アジア重量挙げ選手権89kgでリ・ダイインがスナッチ金 81kgでも中国勢が総合金
中国・浙江省衢州で開かれているアジア重量挙げ選手権で、男子89キロ級と81キロ級の両方で中国代表が強さを見せ、記録とドラマが生まれました。
男子89キロ級:リ・ダイインがスナッチ金、総合は1キロ差の攻防
男子89キロ級では、中国のリ・ダイインがスナッチで金メダルを獲得しました。現地時間の月曜日に行われた試技で、リは170キロに成功したあと176キロを挙げ、アジア記録保持者としての実力を示しました。
19歳のチームメート、パン・ユンホワもスナッチで163キロを成功させ、5位に入りました。朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)のロ・グァンリョルは168キロを挙げてスナッチ銀メダルとなりました。
リはエネルギーを温存するため、あえて最後のスナッチ試技には挑戦しないという戦略を選びました。
クリーン&ジャーク:背中の故障を抱えながらも意地のメダル
後半のクリーン&ジャークでは、リは重い背中の故障に悩まされ、203キロにとどまりました。それでもこの記録で種目別銅メダルを確保し、スナッチとの合計379キロで総合銀メダルに入りました。
一方、ロ・グァンリョルはクリーン&ジャークで212キロを成功させ、この種目と総合のいずれでも金メダルを手にしました。トータルは380キロで、リをわずか1キロ上回る接戦となりました。
若手のパン・ユンホワは、クリーン&ジャークで堂々の209キロを挙げて種目別銀メダルを獲得。スナッチとの合計372キロで総合銅メダルに輝いただけでなく、アジアジュニア記録も更新しました。19歳という年齢を考えると、今後の伸びしろにも注目が集まりそうです。
男子81キロ級:ルオ・チョンヤンがトータル金、種目ごとの主役は交代
男子81キロ級では、中国のルオ・チョンヤンがトータルで金メダルを獲得しました。スナッチの第1試技から160キロという高い重量に挑み、これは今大会のオープニングとしては最高の数字でした。
ルオは最初の試技でバーベルを取りこぼす場面もありましたが、第2試技で162キロを成功させて立て直し、インドネシアのリズキ・ジュニアンシャーを1キロ差で抑えてスナッチ金メダルを手にしました。大韓民国(韓国)のソン・ヒョンホが3位に入りました。
クリーン&ジャークではソンが存在感
クリーン&ジャークに入ると、流れは変わります。ジュニアンシャーは197キロを超える重量に苦戦し、この種目では銅メダルにとどまりましたが、トータルでは銀メダルを確保しました。
ソン・ヒョンホは、クリーン&ジャークで初めて200キロを成功させ、この種目の金メダルを獲得しました。ルオ・チョンヤンも200キロを挙げて種目別銀メダルを手にし、スナッチとの合計362キロで総合金メダルに到達しました。
1キロを争う接戦と、世代交代の予感
今回のアジア重量挙げ選手権男子89キロ級と81キロ級は、いずれも「1キロ差」が勝負を分ける緊張感の高い戦いとなりました。特に89キロ級では、リ・ダイインとロ・グァンリョルの総合379〜380キロ台での攻防が、トップレベルの拮抗ぶりを物語っています。
同時に、19歳のパン・ユンホワがアジアジュニア記録を更新したことは、アジアの重量挙げ界で世代交代が着実に進んでいることを示しています。経験豊富なエースと新世代の選手が同じ表彰台に立つ構図は、チーム全体の層の厚さを感じさせます。
アジア重量挙げが世界に発信するもの
重量挙げは、数字だけを追いかけると単調に見えますが、実際には「どの高さからスタートするか」「どこで力を温存し、どこで勝負に出るか」といった駆け引きのスポーツでもあります。リ・ダイインがスナッチ最終試技を見送った判断や、ロ・グァンリョルがクリーン&ジャークで勝負をかけた展開は、その典型例といえます。
今回の衢州での大会では、中国、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)、インドネシア、韓国など、アジア各国・地域の選手たちが互いに刺激し合いながら記録を押し上げました。こうした競り合いが、今後の国際大会でもアジア勢の存在感をさらに高めていくはずです。
通勤時間の少しのあいだに追いかけるには地味に見えるニュースかもしれませんが、1キロの違いに全てを懸ける選手たちの姿を思い浮かべると、国際スポーツの奥行きが少し違って見えてきます。
Reference(s):
Li Dayin wins men's 89kg snatch at Asian Weightlifting Championships
cgtn.com







