中国の王毅外相、インド・パキスタン停戦巡り「冷静と自制」を要請
インドとパキスタンの間で4日間にわたり激しい戦闘が続いた後に停戦が成立した局面で、中国の王毅国務委員兼外相がインドのアジト・ドバル国家安全保障顧問と電話会談を行い、両国に対して「冷静と自制」を呼びかけました。アジアの平和と安定をどう守るのかが、あらためて問われています。
王毅外相「対話と協議で違いを処理すべき」
中国の王毅国務委員兼外相(中国共産党中央政治局委員、中央外事工作委員会弁公室主任)は、電話会談でインドとパキスタンに対し、冷静さと自制を保ち、対話と協議を通じて双方の違いを適切に処理し、事態のエスカレーションを避けるよう求めました。
王毅氏は、中国がインドとパキスタンによる「包括的で持続可能な停戦」の実現を支持し、協議を通じてそれを達成することを期待していると強調しました。これは両国の根本的利益にかなうだけでなく、国際社会の共通の願いでもあると位置づけています。
さらに王毅氏は、パハルガム地域で起きたテロ攻撃を非難し、あらゆる形態のテロリズムに反対する中国の立場を改めて示しました。
4日間の戦闘を経て停戦へ、軍高官同士も再協議
インドとパキスタンは、4日間にわたる激しい戦闘の末に停戦で合意しました。停戦に合わせて、両国の軍のトップも、翌週月曜日の正午ごろに再び協議を行うことで合意し、軍事レベルの対話の継続を確認しています。
短期間とはいえ致死的な戦闘の後に、停戦と軍高官同士の連絡継続が決まったことは、緊張がこれ以上高まることを避けたいという意向が双方にあることをうかがわせます。
インド側「戦争は選択肢ではない」
インドのアジト・ドバル国家安全保障顧問は、パハルガム地域での攻撃により、インド側に深刻な死傷者が出たと説明し、インドとしてテロ対策措置を取らざるをえない状況だと述べました。
一方でドバル氏は、「戦争はインド側の選択ではなく、いずれの側の利益にもならない」とも強調。インドとパキスタン双方が停戦を維持し、可能な限り早期に地域の平和と安定を回復することを目指していると語りました。
アジアの安定をめぐるメッセージ
王毅氏は、世界が変革と動揺のただ中にあると指摘したうえで、アジアの平和と安定は「得がたく、守るべきものだ」と強調しました。インドとパキスタンは動かすことのできない隣国同士であり、同時に中国の隣国でもあるという点を挙げ、3カ国が安定した環境を共有することの重要性を示唆しています。
今回の電話会談と停戦合意は、2025年の地域情勢の中で、紛争が短期間に激化し得る一方で、当事者と周辺国の対話によってエスカレーションを抑えようとする動きも存在することを映し出しています。
読者と共有したい3つの視点
今回の動きをどう受け止めるかを考えるうえで、次のようなポイントが浮かび上がります。
- テロ対策と地域の安定をどう両立させるのか:強硬な対応が新たな緊張を生まないよう、どこまで「自制」が可能なのか。
- 第三国の役割:当事国ではない中国が、停戦や対話を支持するメッセージを発することは、どのような意味を持つのか。
- 危機時のコミュニケーション:軍高官や安全保障担当者同士の連絡ルートを維持することが、衝突の拡大防止にどこまで寄与しうるのか。
インド、パキスタン、中国という重要なプレーヤーの間で交わされた今回のメッセージは、アジアの安全保障を考えるうえで、2025年の今を象徴する一つの事例といえます。停戦と対話の試みが、今後どのような形で地域の安定につながっていくのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








