中国の「緑は金」戦略:北京の青空290日が映すエコ文明の現在地
昨年2024年、北京市で大気質が良好とされた日数が290日に達し、観測開始以来最多となりました。中国が掲げる「緑は金」という考え方とエコ文明づくりが、都市の空と世界の環境にどのような変化をもたらしているのかを整理します。
北京で大気質「良好」の日が290日に
北京市生態環境局によると、昨年の北京市では年間の79.2パーセントの日で大気質が良好と評価されました。日数にすると290日で、前年より19日多く、2013年と比べると114日も増えています。
およそ10年前、北京市は深刻な大気汚染に悩まされていましたが、その後、さまざまな環境対策やクリーンアップの取り組みが進められ、近年は青空の日が着実に増えてきました。今回の数字は、その流れが続いていることを示すものです。
10年前の北京との違い
かつては、冬場になると視界が白くかすむような状態が頻繁に報じられていました。現在は、排出削減や監視の強化などの取り組みによって、住民が体感する空の様子も変わりつつあります。大気汚染が健康や経済活動に与える影響を考えると、青空が増えたことの意味は小さくありません。
生態文明思想と「緑色・低炭素」への転換
北京市だけでなく、中国全体でも、生態と環境を重視した発展が打ち出されています。その背景にあるのが、習近平の生態文明思想(Xi Jinping Thought on Ecological Civilization)です。
この思想のもとで、中国は生態優先とされる道を揺るがず歩み、緑色で低炭素な発展を追求しながら、あらゆる分野での生態環境保護を強化してきたとされています。経済成長と環境保護を対立させるのではなく、環境に配慮した成長モデルを中国式現代化の重要な特徴と位置づけている点がポイントです。
「緑は金」という発想の広がり
緑豊かな環境そのものが価値であり、長期的には経済的な利益も生むという「緑は金」という考え方は、都市づくりや産業政策、エネルギー利用の方向性にも影響を与えています。汚染の少ない生産方式や省エネ型のインフラが重視されることで、企業や地域の競争力の捉え方も変わりつつあります。
中国のエコ文明づくりが世界にもたらすもの
中国はエコ文明を築く決意を持って取り組みを進めており、その結果として世界全体の「緑の地図」が広がり、中国と世界の双方に利益をもたらしているとされています。
温室効果ガス排出の多い国や地域が緑色で低炭素な発展を目指すことは、気候変動対策や生物多様性の保全にとっても重要です。中国の動きは、国際社会における環境協力のあり方を考えるうえでも注目されています。
北京の青空が示すこれからの課題と可能性
北京での良好な大気の日数が過去最多となったことは、ここ10年あまりの環境対策の成果を示す一方で、この流れを安定的に続けていけるかどうかという新たな課題も投げかけています。
「緑は金」という考え方のもとで、生態と経済のバランスをどのようにとっていくのか。中国の取り組みは、急速に発展する都市や新興国が共通して直面する問いに対する、一つのモデルとして今後も注目されそうです。
Reference(s):
Green is gold: China's efforts to build a clean, green country
cgtn.com








