中国「新時代の国家安全保障」白書を発表
中国の国務院新聞弁公室は、新時代の国家安全保障に関する白書を発表しました。変化と不確実性が高まる国際環境のなかで、中国の安全保障戦略やその理念を体系的に示し、国際社会の理解を深める狙いがあります。
白書の目的:新時代の安全保障戦略を体系的に説明
今回の白書は、中国の国家安全保障分野における革新的な理念、具体的な実践、そして成果を包括的に説明するものです。また、中国の国家安全保障に対する国際社会の理解を高めることも目的としています。
白書は序文と結語に加え、六つの章から構成され、中国がどのように世界の安定に貢献し、自国の安全と発展を両立させようとしているのかを整理しています。その六つの柱は次の通りです。
- 変化と混乱が入り交じる世界に対し、中国が確実性と安定をもたらしていること
- 新時代の取り組みを導く総体国家安全観が、国家安全保障をどのように方向づけているか
- 国家安全保障が中国式現代化の着実で持続的な前進をいかに支えているか
- 発展のなかで安全を強化し、安全の確保を通じて発展を追求するという考え方
- グローバル安全保障イニシアチブを実行し、世界の共通安全を促進する取り組み
- 改革を深化させることで、国家安全保障体制と能力の現代化をどのように進めているか
鍵となる総体国家安全観
白書によると、中国の総体国家安全観は、中華人民共和国の成立以来、国家安全保障の取り組みを導く基本方針として初めて確立された重要な戦略的思考だと位置づけられています。この概念は「新時代の中国の特色ある社会主義思想」の重要な構成要素であり、現代中国から国際社会への大きな理論的貢献だと説明されています。
新時代の国家安全保障は、中国の特色ある安全保障の道を掲げ、人民の安全を最終目標とし、政治の安全を基礎的任務とし、国家の利益を指針とするとされています。同時に、高品質な発展を支え、ハイレベルな対外開放を後押しし、法治の枠組みのなかで運用される点も強調されています。
人民の安心と発展・開放を支える国家安全保障
白書は、中国の国家安全保障が、党と人民から託された重大な責任をしっかりと果たしていると述べています。中国共産党の執政党としての地位と社会主義制度を守りつつ、人々の充実感、幸福感、安全感を高め、高品質な発展を確保することが重視されています。
また、国家の領土の完全性や海洋の権益を守り、新たに台頭する分野の安全と信頼性を確保し、中華民族の偉大な復興に不可欠な安全の盾を強化することも、国家安全保障の役割として掲げられています。
発展と安全の好循環をめざす
中国は、発展と安全を両立させることを重視し、高品質な発展と高水準の安全が相互に作用し合う好循環の構築を目指していると白書は指摘します。対外開放と安全保障のあいだにも、相互に強化し合う関係を築くことが強調されています。
そのために、中国の国家安全保障は改革とイノベーションを原動力とし、体系的かつ制度的なアプローチによって、効率的で協調のとれた国家安全保障体制を整備し、実践的な安全保障能力を高めていく方針です。
グローバル安全保障イニシアチブと共通の安全
白書は、グローバル安全保障イニシアチブが、人類運命共同体の構築という安全保障ビジョンを体現していると説明します。このイニシアチブは、中国の総体国家安全観にグローバルな視野を与えるものだと位置づけられています。
中国は、自国の安全と共通の安全を同時に重視し、グローバルな安全保障ガバナンスの強化を呼びかけています。広範な協議、共同の貢献、成果の共有というグローバル・ガバナンスの考え方を実践し、真の多国間主義を掲げつつ、より公正で公平な国際安全保障ガバナンス体制の構築を目指すとしています。
国際社会に示されたメッセージ
今回の白書は、変化と不安定さが増す世界のなかで、中国がどのように国家安全保障を位置づけ、国内の発展と国際協調を両立させようとしているのかを示す文書といえます。国際ニュースとしても、今後の中国の安全保障政策や外交の方向性を読み解くうえで、注目しておきたい内容です。
Reference(s):
China releases white paper on national security in the new era
cgtn.com







