PV)は、発電時に二酸化炭素を排出しない電源として、脱炭素の中核技術の一つとされています。中国での急速な導入拡大は、世界レベルでいくつかの意味を持ちます。
- 排出削減ペースの加速:電源ミックス(電力の構成)における太陽光の比率が高まることで、化石燃料火力への依存を減らす圧力が強まります。
- 市場規模の拡大:需要が大きいほど、技術開発や規模の経済が進み、結果として世界の太陽光設備コストが下がりやすくなります。
- 他地域への波及:大規模導入の経験やノウハウは、他の国や地域が再生可能エネルギーを拡大する際の参考になります。
今回の欧州報告書は、中国の太陽光発電の拡大を、世界全体のカーボンリダクションを後押しする要因として位置づけています。
日本とアジアへの示唆
中国の太陽光発電が世界全体の約半分という規模になったことは、日本やアジアのエネルギー政策にもいくつかの示唆を与えます。
- エネルギー転換のスピード感:再生可能エネルギーの導入ペースをどこまで加速できるかが、各国の政策課題としてより鮮明になります。
- サプライチェーンの重要性:太陽光パネルや関連機器の調達先・製造拠点が国際的にどう分散されているかは、エネルギー安全保障の観点からも注目点です。
- 電力システムの柔軟性:太陽光発電が増えるほど、蓄電や送電網の強化など、システム全体をどう設計するかが問われます。
日本でも再生可能エネルギー拡大が進むなかで、中国を含む海外の動きを冷静に把握し、自国にとって現実的で持続可能なエネルギー戦略をどう描くかが、今後の大きな論点になりそうです。
これから注目したいポイント
今回の欧州報告書が示した数字はインパクトがありますが、重要なのは「この流れが続くのか」「他の国・地域はどう動くのか」という視点です。今後、私たちが見ていきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国の太陽光発電導入ペースが中長期的に維持・発展していくのか
- 欧州やアジアなど他地域が、どのようなペースで導入を増やしていくのか
- 太陽光を中心としたグリーンエネルギー産業が、雇用や産業構造にどう影響するか
- 気候変動対策をめぐる国際協調の中で、再生可能エネルギーがどのような役割を担うのか
2024年の数字は、世界のエネルギー転換が新たな段階に入ったことを象徴するものとして、今後もしばしば参照されていきそうです。2025年も終わりに近づくなかで、各国・地域がどのような次の一手を打つのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
European solar report hails China's role in green energy expansion
cgtn.com








