中国「三体コンピューティング星座」初打ち上げ AI宇宙インフラの第一歩 video poster
中国は水曜日、宇宙コンピューティング衛星コンステレーション「三体コンピューティング星座」の最初のグループとなる12基の衛星を打ち上げました。人工知能(AI)と宇宙技術を組み合わせるこのプロジェクトは、今後の宇宙利用のあり方を変え得る試みとして注目されています。
ロングマーチ2Dで12基を一括打ち上げ
打ち上げは、中国北西部にある酒泉衛星発射センターで行われました。ロングマーチ2D(長征2D)型ロケットが北京時間12時12分に発射され、12基の衛星を軌道へ投入しました。これにより、「三体コンピューティング星座」と名付けられた宇宙コンピューティング衛星コンステレーションの初展開が始まりました。
最終目標は数千基・1,000ペタOPS
この星座は、浙江省杭州市を拠点とする研究機関・浙江Labと国際パートナーが共同で開発しています。浙江Labの主任であり、中国工程院の院士でもある王堅氏は、最終的に数千基の衛星で構成され、合計で1,000ペタOPS(毎秒1,000ペタ回の演算)という計算能力を備える構想だと説明しています。王氏は、中国の主要なクラウドコンピューティングプラットフォームの一つであるアリババクラウドの創業者としても知られています。
従来の衛星システムでは、宇宙で観測したデータを地上に送り、地上のコンピューターで処理するのが一般的でした。それに対し、「三体コンピューティング星座」は衛星自体が軌道上でリアルタイムにデータ処理を行うことで、処理の効率化と応答速度の向上を目指しています。
「宇宙のインターネット」を志向
王氏は、2024年の世界インターネット大会(WIC)烏鎮サミットで、このプロジェクトの狙いについて語りました。王氏によると、目標は1基の衛星の計算能力をテラフロップ(毎秒1兆回の演算)からペタフロップ(毎秒1,000兆回)のレベルに引き上げること、そして衛星同士をインターネットのようにシームレスに接続することです。
王氏は、「コンピューティング星座があれば、たとえ1基の衛星であっても価値を生み出せる。このことは宇宙産業の未来にとって深い意味を持つ」と述べ、1基ごとの衛星がネットワーク全体の中で役割を果たす仕組みの重要性を強調しました。
AIと宇宙をつなぐ新しいインフラへ
宇宙空間でのリアルタイム処理能力が高まれば、AIを搭載した衛星が観測や通信などの分野でより高度な役割を担うことが期待されます。王氏が描くのは、個々の衛星が高い計算能力を持ちながら、相互に接続された一つの「宇宙コンピュータ」のように機能する姿です。
今回の打ち上げは、そのビジョンに向けた第一歩と位置づけられます。今後、衛星の数と計算能力が段階的に拡大していけば、宇宙でのデータ処理やAI活用のあり方に新しい選択肢をもたらし、国際的な宇宙ビジネスの構図にも影響を与える可能性があります。
Reference(s):
China launches first batch of space computing satellite constellation
cgtn.com








