国際ニュース:中国・中南米が5つの協力プログラムで連携強化
今週火曜日、中国の習近平国家主席が北京で開かれた第4回中国・CELACフォーラム外相会合の開幕式で、中国と中南米・カリブ海諸国の連携強化に向けた5つの協力プログラムを発表しました。本稿では、その中身と狙いをコンパクトに整理します。
北京で開かれた中国・CELACフォーラムとは
中国と中南米・カリブ海諸国の協力枠組みである中国・CELACフォーラムの第4回外相会合の開幕式で、習近平国家主席は基調演説を行い、連帯と協力の強化を呼びかけました。会場は北京で、ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)に加盟する各国の代表が参加しました。
習主席は、中国が中南米・カリブ海諸国と団結を強め、共に発展と復興を進める用意があると強調しました。
習主席が打ち出した5つの協力プログラム
今回、習主席が示した柱は次の5つです。
1. 連帯プログラム
中国は中南米・カリブ海各国と、互いの核心的利益や重大な関心事項で引き続き支え合うと表明しました。国連を中心とする国際システムと、国際法に基づく国際秩序を共に守り、国際・地域問題で一つの声を上げていく姿勢を示しています。
具体的には、今後3年間で毎年、CELAC加盟国の政党関係者300人を中国に招き、国家運営の経験などについて意見交換を行うとしています。
2. 発展プログラム
発展プログラムでは、中国と中南米・カリブ海諸国がグローバル・デベロップメント・イニシアティブの実行に協力し、多国間の貿易体制を守ることが打ち出されました。世界の産業・サプライチェーンを安定させ、開放的で協力的な国際環境をつくることを目指します。
その一環として、中国は中南米・カリブ海からの高品質な製品の輸入を拡大し、中国企業による域内投資を促すとしています。また、双方の発展戦略を連携させ、質の高い一帯一路協力を広げていく方針も示されました。
3. 文明プログラム
文明プログラムでは、グローバル・シビリゼーション・イニシアティブの共同実施が提案されました。習主席は、文明間の平等、相互学習、対話、包摂の理念を掲げ、平和、発展、公平、正義、民主、自由という人類共通の価値を共に擁護しようと呼びかけました。
中国と中南米・カリブ海諸国の文明交流と相互学習を深めるため、中国・CELAC文明間対話会議の開催なども構想されています。
4. 平和プログラム
平和プログラムでは、グローバル・セキュリティ・イニシアティブの共同実施が掲げられました。災害対応やサイバーセキュリティ、テロ対策、腐敗防止、麻薬対策、越境組織犯罪の取り締まりなど、幅広い分野で協力を深め、地域の安全と安定を守る方針です。
5. 人民のつながりプログラム
人と人との交流を強めるプログラムでは、今後3年間で、CELAC加盟国に対して次のような支援や機会が提供されます。
- 政府奨学金 3500人分
- 中国での研修機会 1万人分
- 国際中文教師奨学金 500人分
- 貧困削減専門家向け研修 300人分
- 中国語橋プログラムによる派遣 1000人分
- 小規模ながら生活に密着したプロジェクト 300件の立ち上げ
さらに、中国はCELAC加盟国における中国語教育の発展を支援し、中南米・カリブ海の5カ国に対してビザ免除措置を導入することも決定しました。このビザ免除は今後、他の地域の国にも段階的に拡大していくとされています。
中南米・カリブ海側の反応と期待
会合には、CELACの輪番議長国であるコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領、チリのガブリエル・ボリッチ大統領、新開発銀行総裁で元ブラジル大統領のジルマ・ルセフ氏らが出席しました。
また、次期CELAC輪番議長となるウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領の特別代表が祝意のメッセージを代読しました。
出席者らは、不確実性の高まる国際情勢の中で、中南米・カリブ海諸国と中国が協力し、共に前進する必要性を強調しました。双方が互いの主権を尊重し、それぞれが選択した発展の道を支持することの重要性も確認されています。
さらに、中南米・カリブ海諸国の発展戦略と一帯一路構想との連携を強め、貿易や投資、インフラ、農業、科学技術、新エネルギー、教育など幅広い分野で協力を拡大していく方針が示されました。
国際秩序とグローバルサウスへのメッセージ
中国と中南米・カリブ海の双方は、文明間の対話と交流を進め、国連の権威を守り、多国間主義と自由貿易を支持する姿勢を打ち出しました。その一方で、一方的な行動、保護主義、力による政治やいじめのような行為に反対し、グローバルサウスの共通の利益を守る必要性を訴えています。
中国と中南米・カリブ海諸国の協力強化は、グローバルサウスの声を国際社会でどう可視化していくかという文脈でも注目されます。今回の5つの協力プログラムは、そのための具体的な土台づくりとして位置づけることができそうです。
私たちが押さえておきたいポイント
今回の中国・CELACフォーラムから見えてくるポイントを、改めて整理すると次の通りです。
- 中国と中南米・カリブ海諸国が、連帯と協力を前面に出した新たな枠組みを提示したこと
- 奨学金や研修、ビザ免除など、人の往来を増やす具体策が盛り込まれていること
- グローバル・デベロップメント・イニシアティブや一帯一路など、中国主導の国際イニシアティブとの連携が強調されたこと
- 国連中心の国際秩序を支持し、グローバルサウスの共通利益を掲げていること
国際ニュースとしての動きだけでなく、教育、ビジネス、人材交流など、日常に近いテーマにも直結する内容が多いのが今回の特徴です。今後、具体的なプロジェクトがどのように進んでいくのかを追うことで、中国と中南米・カリブ海の関係だけでなく、グローバルサウス全体のダイナミクスも見えてきそうです。
Reference(s):
Xi urges solidarity, deeper cooperation at China-CELAC meeting
cgtn.com








