北京ハイテク博で見る中国テック最前線 3Dプリント靴も登場
3Dプリント靴からグリーン技術まで――中国の首都・北京で開かれた第27回中国北京国際ハイテク博覧会(China Beijing International High-Tech Expo)がこのほど閉幕し、中国テックの「今」を象徴する展示が注目を集めました。
第27回中国北京国際ハイテク博覧会の概要
国際ニュースとしても注目された今回の北京ハイテク博は、約5万平方メートルの広大な会場に、国内外あわせて800社・機関以上が集まる大規模イベントとなりました。
会場は、次の6つのテーマ別ゾーンで構成されました。
- 情報技術
- インテリジェント製造(知能化された製造)
- ヘルスケア・医療
- グリーン・低炭素ソリューション
- デジタル経済
- 地域イノベーション
情報技術やデジタル経済、グリーン・低炭素といったキーワードが並ぶ構成から、産業の重点分野がどこに置かれているかが読み取れます。
話題をさらった3Dプリント靴と「祈年殿」模型
多くの展示の中でも、来場者の目を引いたのが、一体成型の3Dプリント靴です。ソールからアッパーまでを一体で造形することで、部品点数を減らし、軽量化や生産工程の効率化につながる可能性があります。
サイズや硬さ、デザインをきめ細かく調整できる3Dプリント技術は、スポーツやヘルスケアの分野で、利用者一人ひとりに合わせた「パーソナライズされたモノづくり」を広げると期待されています。
もう一つの象徴的な展示が、北京市内の世界遺産・天壇にある「祈年殿(Hall of Prayer for Good Harvests)」を再現した精巧な模型です。伝統建築の細部まで再現したこの模型は、デジタル設計や精密加工の技術を通じて、文化遺産とハイテクが出会う姿を示しました。
最先端の製造技術が、単なる産業用途だけでなく、文化・観光・教育といった分野とも結びつきつつあることを象徴する展示と言えます。
6つのテーマが示す中国テックの重点分野
今回の北京ハイテク博では、情報技術、インテリジェント製造、ヘルスケア・医療、グリーン・低炭素、デジタル経済、地域イノベーションという6つのゾーンが設定されました。
これは、次のような流れを映し出していると考えられます。
- 製造業を、デジタル技術とデータ活用で高度化する動き
- カーボン削減や再生可能エネルギーなど、環境負荷を下げる技術への注力
- 高齢化や健康志向の高まりに応えるヘルスケア・医療分野の拡大
- オンラインサービスやプラットフォームを支えるデジタル経済の重みの増大
中国の企業だけでなく、海外からも多くの企業・機関が参加したことは、これらの分野が国境を越えて共有される課題であり、同時にビジネスチャンスであることを示しています。
日本のビジネスパーソンは何を読み取るべきか
日本語で国際ニュースを追う読者にとって、北京でのハイテク博は、次のような観点でチェックする価値があります。
- どの分野に多くの企業・機関が集まっているかから、世界の投資マネーや人材が向かう方向を推測できる
- グリーン・低炭素やヘルスケアなど、社会課題の解決とビジネスを両立させる取り組みが、今後の競争力のカギになりつつある
- 3Dプリント靴や文化財模型のように、「ユーザー体験」と「社会的な価値」を同時に高める技術が注目されている
こうした視点で展示内容を眺めると、中国テックの動向だけでなく、自分たちのビジネスやキャリアにとってのヒントも見えてきます。
これからのフォローの仕方
今回の北京ハイテク博は、単発のイベントとして終わるのではなく、中長期的な技術トレンドを映す「ショーケース」として位置づけられます。今後フォローするうえでは、次のポイントを意識するとよいでしょう。
- 展示された技術が、どのくらいのスピードで実際の製品・サービスとして普及していくか
- 情報技術、グリーン・低炭素、医療・ヘルスケアなど複数の分野がどのように組み合わさっていくか
- 国際イベントへの参加企業の動きから、どの地域・産業で連携が進んでいるのか
3Dプリント靴のように、かつては「未来の技術」だったものが、生活の身近なアイテムとして登場しつつあります。北京ハイテク博の展示は、その変化のスピードを示す一つの指標と言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








