中国無錫で広がるペットフレンドリー経済 専用バスと街づくり video poster
中国のペット経済が拡大するなか、江蘇省無錫市ではペットと暮らす人が公共交通や商業施設をより自由に利用できるよう、ペットフレンドリーなサービスが次々と生まれています。
中国のペット経済と無錫市の取り組み
中国のペット関連市場が成長を続ける中で、無錫市はペット連れで利用しやすいサービスや施設を増やし、街全体を「ペットに優しい都市」へと変えつつあります。その象徴が、ペット同乗が可能なカスタマイズ路線バスです。
ペット同乗OKの専用バス路線
無錫市では、新たに導入されたカスタマイズ路線バスで、飼い主がペットと一緒に公共交通機関を利用できるようになりました。従来はタクシーや自家用車が中心だったペット連れの移動に、公共バスという選択肢が加わった形です。
犬を連れて乗車する市民の顧さんは、この特別なバスについて「駐車場探しの悩みが減るだけでなく、愛犬と一緒に気軽にお出かけを楽しめる」と話します。バスの運行により、自宅から離れた屋外スペースにも足を運びやすくなり、ペットにとっても行動範囲が広がります。
こうしたサービスは、単に移動手段を増やすだけにとどまりません。車内や目的地で飼い主同士が交流し、ペットの健康管理やしつけの工夫など、ペットケアに関する情報を自然に共有できるコミュニティの場にもなっています。
濱湖区に広がるペットフレンドリー空間
ペット同乗バスは、中国でも先駆的な試みの一つとされますが、無錫市の取り組みはそれだけではありません。市内の濱湖(ビンフー)区では、飲食やリラックス、屋外アクティビティをペットと一緒に楽しめるペットフレンドリーな施設が増えています。
地元関係者の楊建江さんによると、濱湖区ではペットと一緒に歩ける専用トレイルを整備し「ペットとハイキング」をテーマにしたアクティビティを企画しているほか、カフェやレストラン、景勝地などでペットをテーマにしたスポーツイベントを定期的に開催しているといいます。こうした企画を通じて、ペットと過ごす体験を広げることを目指しています。
新しい「社交の場」としてのペットフレンドリー施設
ペットフレンドリーな商業施設や観光スポットは、単なる「ペットが入れる場所」を超え、ペットを介した新しい社交空間になりつつあります。ペットをきっかけに、年代や職業の違う人同士が会話を始め、ゆるやかなつながりが生まれるからです。
2025年のメーデー連休には、濱湖区のあるペットフレンドリーな商業コンプレックスで、1日あたりの平均来場者数が前年より12%増加しました。この数字は、ペットと一緒に楽しめる「ペットフレンドリー型の文化観光モデル」が、地域のにぎわいづくりに貢献していることを示しています。
都市と観光のかたちをどう変えるか
無錫市の例から見えてくるのは、ペット経済が消費市場だけでなく、都市空間や観光のあり方にも影響を与え始めているという点です。
- 公共交通を含むインフラが、ペット連れの移動を前提に設計される
- 商業施設や観光地が、ペットと一緒に過ごす時間そのものを「体験」として提供する
- ペットを通じて、人と人との新しいコミュニティが生まれる
こうした変化は、ペットを家族の一員として捉える人が増える中で、これからの都市づくりや観光戦略を考えるうえで重要なヒントになりそうです。
日本の都市への示唆
日本でもペットと暮らす人は増え続けており、カフェや宿泊施設を中心に「ペット同伴可」の場所が広がっています。一方で、公共交通機関での受け入れ方や、周囲の人との共生のルールづくりなど、課題も少なくありません。
無錫市のように、公共交通と商業・観光を組み合わせてペットフレンドリーな環境を整える動きは、日本の都市にとっても参考になる部分がありそうです。どのようにすれば、ペットと暮らす人も、そうでない人も、お互いに心地よく過ごせる空間をつくれるのか――中国のペット経済の動きを追うことは、自分たちの社会を見直すきっかけにもなります。
Reference(s):
cgtn.com








