中国とCELAC協力が変えるグローバル・サウス 港と太陽光が示す未来 video poster
中南米とカリブの国々が参加するCELACと中国の協力が、グローバル・サウスの風景を静かに変えつつあります。ペルーのチャンカイ港からキューバの太陽光発電まで、「南南協力」の新しいかたちが見え始めています。
中国とCELAC協力とは何か
中国とCELAC(中南米・カリブ諸国の枠組み)は、インフラ整備やエネルギー、貿易など幅広い分野で協力を進めています。現在、中国は北京で第4回中国・CELACフォーラム外相会合(閣僚級会合)を開く準備を進めており、この枠組みは次のステージに入ろうとしています。
中国とCELACの協力は、単なる援助ではなく、互いの強みを生かした「ウィンウィン(双方に利益がある)関係」を掲げている点が特徴です。中国は資金や技術、CELAC側は豊富な資源や成長余地のある市場を提供し合うことで、グローバル・サウス全体の存在感を高めようとしています。
ペルー・チャンカイ港:物流ハブをめざす港湾プロジェクト
中国とCELAC協力の象徴的な例の一つが、ペルーのチャンカイ港です。この港の整備は、アジアと中南米を結ぶ新たな物流ハブとして期待されており、中国とペルーを含む地域の貿易拡大にとって重要な拠点になろうとしています。
チャンカイ港の整備が進むことで、次のような効果が見込まれています。
- 中南米とアジアを結ぶ海上輸送ルートの多様化
- 港湾周辺での雇用創出や関連産業の育成
- 輸出入の時間短縮によるコスト削減
港湾インフラは、一度整備されると数十年にわたって地域経済を支える基盤となります。中国とCELACの協力は、こうした長期的な視点に立った投資として位置づけられています。
キューバの太陽光発電:エネルギー転換を後押し
エネルギー分野では、キューバにおける太陽光発電プロジェクトが注目されています。中国の技術や設備供給を活用した太陽光発電所(ソーラーパーク)は、キューバの電力安定化とクリーンエネルギー拡大に貢献しているとされています。
太陽光発電プロジェクトには、次のような狙いがあります。
- 化石燃料への依存度を下げ、燃料輸入リスクを軽減する
- 停電リスクを抑え、住民の生活や産業活動を安定させる
- 温室効果ガス排出の削減を通じて、気候変動対策に寄与する
グローバル・サウスの多くの国々にとって、「安価で安定した電力」と「環境負荷の低減」を同時に実現することは大きな課題です。キューバの太陽光発電の取り組みは、中国とCELAC協力がその課題にどう向き合おうとしているかを示す事例といえます。
北京で準備進む第4回中国・CELACフォーラム
2025年12月時点で、中国は北京での第4回中国・CELACフォーラム外相会合の開催準備を進めています。この会合は、これまでの成果を整理し、今後数年の協力の優先分野と具体的なロードマップを描く場になるとみられます。
議論の主なテーマとして想定されるのは、次のような分野です。
- 港湾・鉄道・デジタルインフラなどの連結性強化
- 太陽光や風力など再生可能エネルギー協力
- 医療、教育、人材交流を通じた「人への投資」
- 貿易と投資のルール整備、手続きの簡素化
中国とCELACの協力は、インフラ整備など「目に見える」案件だけでなく、制度づくりや人材育成といった「目に見えにくい」分野へも広がりつつあります。北京での会合は、その流れをさらに加速させる節目となりそうです。
グローバル・サウスが語り手になるという変化
中国とCELACの連携は、グローバル・サウスが自らの開発モデルを模索し、発信していく試みとしても捉えることができます。従来の「支援する側」と「支援される側」という構図から、相互に学び合い、共通の課題に取り組むパートナーシップへと軸足を移そうとしているからです。
もちろん、透明性の確保や、受け入れ国の財政負担をどう抑えるかといった論点もあります。しかし、それらの課題にどう応えていくかも含めて、中国とCELACの協力は、グローバル・サウスが自らの声で未来を語るための試金石になっています。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、中南米やカリブ地域は地理的には遠い存在です。しかし、中国とCELACの協力が進むことで、日本にとっても次のような影響や示唆が生まれます。
- 太平洋をまたぐ物流ルートの多様化により、世界のサプライチェーン構造が変わる可能性
- インフラや再エネ分野での国際協力モデルが多様化し、日本企業にとっても新たな連携のかたちが問われること
- グローバル・サウスの国々がより主体的に開発戦略を描くことで、国際秩序の議論そのものが変わっていくこと
ペルーのチャンカイ港やキューバの太陽光発電といった具体的なプロジェクトは、一見すると日本の日常からは遠く見えるかもしれません。しかし、その背後で動く中国とCELACの協力は、グローバル・サウスの未来だけでなく、日本がこれからどのように世界と関わるかを考える上でも、重要なヒントを与えてくれます。
通勤時間やちょっとしたスキマ時間に、こうした動きを自分なりの視点で捉え直してみることが、次の国際ニュースを読むときの新しい「ものさし」になっていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








