北京の海淀公園、モネの庭に変身 市民ガーデンが彩った5月の景色
2025年5月中旬、北京の海淀公園で庭園をテーマにした大規模イベントが開かれ、園内がまるで印象派画家モネの絵画のような風景に生まれ変わりました。30の市民ガーデンが並ぶ空間は、多くの来園者が写真を撮りながら散策する人気スポットとなりました。
5月の北京に現れたモネの庭
空が澄みわたった5月の北京。海淀公園では、期間限定でモネの絵画世界をイメージした庭園イベントが行われました。水辺や花壇、芝生が連続する景色は、光と色のにじみを大切にしたモネの絵を思わせる構成で、園内に足を踏み入れると、日常から少し離れたような空気を感じられたといいます。
会場には家族連れや若いカップル、カメラを持った人たちの姿が目立ちました。スマートフォンで花を接写する人、広角で全体の構図を狙う人など、思い思いのスタイルで景色を切り取る姿は、都市の公園が撮影と発信の場としても機能していることを映し出しています。
市民ガーデン30区画がつくるストーリー
今回のイベントの特徴は、海淀公園内に30の市民ガーデンが設けられたことです。市民ガーデンとは、来園者に開かれた小さな庭区画のことで、花の組み合わせや配置を工夫しながら、一つひとつが異なる表情を見せるエリアとして構成されています。
規模は大きくなくても、テーマや色のトーンを変えることで、歩くたびに景色が切り替わっていきます。
- ある区画では、淡いパステルカラーの花が中心に
- 別の区画では、濃い赤や紫など強い色合いが主役に
- 高さの異なる植物を組み合わせ、立体的な奥行きを演出
こうした変化が、モネの作品に見られる光や時間の移ろいを連想させる要素にもなっていました。来園者が「自分のお気に入りの一角」を探しながら歩く楽しみが生まれた点も、市民ガーデンの効果といえそうです。
127種類・29カテゴリーの植物が生む色彩
イベントでは、中国内外から選ばれた植物が多数用いられました。展示に使われた植物は合計127種類、29のカテゴリーに分けられており、その多様さが景観の厚みを支えています。
色や形、開花時期の違う植物を丁寧に組み合わせることで、単に華やかなだけでなく、見ていて飽きないリズムが生まれます。緑のグラデーションの中に、黄色やピンク、青紫の花が点在し、遠くから眺めたときには柔らかな色の面として、近づいて見ると一つひとつの花の個性として感じられる構図になっていました。
中国本土でおなじみの植物と、海外から取り入れられた植物が同じ花壇に並ぶ様子は、庭づくりを通じて文化や趣味が交わる姿とも重なります。国や地域をまたいで集められた植物が、一つの公園の中で調和している点も、現代の都市らしい要素といえるでしょう。
都市生活と公園の役割を考える
この庭園イベントは、2025年5月16日までの期間限定で開催されましたが、終わった今も、都市と緑の関係について考えるきっかけを残しています。
忙しい都市生活のなかで、公園は単なる「休憩の場」から、学びや創造の場へと役割を広げつつあります。今回の海淀公園の事例では、
- 市民ガーデンという形で、多様な庭のスタイルを一度に体験できること
- 中国本土と海外の植物を組み合わせた景観を通じ、自然をきっかけにした国際的な視野が広がること
- 写真や動画として記録され、SNSで共有されることで、現地を訪れた人だけでなく、オンライン上にも景色が広がること
といった点が印象的でした。
国際ニュースとして見ると、この庭園イベントは、世界の大都市が共通して抱えるテーマである「都市にどう自然を取り戻すか」「市民がどう景観づくりに関わるか」という問いにもつながっています。2026年以降、北京や他の都市でどのような形の緑の試みが続いていくのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








