中国が国連で二国家解決の実行を呼びかけ ナクバ77年とガザ危機
パレスチナ問題の解決策として「二国家解決」をめぐる議論が続くなか、国連で開かれたナクバ77周年の記念行事で、中国の国連次席大使のGeng Shuang氏が、ガザでの即時停戦と二国家解決の具体化を国際社会に呼びかけました。
国連で「二国家解決」の実行を訴え
Geng氏は国連の集会で、パレスチナ問題の包括的かつ持続的な解決には、イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として共存する「二国家解決」の実施が不可欠だと強調しました。また、この枠組みが実現されてこそ、ナクバが歴史の一ページとして過去のものになると述べました。
パレスチナ問題は中東情勢の核心であり、地域の平和と安定、長期的な安全保障に直結すると指摘し、「二国家解決の実施こそが、この問題を根本的に解決する唯一の現実的な道だ」と位置づけています。
ナクバ77年と続く歴史的不正義
Geng氏はまず、いわゆるナクバから77年が経過したことに触れました。アラブ・イスラエル戦争のさなか、パレスチナの人々の半数以上が故郷を追われるか、逃れざるをえなかったとしたうえで、その後も正当な権利と利益を求める厳しい道のりが続いてきたと振り返りました。
さらに、77年が過ぎた今日になっても、パレスチナの人々が受けてきた歴史的不正義は解消されるどころか、むしろ悪化しているとの認識を示しました。
ガザで深刻化する人道危機
演説では、ガザ情勢の悪化にも多くの時間が割かれました。Geng氏によれば、19か月に及ぶ紛争の中で5万3000人を超えるパレスチナ人が命を落とし、およそ200万人が「前例のない人道的な大惨事」に直面しているといいます。
- 長期化するガザでの戦闘
- 数万人規模の犠牲者
- 約200万人が封鎖下で深刻な人道危機に直面
こうした状況を踏まえ、ガザでの恒久的な停戦を一刻も早く実現し、人道危機を緩和することが喫緊の課題だと訴えました。
入植地拡大が二国家解決の土台を侵食
また、ヨルダン川西岸で続く入植地の拡大と入植者による暴力の増加が、パレスチナの人々の生活空間を絶えず圧迫し、二国家解決の基盤そのものを侵食していると警鐘を鳴らしました。
中国がイスラエルに求めた具体的措置
Geng氏はイスラエルに対し、国連安全保障理事会と総会の決議を順守し、国際司法裁判所の暫定措置や勧告的意見を尊重するよう求めました。
- すべての軍事攻撃と国際法、とりわけ国際人道法に反する行為の即時停止
- ガザ封鎖の解除
- ヨルダン川西岸での入植活動の停止
- 入植者による暴力の抑制
さらに、関係当事者に対して大きな影響力を持つ「主要な大国」は、公平で客観的な立場を堅持し、ガザの戦闘を沈静化させ、西岸地区の緊張を和らげるための具体的な行動を取るべきだと指摘しました。
パレスチナ国家承認と国際枠組みへの支持
中国の長年の立場を改めて示すかたちで、Geng氏は1967年の境界線に基づき、東エルサレムを首都とする独立したパレスチナ国家の樹立を支持すると表明しました。また、パレスチナの国連加盟国としての完全な地位獲得も支持すると述べました。
あわせて、エジプトやアラブ諸国が共同で打ち出したガザ復興・再建計画や、フランスとサウジアラビアが6月に開催することが当時予定されていた二国家解決に関するハイレベル会議を後押しするとし、これらが二国家解決の実現に新たな弾みを与えるとの見方を示しました。
今回の発言が投げかける問い
Geng氏は、「平和を愛するすべての国」と連携し、二国家解決の実行と、パレスチナ問題の包括的で公正かつ持続的な解決に向けて粘り強く取り組むと締めくくりました。ナクバの日を「永久に過去のもの」とするためには、国際社会がどこまで具体的な行動に踏み出せるのかが問われています。
二国家解決は長年語られてきた構想ですが、ガザでの惨禍や西岸での入植地拡大が続くなか、その実現可能性や具体的な道筋は改めて厳しく問われています。今回の中国のメッセージは、紛争の悪化を食い止めるために、停戦、人道支援、国際法の順守、そして最終的な政治解決をセットで進める必要性を浮かび上がらせています。
読者のみなさんは、パレスチナ問題の「唯一の現実的な解決策」として二国家解決をどう見ますか。国連の場で示された今回のメッセージは、中東だけでなく、国際秩序や国際法のあり方を考えるうえでも、一つの出発点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








