北京で中国・ペルー外相会談 一帯一路とFTA深化へ
中国とペルーの外相が北京で会談し、一帯一路やチャンカイ港の協力、自由貿易協定(FTA)の改定や二重課税回避協定の交渉加速などを通じて、包括的戦略的パートナーシップを一段と深めていく方針を確認しました。本記事では、そのポイントと背景を整理します。
北京で中国・ペルー外相会談
2025年12月8日(月)、北京で中国の王毅(ワン・イー)外交部長(中国共産党中央政治局委員)と、ペルーのエルマー・スキアレル外相が会談しました。両外相は、中国とペルーの「包括的戦略的パートナーシップ」をさらに深めていく方針を確認しました。
一帯一路とFTAで先行してきたペルー
王毅外交部長は会談で、ペルーがラテンアメリカ諸国の中で早い段階から中国の「一帯一路」構想に参加してきたことを強調しました。また、ペルーはこの地域で初めて中国と包括的な自由貿易協定(FTA)を結んだ国でもあると指摘しました。
その結果、中国は11年連続でペルーにとって最大の貿易相手国であり、最大の輸出先となっているとされています。こうした数字は、中国とペルーの経済関係がすでに非常に緊密であることを示しています。
「一つの中国」原則への支持を評価
王毅外交部長は、ペルーが長年にわたり「一つの中国」原則を堅持してきたことに対し、高く評価する考えを示しました。そのうえで、中国は中国・ペルー関係の将来に自信を持っていると述べました。
さらに王毅氏は、中国がペルーの「中核的利益」に関わる問題について、今後も揺るぎない支持を続けると表明しました。また、両国首脳の間でこれまでに達成されてきた重要な合意を、今後も着実に実行していく姿勢を示しました。
チャンカイ港が象徴する新たな物流ハブ
会談では、ペルーのチャンカイ港が中国とペルーの協力を象徴する「旗艦プロジェクト」であることも確認されました。王毅外交部長は、チャンカイ港が、途上国同士が連帯を深め、共に発展を目指す好例になっていると評価しました。
特に、チャンカイ港と上海を結ぶ直行ルートについて、王毅氏は、ペルーの発展能力を高めると同時に、同国が地域の成長を牽引する役割を強めることにつながると指摘しました。アジアと南米を結ぶ海上輸送ルートの選択肢が増えることで、物流の時間短縮やコスト削減につながる可能性があります。
FTA改定と二重課税回避でビジネス環境を整備
王毅外交部長は、中国とペルーが結んでいる自由貿易協定の改定に向けた議定書について、その承認手続きを加速させる必要があると呼びかけました。FTAをアップグレードすることで、サービスや投資など、より幅広い分野での市場開放が進むことが期待されます。
また、同氏は、二重課税を回避するための二国間協定の交渉も、スピード感を持って進めるべきだと強調しました。二重課税回避協定は、同じ所得や利益に対して二つの国で重ねて税金がかかることを防ぐ枠組みであり、企業にとっては投資判断をしやすくする重要なルールです。
中国・ペルー関係の今後の焦点
今回の会談では、経済やインフラ分野だけでなく、政治的な信頼の強さも改めて確認されました。中国側は、ペルーの立場や利益を尊重しながら、首脳間の合意を実務レベルで具体化していく方針を示しています。
一方で、ペルーにとっても、チャンカイ港やFTA改定、二重課税回避協定といったテーマは、自国の成長戦略と直結する論点です。港湾や貿易ルートの整備は、地域全体の物流ネットワークに影響を与える可能性があり、南米とアジアの結びつきがどのように変化していくのかが注目されます。
日本の読者にとっての意味合い
日本から見ると、中国とペルーの動きは一見遠い話に感じられるかもしれません。しかし、太平洋を挟んだ南米とアジアの連携が進むことは、世界のサプライチェーンや貿易ルートの選択肢が広がることを意味します。
特に、チャンカイ港と上海を結ぶルートが本格的に機能すれば、アジア・太平洋地域の物流の地図にも変化が生まれる可能性があります。こうした動きは、日本企業にとっても、今後の海外ビジネスや調達戦略を考えるうえで、注視しておきたいポイントと言えます。
中国とペルーが今回掲げた「包括的戦略的パートナーシップの新たな段階」が、どのような具体的なプロジェクトやルールづくりとして形になるのか。今後の続報が、ラテンアメリカやアジアの国際ニュースを読み解くうえで、重要な手がかりになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








