習近平氏、中国・LAC協力強化へ 北京で中国・CELACフォーラム基調演説
中国とラテンアメリカ・カリブ(LAC)諸国の関係をめぐる国際ニュースで、中国の習近平国家主席が、中国・CELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体)フォーラムの第4回閣僚会合の開幕式で基調演説を行い、LAC諸国との連帯と協力を一段と強化していく方針を示しました。
経済協力から人材交流、安全保障まで幅広い分野での具体策が示されており、中国とLAC諸国のパートナーシップが今後どのように深まっていくのか、日本からも注目される内容となっています。
中国・LAC諸国の「連帯」と相互支持を強調
習近平国家主席は演説で、中国がLAC諸国との連帯を強め、双方の「核心的利益」や「重大な関心事」に関して引き続き相互に支持していく考えを表明しました。
また、中国とLAC諸国が、主要な国際・地域問題について意思疎通と協調を強化し、国連を中心とする国際体制と、国際法に基づく国際秩序を共に堅持していくべきだと呼びかけました。
習主席は、中国がLAC諸国とともに次のような取り組みを進める意向も示しました。
- グローバル発展イニシアチブ(Global Development Initiative)の実施
- 多国間貿易体制の維持
- 世界の産業・サプライチェーンの安定と円滑化
- 開かれた協力的な国際環境の維持
経済協力:インフラからAIまで幅広く
経済分野では、習主席は中国とLAC諸国が開発戦略の「連結」を図り、「質の高い一帯一路」協力を進めるべきだと強調しました。従来型の分野と新たな分野の両方で協力を深める方針です。
従来分野:インフラ・農業・エネルギー
中国はLAC諸国とともに、次のような「伝統的分野」での協力を一段と深める考えです。
- インフラ整備
- 農業・穀物分野
- エネルギー・鉱物資源分野
中国側は、LAC諸国からの高品質な製品輸入を増やすとともに、中国企業による同地域への投資拡大を促す方針も示しました。
新分野:クリーンエネルギー・5G・デジタル経済・AI
同時に、習主席は「新興分野」での協力拡大も提案しました。その対象として挙げられたのは次の分野です。
- クリーンエネルギー
- 5G通信
- デジタル経済
- 人工知能(AI)
インフラや資源だけでなく、デジタル技術やクリーンエネルギーといった分野まで射程に入れている点は、中国とLAC諸国の関係がより多層的な段階に入りつつあることをうかがわせます。
人材交流・ビザ緩和:人と人を結ぶ具体策
習主席は今後3年間にわたり、政治・人的交流を大幅に拡大する具体的な数値目標も示しました。中国は次の措置を取るとしています。
- CELAC加盟国の政党の指導的立場にある幹部を、毎年300人、中国に招へいし、統治経験に関する交流を行う
- 今後3年間で、CELAC加盟国に対し3,500人分の中国政府奨学金を提供
- 同期間に1万人分の中国での研修機会を提供
さらに、習主席は、ラテンアメリカ・カリブ地域の5カ国に対して、中国がビザ免除措置を導入することを明らかにしました。また、今後、同様の政策を地域内のより多くの国に拡大していく方針も示しました。
教育、研修、ビザ緩和を組み合わせることで、人材と知識の交流を一段と促進し、中長期的な関係の土台づくりを進める狙いがうかがえます。
文明対話と文化財保護での協力
習主席は、中国がLAC諸国とともに「グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)」の実施を進める用意があると述べ、文明間の対話と相互理解の重要性も強調しました。
その中で、次のような価値を共に推進していくとしています。
- 平和と発展
- 公平と正義
- 民主と自由
- 文明間の平等・相互学習・対話・包摂
具体的な協力分野としては、文化遺産の保護が挙げられました。中国はLAC諸国と、共同考古学調査や歴史遺跡の保全・修復、文化財の不法取引対策などでの協力を強化する姿勢を示しました。
安全保障:防災からサイバー、犯罪対策まで
安全保障分野でも、習主席は「グローバル安全保障イニシアチブ(Global Security Initiative)」の実施に関して、中国がLAC諸国と協力する用意があると強調しました。
想定される協力分野は多岐にわたり、次のようなテーマが示されています。
- 災害管理
- サイバーセキュリティ
- テロ対策
- 腐敗防止(汚職対策)
- 薬物対策
- 越境組織犯罪対策
こうした協力を通じて、地域の安全と安定の維持を目指す考えです。経済協力や人材交流に加え、安全保障分野でも連携の枠組みを広げることで、関係をより包括的なものにしていく構想が示された形です。
今回の発表が意味するもの
今回の中国・CELACフォーラムでの基調演説は、中国とLAC諸国の関係を、
- 経済(インフラ、エネルギー、デジタル分野)
- 人材・教育・ビザを通じた人の往来
- 文明対話・文化財保護
- 防災やサイバーなど幅広い安全保障協力
といった複数のレイヤーで強化していく方針を改めて示したものと言えます。
国連を中心とする国際体制や国際法に基づく国際秩序を重視しながら、協力の枠組みを拡大していくというメッセージは、中国とLAC諸国が今後も国際舞台で連携を深めていく意向を反映しています。
今後3年間で予定される奨学金や研修、ビザ緩和などの動きがどのように具体化し、LAC諸国との関係にどのような変化をもたらすのか。中国とLAC諸国の関係は、国際ニュースの重要なテーマの一つとして、引き続き注目されそうです。
Reference(s):
Xi Jinping: China willing to strengthen cooperation with LAC countries
cgtn.com








