大連マラソン2025―スポーツ・文化・観光が交わる35回目の挑戦
2025年に開催された第35回大連マラソンは、スポーツイベントでありながら、文化体験と観光振興を同時にかなえる「都市型フェス」のような一日となりました。中国東北部・遼寧省大連市で日曜日の朝にスタートしたこの大会は、スポーツ・文化・観光の融合を象徴する国際イベントとして注目されています。
3万3千人が走った国際マラソン
今年の大連マラソンには、3万3000人ものランナーが参加しました。参加者は、中国国内だけでなく、55の国と地域から集まり、そのうち430人が海外からのランナーでした。規模の大きさに加え、多様なバックグラウンドを持つ人々が同じコースを走ることで、まさに「走る国際交流」の場となっています。
大会の主な種目は、フルマラソンとハーフマラソンです。42.195キロを走り抜くフルと、比較的挑戦しやすいハーフを組み合わせることで、経験豊富なランナーから、市民ランナー、海外からの参加者まで、幅広い層が楽しめる構成になっています。
- 参加者数:3万3000人
- 参加した国と地域:55
- 海外ランナー:430人
- 主な種目:フルマラソン/ハーフマラソン
エチオピア・ケニア勢がフルとハーフを制す
今大会で特に目を引いたのは、エチオピアとケニアの選手たちの活躍です。両国のランナーは、フルマラソンとハーフマラソンの双方で上位を独占し、トップの座を勝ち取りました。
長距離走で世界的な実績を持つエチオピアとケニアの選手が、大連でもその強さを示した形です。一方で、市民ランナーにとっては、世界レベルの走りを間近で感じながら同じコースを走る貴重な機会となり、国際大会ならではの臨場感を味わえる大会だったといえます。
キーワードは「スポーツ・文化・観光の融合」
大会は、単なるマラソン競技を超え、スポーツ・文化・観光の融合を前面に掲げた点が大きな特徴です。主催側は、マラソンをきっかけに人の流れを生み出し、都市の魅力を体感してもらうことを重視しています。
近年、各地の都市マラソンでは、次のような工夫が見られることが増えています。
- コース設計に都市の代表的な景観や街並みを組み込む
- スタート・フィニッシュ会場周辺で音楽やダンスなどの文化イベントを開催する
- 地元の飲食や特産品を紹介し、地域の食文化を発信する
大連マラソンも、スポーツと文化、観光を一体で考えるこうした流れの「代表例」として位置づけられています。数字の上でも、数万人規模のランナーと観戦者が集まることで、地域経済への波及効果や、都市イメージの発信効果が期待される大会となっています。
世界で広がるスポーツツーリズムの潮流
大連マラソンのような国際マラソン大会は、世界的に広がるスポーツツーリズム(スポーツ観光)の潮流とも重なります。スポーツを「観る・する」だけでなく、「旅とセットで楽しむ」スタイルが定着しつつあるためです。
スポーツツーリズムが注目される背景としては、次のようなポイントが挙げられます。
- ランニングやマラソンが、世代や国を超えて共有しやすいスポーツであること
- 大会をきっかけに、開催都市の文化や歴史への関心が高まること
- 参加者だけでなく、同行する家族・友人の観光需要も生まれること
国際ニュースとして見たとき、大連マラソンは、中国東北部の沿海都市がスポーツイベントを通じて自らの存在感を高め、世界との接点を広げていく動きの一端と捉えることもできます。
日本のランナーと都市づくりへの示唆
日本でも各地で市民マラソンが定着し、都市ごとの特色を打ち出す試みが続いています。大連マラソンのように、スポーツ・文化・観光をまとめて設計するスタイルは、大会運営や都市ブランディングを考えるうえで一つの参考になりそうです。
例えば、
- ランナーが街の物語や歴史を感じられるコース設計
- 地域の人々が応援やボランティアとして関われる仕組み
- 観光客と市民ランナーが同じ場所・時間を共有できる場づくり
こうした視点を取り入れることで、マラソン大会は単なる競技イベントから、地域を映し出す「動くプラットフォーム」へと変わっていきます。第35回大連マラソンの数字と構図は、その可能性を示す一つのケーススタディとして、日本の読者にとっても考える材料を与えてくれるのではないでしょうか。
スポーツの力で人が集い、文化と観光が交わる。その現場をどうデザインし、どのような価値を生み出していくのか――大連マラソン2025は、そんな問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
Dalian Marathon 2025: A celebration of sport, culture and tourism
cgtn.com








