上海で世界最大の自動車運搬船「Anji Ansheng」引き渡し 欧州へ新エネルギー車7000台
中国・上海で、自動車約9500台分を積載できる世界最大級の自動車運搬船「Anji Ansheng(アンジ・アンション)」が木曜日午後に正式に引き渡されました。欧州向けに新エネルギー車約7000台を運ぶ最新の船で、国際ニュースとしても注目されています。
上海で世界最大級の自動車運搬船が誕生
「Anji Ansheng」は、上海のHaitong International Automotive Terminalで引き渡された外航自動車運搬船です。自動車を約9500台積み込めるスペースを持ち、同種の船としては世界最大級の規模とされています。
この船を建造したのは、SAIC Motor Corporation Limitedの子会社であるSAIC Anji Logistics Co., Ltd.です。輸送能力の高さに加えて、省エネルギー性能が高く、知能的な低炭素技術が搭載されていることが特徴です。
また、カーボンニュートラル燃料(温室効果ガスの排出と吸収が実質ゼロとなる燃料)にも対応しているとされ、海上輸送の脱炭素化を意識した設計になっています。
新エネルギー車約7000台を欧州へ輸送
今回引き渡された「Anji Ansheng」は、木曜日の夜にも欧州へ向けて出港する予定で、船内には中国国内で生産された新エネルギー車が約7000台積み込まれます。SAICの「MG」ブランドの車両も含まれています。
一般的に「新エネルギー車」とは、電気自動車やプラグインハイブリッド車など、従来型のガソリン車に比べて環境負荷を抑えた車種を指します。こうした車両を一度に大量輸送できる自動車運搬船の存在は、国際的な自動車貿易とエネルギー転換の両面で重要なインフラとなりつつあります。
海運の低炭素化を象徴する船
「Anji Ansheng」が備える高いエネルギー効率と知能的な低炭素技術、そしてカーボンニュートラル燃料への対応は、海運業界に広がる脱炭素の流れを象徴しています。
自動車運搬船のような大型船は、一度に大量の貨物を運べる一方で、燃料消費量も大きくなりがちです。そのため、船の設計段階から燃費性能を高め、航行中のエネルギー管理を高度化することが、温室効果ガス削減の鍵とされています。
今回の船のように、デジタル技術を活用して運航を最適化し、必要に応じてカーボンニュートラル燃料も使える設計が広がれば、国際物流の環境負荷を着実に下げる一助となる可能性があります。
日本の読者が押さえたい3つの視点
今回の国際ニュースは、日本にとっても他人事ではありません。日本の読者が考えるヒントになりそうなポイントを、3つに絞って整理します。
- 1. 物流インフラの進化が市場競争力を左右する
自動車運搬船の大型化と高効率化は、1台あたりの輸送コストや納期にも影響します。製品競争力だけでなく、物流インフラの差が国際競争を左右する時代になりつつあります。 - 2. 新エネルギー車と海運の「セット」で見える構図
環境性能の高い車を、環境負荷の低い手段で運ぶことが求められています。今回のように、新エネルギー車と低炭素船舶が組み合わさる動きは、今後さらに広がる可能性があります。 - 3. アジア発の動きが世界市場を動かす
アジアの都市でこうした大型船が投入されることは、自動車産業だけでなく、金融やエネルギー政策、港湾開発などにも波及するテーマです。日本の企業や自治体にとっても、どのように連携し、競争していくかを考える材料になります。
世界最大級の自動車運搬船「Anji Ansheng」の就航は、単なる船のニュースにとどまらず、電動化と脱炭素、そしてグローバルな物流競争という複数のトレンドが交差する出来事だと言えます。今後、同様の船がどの程度増え、国際物流の姿をどう変えていくのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








